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予想通りの場所だった小浜島 (沖縄 小浜島)

JALから家人のマイレージ2万マイルが失効するというハガキが届きました。そのまま失効させてしまうのはあまりにもったいないので、急遽行き先を探した結果、小浜島(こはまじま)に行くことにしました。フライトは羽田−石垣の往復です。小浜島はこれまでなんとなく触手が動いたことなかったので、ちょうどいい機会かなと考えたわけです。

ソウルなども候補になったのですが、燃油サーチャージが往復で14000円もかかるので、無料旅行の趣旨から外れてしまうのです。

もうひとつ小浜島を選択したわけは、「はいむるぶし」か「星野リゾートリゾナーレ小浜島」のどちらかに泊まろうと考えたからです。これ以外には民宿みたいなものしか見当たらず、今回はそういうものを求めるのが趣旨ではないからです。

リゾナーレ小浜島は2001年にユニマットグループが開業し、2011年以降は星野リゾートが運営を受託し、その後2019年に買収した物件です。私も星野が買ったことは知りませんでした。ということは星野リゾートらしさは薄いだろうと考えました。星野リゾートに関しては、開業直後の「星のや富士」に行ったくらいで、とてもビジネスがうまいなあという印象です。

このときの希望日程では、リゾナーレははいむるぶしよりも1泊につき1万円以上高かったので、今回ははいむるぶしに2泊することにしました。

さて、はいむるぶしと言えば44年前の1979年にヤマハがオープンさせた、当時の日本としてはザ・高級リゾートホテルという位置づけでしたね。新婚旅行先としてもとても人気があったと思います。

なんといってもはいむるぶしというネーミングが秀逸の極みですね。南十字星という意味なんだそうです。決して「ハイムルブシ」ではなく「はいむるぶし」なのが素敵です。関係ないですが「ニライカナイ」は「にらいかない」ではないですよね。こうした語感というのはとても不思議に思います。

同じ頃に沖縄に続々と開業したホテル群。JAL系のオクマリゾートが45年前、ANA系の万座ビーチホテルが40年前、残波ロイヤルホテルが35年前です。まあそんな時代です。残波ロイヤルホテルは先日大和ハウスグループが別の運営会社に再建委託をすると報じられています。

現在のはいむるぶしは2016年に三井不動産が100%子会社化した株式会社はいむるぶしが運用しています。


小浜島には石垣空港から石垣島のフェリーターミナルまでバスで、そこから船で向かいます。所要時間は30分ほど。途中竹富島の横を通ります。港からはいむるぶしの専用バス(大型バスです)でホテルまで10分ほどです。

はいむるぶしのエントランスを見守るシーサーは、口にハイビスカスをくわえてお出迎えしてくれます。これ大好きです。

冗談みたいな敷地の広さゆえに、食事やお風呂に行くにも移動カートがないとかなりの距離を歩くことになります。カートは別料金またはカート付きのプランの利用が必要です。

滞在したのが梅雨入りの直前で、3日間で日が差した時間はあまりありませんでした。かと言って雨もそんなに降ることはなく、何となくどんよりと曇った感じでした。沖縄の梅雨は本州とは違うのでこんな感じですよね。なのですべての費用が安い梅雨時期と1月2月は、海でガンガン泳ぐのでなければ案外おすすめです。

こんな天候でしたので、滞在中は部屋のテラスのソファーで、泡盛を飲みながらひたすらだらだらしていました。全国旅行支援もあり、オーシャンビュープレミアルームを選択していたのでこれができてよかったです。結局海にもプールにも一度も入ることはありませんでした。

朝食はバイキング形式です。これは思ったよりはとても美味しかったです。2日間でメニューはあまり変わることはありませんでした。とはいっても2日でも全制覇できないくらいの種類がありましたから、2、3泊までなら大丈夫だと思います。

はいむるぶしは部屋のランクによっては部屋から全く、あるいはほとんど海が見えなかったりします。ルームタイプ名に「オーシャンビュー」と明記されていない部屋を選択する場合はくれぐれもご注意ください。昼間は部屋にいないくて夜だけ戻るような動き方をされない限り、せっかく小浜島まで来て海が見えない部屋にいるのは寂しく感じるかもしれません。

最も安いスタンダードルームは下のMAPの「うーじ棟」になりますので、海は全く見られません。海が見えないだけで、眺望が悪いということではないです。はいむるぶしに何を求めるかによっては、部屋から海が見えるかどうかはあまり関係無いかもしれません。もちろん部屋以外の敷地内の大部分では、海を見ながらゆったり快適な時間を過ごすことができます。

「てぃだ棟」に割り当てられるスイート系の部屋は、あらゆる点で最も良いロケーションです。ただお値段もそれに比例しています。時期にもよりますが、この料金なら、私は国内外の他の場所で他の宿を選択するだろうなと思います。

国内外であちこちのリゾートに宿泊してきましたが、はいむるぶしはかなりはっきりと室料とクオリティーが比例しています。

飲食施設の内容やクオリティーは、朝食以外には利用していませんのでわかりません。公式サイトに掲載されている情報を見る限り、ホテル内は高いだろうなと思います。そして後述しますが、飲食に関しては島内の他の飲食店も正直非常に貧弱なものばかりだと思います。

大浴場はとても良かったです。ただサウナがないのは今としてはかなりマイナスです。

全体として公式サイトの写真はかなり修正が施されていたり、最高条件の天候で撮影していますので、過度な期待をするとがっかりすることになるかもしれません。全体に盛り過ぎであることは間違いないです。ですが44年を経た施設としては、全てが完璧に継続維持されているのはすごいことだと思います。

はいむるぶしの話はこれくらいです。


小浜島での2泊の滞在期間中に、夕食のお店の予約はかなり難航しました。事前情報でどこも予約必須で、ホテルまでの送迎があるのは理解していました。ネットで探せば島内のお店の情報もそれなりに分かりますし、Google Mapを見ればとりあえずどこに何があるのか、おおよその評価もはすぐに分かります。

問題はここからです。こうした情報の中からここだとお店を決めたとして、予約はごく一部の例外を除いて電話対応です。それもまあ良しとしても、電話しても本当に出てくれないのです。どのお店も午前中は絶望的です。午後も夕方4時以降でないと電話に出ないお店がほとんどです。電話に出ないというのが閉店なのか、休業なのか、休日なのか全くわかりません。さらに驚くことには、営業時間中も電話に出ません。これはお店で食事をしている間にもたくさん電話がかかってきますがなかなか出ません。忙しいのは分かりますが、だから予約できないのかと理解しました。

小浜島が無料送迎が基本なので、店のキャパシティーを考えるとこれが限界なのかもしれません。なぜ送迎なのかというと、島の規模からしてタクシーは成立しません。レンタカーも借りる人も事実上いません。かといって自転車や徒歩では距離があったり、真っ暗でハブが出るかもだったり、雨が降ったり、そもそも飲めないということになります。なので送迎です。

小浜島の環境では、送迎自体はいい制度だと思うので、ワゴン車1台を共同運用すればいいのにと本当に思います。無料である必要は全く無く、片道一人100円をQR決済するか、飲食代に上乗せするだけのことです。有料化してもその方がサービス向上するはずなので誰も文句は言いませんよ。送迎予約に関してはシステムを入れるほどではないので、ドライバーに直接電話するやりやり方でいいです。時間も道路渋滞することは全く無いので大きな問題は起きないと思います。

お店の予約も本当は一元管理してもらえると嬉しいんですがねえ・・・

更に困ったことは各種情報に記載されている休日の情報が全く当てになりません。コロナで客が少なかったことに起因するのか理由はわかりませんが、とにかくやってるはずの日時にお店がやっていません。Google Mapを筆頭に、情報が本当にいい加減です。夕食難民になりかねない状況ですから、くれぐれもご注意ください。

こうしたことは久高島でも遭遇していますので南の島あるあるなのかもしれません。でも宮古島ではこういうことは経験したことはないんですが。

というわけで初日の夜は日曜日ということもあって、唯一予約できたのは「島人ぬ居酒屋あーじゅ」さんだけでした。

泡盛はボトルで。残りは部屋でいただきます
グラスは八重泉

小浜島には現在酒蔵はありません。そのためどのお店に行っても石垣の「請福」か「八重泉」です。きっと仲良くなれば波照間の「泡波」なんかもあるんでしょうが、残念ながら聞いても「ない」と言われました。致し方ありません。

あーじゅさんはごく普通に美味しいです。ただ、びっくりするような金額だったのには参りました。

2日めも予約はとっても難航した結果、「島の料理 稟七(りんな)」さんに行きました。ここも味はごくごく普通。下の写真の右側の島バナナのジェラート?は絶品でした。

島バナナを凍らせてクラッシュしただけだそうですが、めっちゃ美味しかったです



昼間は宿で自転車を借りて、島内をぐるぐる廻っていました。天気はずっと曇りではありましたが、幸い雨に降られることはなく、傘の出番はありませんでした。

これは島の西側、カトレ展望台の近くから見た景色です。向こうに見える島は西表島です。案外近いんですね。

半島みたいに見えるのが小浜島最西端の細崎海岸です

このあたりにはマングローブがたくさん自生しています。

あまり大きくはないです
まだ若い?マングローブ

「マンタ展望台」なるものもありました。

かなり傷んでいました

2日めのお昼ご飯は「てぃーだ食堂」さんでソーキそばを頂きました。これも普通かな。

てぃーだ食堂

嬉しかったのは沖縄でもそれなりに珍しいオリオン75が飲めたことです。

オリオン75
ソーキそば


シュガーロードと呼ばれるポイントにも行きました。はいむるぶしのバスでも、あーじゅさんの送迎車でも、繰り返し説明されました。ですが、一直線に並ぶ電柱を見に行くような道には全く魅力を感じられませんでした。よって写真はありません。




小浜島は競争がないからなのか、他を知らないのか、やる気がないのか分かりませんが、食のレベルは先程リンクした久高島並に低いです。久高島は観光地ではないのでそれでいいと思います。でも小浜島は観光の島、だとしたら、もうちょっと島全体として考えたほうがいいと思います。

旅において食に期待しないとしたら、何をするべきなのかが問われる小浜島です。これは来る前から何となくわかっていた事でしただから、これまで自発的に小浜島を訪れることはなかったんです。この判断は正しかったと思っています。

これを読んで快く思われない方は、ぜひぜひ他の島や他のリゾートを体験してみてください。ホテル内ですべて完結する滞在をしていればいいと思いますが、島全体としての観光客を受け入れる環境に全くなっていません。

2つの巨大ホテルだけが特別な世界で、島の人の生活とはそこは切り離されていて、なんだけど実は島の人達の多くは2大ホテルに何らかの関わりを持って暮らしているという、本島の基地問題みたいな構造にも見えます。

島の雇用の大部分はホテルで生み出されているわけですから、これでいいのかもしれません。あるいは実は観光の島ではないのかもしれません。このあたりはなかなか奥が深い話になるんだと思います。



ところで、はいむるぶしの売店で購入した波照間島の黒糖はすごく美味しかったです。小浜島のものと多良間島のものが家にはありまして、これらを比べると濃厚で美味しい順に波照間島>多良間島>小浜島という順番です。波照間島は友人(女性です)が毎年島宿の手伝いに長期間行っているので、いつか私も訪ねてみたいと思っています。

チェックアウトして港までのバスに手を降って見送ってくださったスタッフさんです。はいむるぶしのみなさんはとても親切でいい方ばかりでした。お世話になりました!

ありがとうございました


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