障害者枠について
障害者枠というものをご存知だろうか。日本には障害者雇用義務というものがあり、従業員45.5人以上の民間企業は障害者雇用率を2.2%以上にしなければならないという決まりがあるのだ。
採用されるかどうかは様々な評価によって決まるが、募集に関しては、左右の足の長さが数センチ違うだけでも障害者枠に当てはまるように、受け口が広いことが窺える。
また、身体障害者だけではなく、2018年には新たに精神障害者も対象となった。これに関しては、企業は対応に追われているのが現状だ。
障害者枠についてかなり雑ではあるが、大体説明はこんな感じだ。
なぜ私が今回障害者枠の記事を書こうかと思ったのか。
それは私が大学3年生になったからである。
皆さんは就職活動というものをご存知だろうか。就職をするために企業に自分を売り込みに行き、内定を獲得する活動のことだ。早ければ中学校を卒業してから就職する人もいるし、高校で就職活動をした人もいるだろう。私は現実から逃げ続けた結果、約440万円を母に払わせ、人生の夏休みを獲得した。早々に言っておきたいことがある。それは、私は地獄に落ちることが確定している程の親不孝であるということだ。
さて、そんな私も就職活動をしなければならないわけだが、どうにも問題しか見えてこない。大前提として武器などないのだ。私には。
まず単純に頭が悪い。特に数学が全くできない。高校生の時1度だけ数学を頑張ってみたのだが、先生に聞いて納得したにも関わらず、テスト用紙をもらった瞬間なにをすればいいかわからなかった。当然そのテストは0点だ。必死に勉強しても全くわからないのだ。単純にIQが低いのだろう。(国語だけはなぜか出来た。)
次に特技だ。ない。
これで話が終わってしまうほど突出した能力がないのだ。強いて言えば趣味でエレキベースを弾いているが、バンドも組んでいなければ何かのコンテストに出たこともない。おまけに全然上手くない。これが就職にどのような利点になる?
そう、私は特技なし才能なし彼女なしのFラン大学生なのだ。
私が私自身にこんなにも絶望しているのだ。これを読んでいる当事者ではないあなた達にもこの絶望が伝わるぐらいの絶望だろう。
もう一度言うが、そんな私も就職活動をしなければならないのだ。
ここで出てくるのが「障害者枠」だ。私は子供の頃から落ち着きがないのはもちろんのこと、わからないことがあると先生にわかるまで徹底的に質問していた。そのせいで小学6年生の時の通知表には、「時に小学校の範疇を越えるようなとこまで考えてきます。感心することも多いのですが、反面、そこまで考えすぎなくてもと思う時もあります。割り切って考えることも必要だと思います。」と担任の老害に書かれたことをよく覚えている。
また、物がよくなくなる。どこかに置いて、それを忘れることもよくあるが、時々本当に物が消えることがある。それは一時的になくなることもあったり、永遠に消えたままのものもある。大半は永遠に消える場合が多い。
その他にも、順序立ててものを考えることができなかったり、部屋がすぐに散らかってしまったり、飽きっぽいなど、発達障害に多く当てはまる傾向が、私にもあるのだ。
だから私は障害者枠で就職活動をすることにした。そのためには自分が障害者だということを証明できなければならない。自分が障害者だと証明するには、「精神障害者保健福祉手帳」というものを取得しなければならないのだが、これは、発達障害だと診断された人は、保健所や保健センターで取得申請をすることができる。それがあれば障害者が受けるべき支援を受けることができるのだ。
私は来月診断を受けることにした。私の住んでいる稲城市にある稲城台病院で受けることにしたのだが、費用が異常に高い。普通4000円くらいで受けられるはずなのだが、独自の診断方法を取り入れているため、40000円弱くらいかかってしまうらしい。約10倍である。大きな病院だし変なクリニックのようにぼったくりなどはないと信じたいが、私は病院の闇をすでに感じつつある。
なにはともあれ、診断を受けなければ何も始まらない。発達障害ではないと診断された場合のことなど恐ろしすぎて考られない。もしその未来が現実になってしまったら、おそらく私は工場勤務不可避だろう。その末路は自由に想像していただきたい。末路に関しては私は特に興味はない。
障害者雇用枠で就職することを「オープン就労」と呼ぶが、メリットは障害を考慮した時短勤務や職務内容を選ぶことができることや、福利厚生がしっかりした大手ホワイト企業で働ける可能性が高いことだ。
デメリットは、通常の就職よりも昇給や収入などが低いこと、職域が限られてしまうことなどが挙げられる。
私はまともな企業で働ければそれでいい。日本でまともな会社に就職するには一流大学を出ることや複数の資格を取得することが最低限の条件だが、障害者もその条件に入ることを知った。それならばそれを利用しない手はないだろう。
自分を障害者だと信じてやまないFラン大学生、動きます。
では。
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