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受託系データサイエンティストがプロダクト専任データアナリストに転職して半年経ったので

これは 株式会社Mobility Technologies(以下MoT)データインテリジェンス部ブログの記事です。
本企画は弊社社員の個々の活動による記事であり、会社の公式見解とは異なる場合があります。

はじめに

初めまして、MoTのデータインテリジェンス部においてタクシーアプリ『GO』専任のデータアナリストをしております石川 大夢と申します。

受託系データサイエンティストからの転職でMoTに入社して半年ほど経過したので、自己紹介を交えながら、

  • 受託と事業会社の違い

  • データサイエンティストとデータアナリストの違い

  • MoT におけるデータアナリストの特徴

などについて、あくまで自身の経験を基に書いてみようと思います。
(※ 巷でどのような議論がなされているかなどには詳しく言及はしないという意図です。悪しからず。)

「受託から事業会社への転職を検討している」、「MoTのデータアナリストに興味がある」といった方に少しでも参考になれば幸いです。

自己紹介

本題に入る前に、簡単に経歴を書いておきます。
2022年4月で社会人4年目を迎えたところです。

経歴

・1社目:受託分析会社(2019年4月〜2021年11月)

地方国立大学を修士で卒業後、新卒データサイエンティストとして入社。
各種業界のクライアント向けに機械学習などの技術を用いた課題解決支援業務を担当

・2社目:MoT(2021年12月〜)
タクシーアプリ『GO』専任のデータアナリストを担当

どうしてMoTを選んだのか

学生時代のキャリア観

今回の転職にもつながる話なので、まず学生時代に描いていたキャリア観と新卒入社時の企業選択について振り返らせてください。

学生時代の私は、以下の3つをキャリアの軸としていました。

  • 地元(地方の田舎)に貢献できる仕事をしたい

  • 特定のドメインに特化していきたい

  • データ分析に関わる仕事をしたい

それぞれの背景や理由については今回割愛しますが、とにかく将来的には3軸が交わる部分をキャリアの目標としたいと強く思っていました。

なぜ受託分析をキャリアのスタートに選んだのか

冒頭の経歴に書いた通り、私がキャリアのスタートとして選んだのは受託分析会社でのデータサイエンティストという道でした。

前職では、様々な業界や企業をクライアントとしており、各プロジェクト数ヶ月単位で人員のアサインがされるため、基本的にはさまざまな業界のデータ分析業務にあたることになります。

そうです。これは「特定のドメインに特化していきたい」という軸にマッチしていないのです。
では、どうしてキャリアのスタートに受託分析会社を選んだのか。
これには大きく2つの理由があります。

1.事業会社のデータ分析職に新卒未経験で確実に就ける選択肢が少なかった
私が新卒の就活をしていた当時(2017~2018ごろ)、事業会社内のデータ分析職を新卒で募集している企業はまだまだ多くはありませんでした。
数少ない求人についても、求められる専門性が高く、新卒とはいえ即戦力級の人材を求めているものがほとんで、データ分析とはほとんど関係のない研究分野を専攻しており、何も実績のない私が入り込めそうな企業はありませんでした。
一方で、前職をはじめとするいくつかの受託分析会社では、データサイエンティストやデータアナリストを新卒未経験からポテンシャル採用しており、自然と就職先の有力候補として挙がりました。

2.どの業界/ドメインに進んでいくべきかを決めることができなかった
キャリア観の軸として「地元(地方の田舎)に貢献できる仕事をしたい」「特定のドメインに特化していきたい」を考えていた学生時代の私ですが、具体的にどの業界に進むことが、「地元のような地方に対してより大きな貢献につながるのか」という判断までは出来ませんでした。
なので、まずは受託分析会社の中で様々な業界のデータ分析業務を経験しながら、社会課題の解決にデータの力で大きく貢献できる業界はどこなのか、自分が進みたい業界はどこなのかを考ることにしました。

モビリティ業界、そしてMoTとの出会い

前職ではデータサイエンティストとして様々な案件に携わって来ましたが、キャリア観の軸自体は新卒入社のタイミングから大きく変わることはありませんでした。

そんな中で、入社3年目に差し掛かったあたり本格的にキャリアプランについて改めて考え直し始めたタイミングで興味を持ったのがモビリティ領域でした。

「地元(地方の田舎)に貢献できる仕事をしたい」という軸について、どのような業界でならデータ分析の経験を活かしつつ社会課題の解決に最大限貢献できるかを考えていた際、業務で地理情報系のデータを活用した分析を行ったことが興味を持つきっかけでした。

移動という行動からは多くのデータが得られるということ、得られたデータを分析技術を用いて活用することで大きな価値を見出せる可能性があること、移動や交通については地方も含め多くの解決すべき社会課題が存在するということ、全ての点が線で繋がり自分が進むべき方向はモビリティ領域だと考えるようになりました。

そして、モビリティ業界を知るところから始めようと情報収集していく中で出会ったのがMoTという会社でした。
当時の私はタクシーというものに馴染みがなく利用経験も年に1回あるかどうかという状況だったこともあり、MoTという会社名を最初に見た時には何をしている会社かもよくわかっていないという状況でした。笑
ただ、タクシーアプリ『GO』自体は街中を走るタクシーのラッピングなどで認知はしていたこともあり、正直最初の印象は「あー、タクシーアプリの会社かあ。馴染みもないしなあ…」くらいにしか思いませんでした。

しかし、調べていく中でMoTが掲げているミッションや目指している先などを理解していく内に、もしかしたらキャリア目標の達成を目指せる会社なのではと思うようになりました。

「移動で人を幸せに。」
MoTが掲げているミッションです。そして、このミッションが見据えている先には、タクシー産業の課題解決だけでなく、様々な交通・社会課題の解決もスコープに含まれています。(下図参照。弊社HPにより詳細な説明がございますのでご興味がある方はぜひご覧ください。)

MoTが実現を目指す事業領域の拡大
解決を目指す社会課題

最終的には、このミッションに惹かれた、自分も一員となって貢献したいと強く感じたことがMoTを選ぶ決め手となりました。

さて、前段が長くなり申し訳ありませんがここまでは転職の経緯や理由について書きました。
では、実際に転職してみてどうだったのか。について、転職後半年ほど経過した時点の感想ベースで「前職との違い」や「MoTにおけるデータアナリストの特徴」といった観点で書いていきます。

前職との違い

まずは前職との違いです。
これまでも書いている通り今回の転職は「受託分析会社」「データサイエンティスト」から「事業会社」「データアナリスト」へというもので、業態と職種がそれぞれ変わりました。以降では、転職から半年程度が経過した時点で感じるそれぞれの違いについて書いていきます。

受託会社と事業会社

やはり、一番大きく違いを感じるのは1つのドメイン/業界に特化した分析に長期的な計画で取り組めるという点です。

受託分析案件だと多くが数ヶ月単位の契約となっており、短い期間の中で分析の要件定義、機械学習モデルの開発、レポーティングなどをする必要があります。このため、ドメイン知識を深くキャッチアップする時間を確保するのはなかなか難しいケースが多く、深いドメイン知識の部分はクライアント担当者とのコミュニケーションをうまく取りながら進める必要があります。

一方で、事業会社の分析部門で自社サービス/プロダクトについての分析を担当する場合は、自身がしっかりと時間をかけながらドメイン知識を身につけることができ、分析のPDCAをより早く回すことができるようになるというメリットがあると感じました。

ただ、裏返して考えると、業界やプロダクトに対する深い知識・理解が求められるとも言えます。
MoTで言うと、タクシーアプリ『GO』はもちろん、タクシー配車アプリ業界、タクシー業界全体、さらにはモビリティ業界全体の状況や動向、歴史をしっかりと理解した上でデータ分析すべき課題を設定し、分析設計を行うことが、価値ある分析を行うために必要となります。

私自身、まだまだ知識や理解が浅い部分も多々あるので頑張っていきたいと思います。

データサイエンティストとデータアナリスト

こちらに関しては世間でも様々な議論が交わされている部分かと思いますが、正直な話、私自身は職種についてはそれほど今回の転職でこだわりを持っていませんでした。

というのも、それぞれの職種にどのような業務領域、技術領域を期待しているかは結構企業によって定義にばらつきがあるので、結局は職種の名前で考えるよりも求人に記載されている Job description を見て判断する方が重要であると考えたためです。

ただ、転職にあたりいくつかの求人を見ていく中で、一般的には、
「データサイエンティスト」は名前の通りサイエンスに強みを持ち、ML/DL領域の技術を使いこなすことが求められることが多く、
「データアナリスト」は、よりビジネスサイドに近く事業KPIやプロダクトKPIの設計、管理を求められることが多い。
というような認識なのかなぁと感じました。

私の場合は、より意思決定に近い場所で、プロダクトのグロースにデータ分析の力で貢献できるポジションで働きたいというモチベーションで転職活動をしていくと自然とデータアナリストという職種になっていたというのが正しいかと思います。

MoTにおけるプロダクト専任データアナリストの特徴

MoTにはいくつかデータ分析に関わるポジションが用意されているのですが(※)、今回は私が配属されているプロダクトマネジメント組織内に配置されているデータインテリジェンス部のデータアナリストについて、その特徴をお伝えしたいと思います。

※ AI開発やデータ分析を行うAI技術開発部があります。詳細については、弊社採用ページをぜひご参照ください

何でも集計屋にならずプロダクトの分析に集中できる体制

本記事を通して、「プロダクト専任のデータアナリスト」というニュアンスの言葉を何度か使用していますが、まさにこの言葉が特徴の一つを表しています。
この言葉の秘密は、MoTにおいてプロダクトマネジメントを行う組織の体制にあります。
MoTでは、タクシーアプリ『GO』を始めとし、MoTが展開している様々な事業・プロダクトに対してアサインされているプロダクトマネージャー(PdM)が所属している部署が用意されております。

実は、そのPdM部署と同じ部署内にデザイナー、UXリサーチャー、データアナリスト、QAエンジニアといったプロダクトに関わるポジションが用意されているのです。(下図参照)

PdM本部体制概要

初めてこの体制について聞いた際私は驚きました。なぜなら、こういったスペシャリスト的な職種はそれぞれ専門部署が用意され別組織として動くというイメージを持っていたためです。実際、一般的にはこのような体制になっていることが多いのではないかと想像します。
このような一般的な体制化では、データアナリストはデータ分析専門部署に配属され、社内の様々な部署から来るデータ抽出依頼や集計依頼への対応で追われ、結果的に「何でも集計屋さん」のような業務になってしまいがちなのではないかと思います。


この点MoTでは、アナリストがPdM組織内に含有されており、各自が基本的に特定プロダクトの専任となる形でアサインされています。
このため、プロダクトのKPI設計や管理、KPIから見えてくる課題に基づいた深い分析など、担当プロダクトのグロースに対し、データ分析を通じて貢献することに集中して取り組むことができます。

各ジャンルのスペシャリストとの距離が近い

MoTのPdM組織体制がもたらすメリットは他にもあると感じました。
それは、各職種のスペシャリストが同じ組織内に集まっていることで、素早くコミュニケーションが取れたり、コンテキストが揃った状態で議論をしやすいという点です。

例えば、アプリUI周りの検証としてデータを基に定量的に分析したいといったケースは発生し得るのですが、分析結果として「ある画面で離脱が起きていそう」などの分析結果が得られた場合、同じPdM組織内にデザイナーやUXリサーチャーがいることで、改まって背景の説明などとともに別部署に相談フローを通して依頼を出す必要もなく、割とカジュアルにデザイン観点やUX観点の意見をもらいにいけたりします。

このように同じ部署内に各ジャンルのスペシャリストが集まっていることで、アウトプットの質やスピードの向上に繋がっていると感じます。

MoTにおけるPdM組織全体については、こちらの記事もぜひご参照ください!

また、私が所属しているデータインテリジェンス部の仕事内容などについては、こちらの記事をご参照ください!

おわりに

少々長くなりましたが、事業会社からプロダクト専任アナリストに転職した経験について書いてみました。読んでいただきましてありがとうございました!
もし少しでもご興味を持っていただけたなら幸いです。
また、弊社Mobility Technologiesでは現在データアナリストを絶賛募集中です。

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