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【10分師匠】「鬼と化した母の愛に救われて」〜西村滋〜

どうも、伊志嶺海です。

このマガジンでは、毎朝10分間で偉人の哲理を学ぶPodcastプログラム「10分師匠〜偉人の哲理〜」の内容を発信しております。

音声はstand.fmとSpotifyで聴くことができるので、そちらもぜひCheckしてくださいね。

さて、今回の師匠は西村滋さん。
西村さんは日本の作家さんで、その作品は映画化されております。また、テレビドラマの脚本も書かれており、日本の文学界・エンタメ業界でご活躍された方なんですね。

そんな西村さんですが、幼少の頃に経験したお母さんとのエピソードをお話くださっています。西村さんのご両親は、西村さんが幼いうちに結核で亡くなってしまったそうです。

先にお母さんが亡くなってしまうそうなのですが、このお母さんが本当にすごいなと思いました。「無償の愛」とはこのことを言うんだなと学びましたね。

西村さんは、物心がついたときからお母さんのことが嫌いだったそうです。なぜかというと、お母さんはいつも西村さんをいじめて、邪険に扱っていたとのこと。憎まざるを得ない母だったそうです。

そんなお母さんは結核という病気のため、普通は入院しないといけません。しかしお母さんは入院せず、どうせ死ぬのだから家のどこかに置いてほしいと、離れを建ててもらってそこで過ごしていたそうです。

幼い西村さんは近くにお母さんがいると分かっているので、喜んで離れに会いにいくのですが、会ってもありったけの罵声を浴びせられ、しまいには物を投げつけられていたそうです。

そんなお母さんをだんだん憎むようになっていくんですよね。

そして時は流れ西村さんが13歳になったとき、西村さんはグレてしまうんですよね。孤児院を転々としながら飛行を繰り返し、少年院にも入っていたそうです。

そんな西村さんのもとへ、西村さんが幼少の頃にお世話になっていた家政婦さんが会いに来ます。西村さんが非行をしていると聞き、駆けつけたんですね。

そして、本当は西村さんが20歳になるまで話さないでと口止めをされていたそうですが、家政婦さんも病気を患ってしまっていたこともあり、自分が生きているうちにと西村さんのお母さんのお話を聞かされるのです。

西村さんがあんなに嫌いだったお母さん。実はお母さんはわざとあのような態度を取っていたんだと言います。

病気をうつしたくないためはもちろん、それだけじゃないと。幼い頃に母親を亡くすのは悲しいこと。なぜ悲しいかと言うと、優しく愛された記憶が残っているから。憎らしい母なら死んでも悲しくないだろうと、西村さんを悲しませたくないがために、あのように邪険に扱い憎まれるような態度を取っていたのだそうです。

さらにお父さんも当時若かったので、西村さんのお母さんは、自分が死んだ後に新しいお母さんが来るだろうと考えていたそうです。その新しいお母さんに愛し愛されるためには、実の母親は憎ませておいた方がいいと考えていたんですね。

これを聞かされた西村さんが驚愕します。

「あぁ、俺は母に愛されていた子なんだ、そういう形で愛されていたんだ」

藤尾秀昭「1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書」, 致知出版社, 2022年3月

と、とめどなく涙が溢れたとのこと。

このお話を読んで、母の無償の愛に感服しました。愛の形は人によって様々なんですね。そして愛というものは後になって感じたりするものなんですね。

当たり前のように育ててくれた両親も、たくさんの辛い思いをしてきたのは間違いないですが、どんな苦労があったのかを聞くことってなかなか無いと思います。

どんな親子であれ、我が子が生まれた瞬間にその子を愛していない親はいません。自分自身の幼少から今までを振り返り、両親にもらったたくさんの愛情に感謝をし、今度は自分から愛を届けたいと思いました。

そしていつか自分の子供が産まれたときは、自分なりの方法で無償の愛を届けていきたいです。

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