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#162 たとえ話がうまい人は何をしているのか【一笑門 マガジン】

どうも!海先輩です!

このマガジンでは、毎朝配信しているPodcastプログラム「海先輩の一笑門RADIO」の内容を発信しております。

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お話が上手な人は往々にして「たとえ話」が上手だったりします。

僕がお話が上手だなと思うタレントさんは、島田紳助さん、くりぃむしちゅーの上田さん、オリエンタルラジオの中田敦彦さんですね。

みなさん芸人さんなだけあってユーモアがあるのはもちろんですが、すごく知的で言葉の幅も広く、なおかつ"わかりやすい"んですよね。

おはようございます。海先輩です。

今日は、たとえ話がうまい人は何をしているのか、というお話です。

先にあげた御三方も、分かりやすく面白い「たとえ話」が非常に卓越しています。

僕が好きなのが、中田敦彦さんが昔しくじり先生で「伊能忠敬」について授業をしたことがあって、伊能忠敬って全国を歩いて日本地図を作ったことで有名ですが、複数人のチームで測量していたらしいんですね。

ただそのチームはメンバーがころころ入れ替わっていたらしく、そのメンバーが入れ替わる様子を、EXILEのメンバーの変遷と重ねて「伊能隊は6人でスタートし、途中KADOが脱退、北陸で8人になるが、その後ウォーカーのKINSUKEが脱退」というようにEXILE風の呼び名にしてユーモアに溢れたたとえ話をしていました。

このようにたとえ話が上手な人は何をしているのかというと、具体と抽象の往復をしているんです。

いきなり難しい表現になってしまいましたが、つまりは具体的な説明をしたあとに、その具体的な説明の特徴をピックアップすることで抽象化し、それに当てはまる他の具体的なもので再度説明するということです。

先の中田敦彦さんの伊能忠敬の話でいうと、まず伊能忠敬がどんなメンバーで測量チームを組んでいたのかを説明した後に、「チーム」という抽象的な概念をピックアップして、伊能隊のメンバー変遷と近い他のチーム、今回だとEXILEに落とし込んで分かりやすく説明をしたということなんですね。

そして、上手なたとえ話の特徴は主に以下の2つです。

①誰にでもわかる対象で例えていること
②説明しようとしている対象と、たとえで使っている対象の共通点が過不足なく表現されていること

これは僕が今読んでいる書籍の「具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ」に書かれていました。

特に②は、たとえ話のクオリティを大きく左右します。

説明したい対象とたとえで使っている対象の、共通点は他には当てはまらないようなものであり、2つの領域の相違点が説明したい部分とは関係ないものであると、良いたとえ話になります。

短歌や俳句も実はこれに近いものがあるそうで、

この道や 行くひとなしに 秋の暮れ

松尾芭蕉

この松尾芭蕉の句も、「人通りがない秋の夕暮れの一本道」という超具体的な場面描写ですが、この句を現代語訳すると、

「秋の夕暮れ時にこの道を行くものは全くいない。道を行く私は何と寂しいことだ」

となります。

実はこの句、松尾芭蕉が晩年に詠んだ句で、夕暮れ時の人っけない道と、自分が歩んできた俳句の道を重ねて詠んでいるわけですね。

まとめると、うまいたとえ話をするためには、具体と抽象を意識することが大事です。

まずは具体的なポイントを説明し、そのポイントを抽象的な表現で汲み取って、それが当てはまる別の具体的なもので説明する。

ちょっと難しいかもしれないですが、意識するだけでもトークのクオリティがアップするので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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