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#14 自由であるために

人物、バンド名等説明
・ 小島聡:日本のプロレスラー。鉄アレイのボーカルRYOの実弟で、新日本プロレスのIWGPヘビー級王座、G1クライマックス優勝、全日本プロレスの三冠ヘビー級王座、チャンピオンカーニバル優勝、プロレスリングNOAHのGHCヘビー級王座のほかにNWA世界ヘビー級王座にもついており、日本のメジャープロレス3団体の最高峰のベルトと、NWAの四冠という偉業を達成。

#14 自由であるために

 CHAOS U.K.とのスプリットアルバムは、DEATH SIDEの名を世界に発信するにはかなり効果があると期待していた。しかし、海外も視野に入れた活動ができると思っていた矢先、レコードレーベルとの間に確執が生まれる。レーベルの事務所には遊びに行くことも多く、社長ともかなり仲が良かったのだが、この頃になるとレーベルの金銭関係がかなり不透明だということが発覚する。
 表参道にある青山のマンションから、港区白金にある芸能人が住む家賃30万円のマンションに引っ越したレーベルが、今度は目黒のマンションに引っ越した。その行動で気づくのが普通だと思うが、俺たちはなんとも思っていなかった。しかし、ジャケットや歌詞カードの度重なるミスの他にも、プレス枚数も謎で、何枚売れたかもよくわかっていなかった。ケチな社長が1年間もの長期にわたるレコーディングに全く文句を言わず、発売後に渡されたギャラも、当時の俺たちにとってはかなり高額だったためアホ丸出しで喜んでいた。
 契約書は交わされていたのだが、内容をよく読まずに判子を押していたので、やりたい放題だったのだと思う。確か新たにこのレーベルから作品を出した友人バンドが、金銭関係の不透明さに気づいたので俺たちもやっと理解し始める。
 そこで社長と話したのだが、全くらちが開かないので「もうあんたのことが信用できない」と、そのレーベルから出すのをやめた。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!