『雷電』の系譜
古来より人知を超えた神の御業とされてきた「かみなり」。
科学的に解明されつつある現代でも自然現象よりも神様が怒ってらっしゃると考えた方がしっくりくるほどの恐ろしさです。
まさに「神鳴り」。
その呼び名も、「かみなり」「いなづま」「いかづち」「ごろつき」「かんなり」「らいさま」「なるかみ」「いなつるび」「いなびかり」「らいでん」など時代や方言によって様々あります。
今回は数多ある呼び名の一つ『雷電(らいでん)』にまつわるお話です。
江戸時代、『雷電』の四股名を冠する力士が四名記録に残っています。
雷電灘之助(1754 – 1820)
雷電爲五郎(? – 1785)
雷電爲右エ門(1767 – 1825)
雷電震右エ門(1842 – 1884)
中でも「雷電爲右エ門」は、
その圧倒的強さから、力士で単に「雷電」とした場合、通常は爲右エ門を指すそうです。
「雷電」という名称だけでもすでに強そうなのに、最強力士の逸話も加わって絶対無敵感がただようこの名前。
後の世の創作者たちが放っておくわけがありません。
その一つが1975年に放送開始されたロボットアニメ「勇者ライディーン」です。
あくまで「ライディーン」という名称だけで本編に力士の「雷電」要素はこれっぽっちもなかったと思います。
主人公の名前も「ひびき洸」でストーリーもムー大陸など当時のオカルトブームを取り入れたものでした。
昔のスーパーロボット大戦では常連でしたが最近は全然参戦しないので寂しい限りです。神谷明氏の「ゴッドバード・チェンジ!」がまた聞きたい!
二つ目は1980年にリリースされたYMOの「ライディーン」です。
さらに話は続き、
「勇者ライディーン」にのっかっちゃいました。
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)を知らぬナウなヤングでもこの「ライディーン」という曲はどこかで聴いたことがあるのではないでしょうか?
私は小学校の休み時間に行われていた「5分間走」(音楽が流れる中ひたすら校庭を走り続ける)という”休み時間とは!?”と問いかけたくなる謎の習慣中にかかっていた曲として認識しているのであまりいい印象はないです。
三つ目は1988年発売の「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」で初登場した呪文「ライデイン」です。
いまやドラクエを代表する呪文の一つである「ライデイン」。
この呪文の名前の由来も「雷電」から……
と言いたいところですがソースが見つかりませんでした。
ですがさすがに”電撃呪文”であり「ライデイン」という名称から無関係ということはないと思います。
そして「ライデイン」を始めとする「デイン」系は勇者専用呪文。
勇者……?
ライデイン……?
「勇者ライディーン」!!!
そこら辺どうなんでしょう堀井雄二先生!
と今回はここまでです。
数ある『雷電』の名を冠するモノの中で「勇者ライディーン」関係を集めてみましたが、たったこれだけでも「相撲」「アニメ」「音楽」「ゲーム」と日本を代表するコンテンツがズラリと並びます。
脈々と流れる『雷電』の系譜、はたして次はどのジャンルに現れるのか。
要注目です。
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