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堂々と「オタクです」と言える世の中になったら逆に「オタクです」と言いづらくなった

今は昔の物語。「オタク=暗くてキモい」と偏見の対象となり虐げられていた暗黒時代がありました。

時代は変わり現在は陽キャ代表とも言える芸能人たちが次々とオタクアピール始めるほどに、オタクは一種のステータスとなりつつあります。

それはオタクという言葉が「漫画・アニメ・ゲームが好きな人」という狭い意味から、「専門的な知識を持つ人」あるいは「寝食を忘れるほど何かに没頭する人」という広義の言葉に変化してきたからなのかもしれません。

誰にはばかることなく好きなものを好きと言える、私は○○オタクだと堂々と宣言できる、素晴らしいことです。私もオタクの一人として良い時代になったと喜んでいました。

ある時ふと「私は本当にオタクなのか?」という疑問がうかびました。
漫画・アニメ・ゲーム・プラモ・映画・演劇・小説・歴史などなど好きなものはいっぱいあります。興味のない人に比べれば知識もあるでしょうし、時間もお金もかけてきたという自覚もあります。

しかしどれも人に誇れるほど詳しくはありません。「広くほどほどに深く」がモットーの私がはたしてオタクのハードル爆上がりの現在「オタクです」と公言してもいいのか、許されたとしてもその場合どのジャンルを選択すればいいのか……
Q&A形式で脳内シミュレーションをしてみました。

Q アニメ・漫画が好きならばコミケ行くんですか?
A いえ、行きません。

Q じゃあ、イベントは?
A 行きません。

Q 呪術廻戦の映画観に行きました?
A 行ってません。漫画も読んだことないです。

Q ガンダムは好きですか?
A 大好きです! ほぼすべての映像作品を観ています!

Q では映画『閃光のハサウェイ』感想は?
A 観てません。映像化されていて観ていないのは『閃光のハサウェイ』と『サンダーボルト』の二作品です。

Q 漫画は月に新刊何冊ぐらい読みますか?」
A 1~2冊です。

Q 最近買ったゲームは?
A 据え置き機だとPS4「十三機兵防衛圏」を発売日(2019年11月28日)に  買ったのが最後です。

Q プラモを作る頻度は?
A 昔は月に1~3体作ってましたが、最近組み上げたキットは3ヶ月かかりました。

Q 今年になって映画何本観ました?
A 映画館で1、配信で2の計3本です。

Q 演劇は最近何を観ましたか?
A 昔のDVDをだいぶ昔に観ました。

Q 小説って月にどれくらい読みます? 最近読んだものは?」
A 月に1~2冊ぐらい。今は上遠野浩平の事件シリーズを読み返してます。

はい、どれも無理そうです。
もしも初対面でオタク宣言をしようものならお相手の期待を裏切ってしまうこと請け合いです。鼻で笑われてしまうかもしれません。「趣味がぎょうさんでよろしおすなぁ」とか言われちゃうかもしれません。にわか認定なんかされた日には寝込んでしまうでしょう。

雉も鳴かずば撃たれまい。
口は禍の元。
出てこなければやられなかったのに。

これからは自ら「私はオタクです」と言うのは控え、「好きなものいっぱいあります多趣味です」とアピールすることにします。


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