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どちらにしても泣くことになる幼き日の私

古い記憶で「デパートのおもちゃ売り場で大泣きしている自分」というのがあります。

祖父母、いや幼き日の思い出話なので「おじいちゃん」「おばあちゃん」にデパートに連れて行ってもらった時の事です。
誕生日だったかクリスマスだったかは定かではありませんが、『太陽戦隊サンバルカン』の超合金「サンバルカンロボ」を買ってもらえるという一大イベントでした。
意気揚々とおもちゃ売り場に向かった私が「これ!」と指示したのはこれ、

「ジャガーバルカン」です。
「サンバルカンロボ」を格納し出撃する戦艦みたいなものです。
おじいちゃんおばあちゃんは困惑したことでしょう、ロボットを買いに来たのに孫が求めたのはおっかない顔のおもちゃでした。
箱を見て察したのでしょう「じゃあ、これも一緒に買おうね」と、

「ジャガーバルカン」と「サンバルカンロボ」を確保しようとした途端、泣き出す私。

「これ(ジャガーバルカン)に(サンバルカンロボ)入っているから一つでいいの!」と大号泣。
確かに番組ではそうです入ってます。
しかしジャガーバルカンの箱には「サンバルカンロボは別売り」と書いてあります。
必死に説明するおじいちゃんとおばあちゃんですが別売りの概念が理解できない当時の私は聞く耳を持ちません。
さらに買い物に行く前に親から「1個だけだよ」ときつく言われていたことも事態を悪化させる要因でした。
今だったら「え、ロボだけじゃなくて戦艦もいいんですか?じゃあフィギュアもいいですか?」とおねだりしとけよと思いますが、幼き頃の私は親の言うことを順守するとても良い子だったのです。
「一個だけしか駄目なの~」と私。
「大丈夫だから」とおじいちゃんおばあちゃん。

しばらく押し問答が続きましたが収集がつかないので結局「ジャガーバルカン」だけ買ってもらい帰宅。
箱を開けて「サンバルカンロボが入ってない!」とギャン泣きする私。
そこですかさず目の前に差し出される「サンバルカンロボ」の箱。
「???」な私。
時間差をつけて買ってくれていました。
そこそこ大きい箱なので帰り道に気付きそうなものですが、それはあくまで今だからこそ言えることで当時の私は「ジャガーバルカン」を持って帰ることに必死だったのでしょう。

その後、おじいちゃんとおばあちゃんをデパートで困らせた件でこっぴどく怒られたところまでが一連の流れとして思い出されます。
でも「1個だけ」っていう言いつけを頑なに守ったのに怒られるって理不尽だよねと思うのは私だけでしょうか。
もちろん大泣きして困らせたことはごめんなさいですが。

そして現在、祖父はだいぶ前に他界してしまいましたが祖母は健在です。
祖父の分まで祖母には長生きしてほしいと願っています。

「おばあちゃん、いつまでも元気でいてね。
 おじいちゃん、いつか私がそっちへいったらまた話を聞かせてね。」
                           不肖の孫より


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