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京から旅へ/インド仏跡巡礼⑨インド国境

午前9時20分、ルンビニ遺跡公園を後に、バスはブッダ入滅の地
クシナガルへと向った。

釈尊生誕の地から、一気に、釈尊入滅の地へ。
かなり、気が速いと思うが、コースの都合で、仕方ない。

バスには、インド人のガイドと、ドライバー、スタッフ、そして、
日本人の添乗員が乗って、今日から5日間、旅の世話をしてくれる。

バスは大型。座席は、ほぼ一人二席くらいで、ゆったりと乗れる。

外観は日本のバスと変わらないが、運転席と客席の間が透明板で、
完全に仕切られ、電車の運転室みたいなのが面白い。

予定では、インドへの国境を越え、途中のストーパに寄り、釈尊
の実家のカピラ城跡を見学。そしてクシナガルまで走り、涅槃堂と、
釈尊が荼毘に臥したラマバールを見て、今日のホテル着である。

走行距離、約180kmm。だが、予定が未定なのが“インド時間”。
行程表の時間割にも大きく、午前、午後、としか書かれて無い。

大きな不安を引き摺りながら、バスは国境をめざし走って行く。


ルンビニ遺跡公園からインド国境までは、約1時間10分で着いた。

道はきれいに舗装され、道路に明確なラインは、引かれて無いが、
片側3車線程あり、その外側の歩道も、広場のように幅がある。

建物は鉄筋コンクリート造で、2階、3階のビルが多い。

建物の1階は、おおかた店に使われ、活気を感じるが、何故か、
美女が、コーラをラッパ飲みする、赤い看板が目立っている。

建物前に開けた場所も、普段は、もっと屋台が出ているのでは、
と思うが、朝から降る雨のせいか、空間は、マバラである。

それでも道路上の人々は、雨などオカマイナク、自転車はこぐは、
リキシャは走るは、大型トラックやバスに負けじと、飛ばしてる。

路面が濡れ、砂埃こそないが、靄のブレンドで、町の彩度は低い。

そんなこんなの風景を眺めながら、バスは国境のある町へ着いた。

ここまでの行程は、道路状況がすこぶる良く、渋滞もなかった。

どうやら、出発前の心配は、取り越し苦労だったようだ。
それにしても、やたら人と車の数が多いのは、気になる。

バスは、国境近くで徐行し、ゆるゆる走り、やがて停止した。
添乗員がパスポートをまとめ、手続きのため、外へ走る。

そしてバスは、添乗員を待たずに、プシューっと扉を閉め、走り出す。
路上に止めると渋滞する為、国境を越えた場所での待機である。

反対車線には、大型トラックが、長蛇の列をつくっている。
日本のトラック野郎と同じく、色々に外観を飾り、見ていて楽しい。

だが、もうすぐ、国境。初めて国境を見る事に、ひどい緊張が走る。
高い塀に、有刺鉄線、目の鋭い、武装した兵士たち‥

と、思いきや、国境は、良く見かける、紅白の踏切バー、であった。
今にも、嵐電が、プワーンって、おこしやすような^^

マァ、このほうが、ビビらなくて、エエけど、ね。

バスで待機すること、約1時間。
11時30分、インドへの入国手続きは、無事に完了した。

さて、いよいよバスは、遥かなるインドの道を、走るのである。

インド仏跡巡礼⑩へ、続く
(2014年3月13日 記)

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