見出し画像

『成熟スイッチ』(林真理子)ブックレビュー

 

昨日の昼過ぎに『俺のダチ。』をブックレビューして、昨日の夜『成熟スイッチ』1回目が読み終わって、今日の昼にもう一回読んで、んで夕方にレビューですよ。スピーディーでしょう?笑
この本は、今残念ながら話題となってしまっている日大の理事長である小説家、林真理子さんの著書。同居している妻の母がこの林真理子さんの小説やエッセイがとても好きらしく、この間飲んだ時にすすめられた
主たるメッセージとなっていた箇所はあとがきにあった以下の文章。

「なにか新しいことをして、昨日とは違った自分になってみる。成熟にはキリがない。毎日新しいスイッチを入れ、変化を楽しむことができたら、なんて素敵な人生でしょう。」

『成熟スイッチ』P182

年を重ねながら、変化を楽しんでいくことを肯定する内容となっています。途中途中にある、お金持ちや著名人との付き合い方とか、小説を書いた際に周囲に言われた実体験とかは、正直僕が林真理子さんのことをよく知らないから『楽しみ切れない』ところがあったけど、気になった点、挙げていきます。 


序章:四つの成熟

・「人から必要とされる」ではなく「人を幸せにしたい」「人の役に立ちたい」と能動的に考えることが大切(P21)

第1章:人間関係の心得

・初対面の人に開口一番「ファンですよ」ということを伝えると、互いにいい時間を過ごせる(P33)
・人は年を取るうちに人間関係に悩まなくなる。まずは大人の世界にはいろんな状況や付き合い方があることを学ぶこと。そのあと柔軟性を身に付けること(P40)
・友人関係はステータスやその時の状況により変化していく。しかし偏った人とだけ付き合うと価値観が狭まるので注意(P44)
・書く本に関しては、評論家に褒められなくてもいい。ただし読者が喜んでくれることが一番重要(P51) 

→人付き合いに関しては、とにかくこちら側からポジティブな思いを表現することが大切と。「ファンです」っていうのは表現の一つであって、笑顔で出迎えるだけでも十分いいよね。
あと、ご自身が書く本へのプライドみたいなものは、『俺のダチ。』でみのるが言っていた“自分のプロレスが評論家に評価されなくても、観客には絶対満足してほしい”的なこだわりに似ていると思った。

 第2章:世間を渡る作法

・人に物事を頼むということは、大きな責任を伴うことを忘れずに(=きちんとした作法を持ったお礼が必要)(P85)
・秋元康さんは振舞いが素敵なお金持ち。店の隅の方でみんなの話をニコニコ聞く(P89)
時間を使うのがうまい人は、まず優先順位を正しく判断し、きちっと頭を切り替えながらこなす(P103)
・隙間時間に本を読めるよう常に持ち歩く(P107)

→物事の優先度を見極めて時間を使うことについては、ビジネス本にも共通する考え方。『7つの習慣』にもあったよね。

第3章:面白がって生きる

・自分が好きなことに使うお金は、その分だけ経験となり返ってくる。だからこそ惜しみなく使う。それが働くことへのモチベーションになる。(P122)
若い人に「本物」をおしえてあげるためにお金を使ってあげるべき(P123)
・キャパ超えを楽しむ。背伸びなくして成長なし(P125)
人を成長させ、人間力を鍛えてくれるのは仕事(P127)
・興味ある一つの時代に狙いを定めて、関連する本を読むことがおすすめ(P130)
・一人の作家を軸で読書をするのもいい。飽きた後にまた読みたくなることがきっかけで新たな視点を得られる(P134)
・本が立派な人になることに繋がるとは限らない。しかし大人になった時に一人でいることを恐れないで済む人間になれる(P136)
「生き残るのは大きなものでも強いものでもない。変化していくものだ」が人生訓。だからこそやりたいことが見つかったのなら面倒なことを考えずにまずはいろいろ経験を積んでいくこと(P154)
・俯瞰力は人を謙虚に冷静にする。自己愛は根拠なく自分に力をくれる。バランスよく両方もつべし。また、なぜ嫌いかで自分が見えることもある。秋元康さんは年に一回自分が嫌っている人と食事をする。(P162)

 →人生訓が結構好きかな。あと、仕事が自分の人間力を高めてくれるってのは、稲盛さんの本とも共通する点だと感じた。
読書に関しては、僕自身は数年前から『雑談』『スピーチ』などの苦手克服目的と、『プロレス』『育児』などの娯楽目的で読み始め、だんだん人生観やビジネス本関連の本になっていったけど、そんな読み進め方もあるよね。
あと、若い人に「本物」を教えるためにお金を使うって素敵です。昔大学時代に社会人になったサークルの元先輩がご馳走してくれた「本物」の焼き鳥のレバーの味、たまらなかったもん。 

第4章:人生を俯瞰する

・老いのメリットは①他人から尊重してもらえること ②男女間での付き合いがスムーズになること ③無用な闘争心がなくなること(P167)
・娘に見せたかった姿は『自分で金を稼ぐと、こんなに楽しく生きられる』(P176)
結婚生活を続けてよかったと思うのは、世の中には耐えなければならないことやどうしようもないことがあることを知ったこと。今、夫に対しては『憐憫(れんびん)』の気持ちすらある(P179)

 →この本に何度か出てくる旦那様のことは、あんまり好きになれないのだけど苦笑
結婚観について言えば、『諦め』とは違うけど、『価値観を広げる作業を通して自分の許容範囲を広げる』ことが大切だと思う。それが結局、『許す』とか『諦める』とかじゃなくて、『認める』『理解する』に繋がると思うから。そんな捉え方もどうでしょうか、林真理子さん?笑

てなわけで、一気読みしてしまいましたよ、この本。
ボリューム的にも読みやすかったし、あと僕の噛み砕きが浅いこともあって、スラスラ読めた。もう少し年齢を重ねて何度か読むと、また味が変わってくるのかもね。
さてさて、次は会社の社長が薦めていたビジネス本を読み始めています。かなりなボリュームなので、レビューまではしばしお時間を笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?