『7つの習慣』(日本図書センター)

たったの30分程度で読破できる割に、心が洗われる、そしてはっと気づかされる本だった。
パン屋に務める青年が抱える様々な悩みを、そこの常連のおじいさんからの教えが解決するというストーリーの中で、読者は『7つの習慣』を理解し、教訓にできる。
まずその習慣の紹介の前に、人生は『パラダイム・シフト』と『インサイド・アウト』の見方が必要。『パラダイムシフト』とは、自分の考え方で世の中の考え方が変わるという心得。そして『インサイド・アウト』とは変えられない外(自分以外)ではなく、まず内側(自分自身)が変わることが重要という心得

つまりこの二つ、「自分自身の見方考え方自体で、世界への視点は変わるし替えられる」と言っている。名著、『嫌われる勇気』にも似た出だしだ。僕自身、結構意識できているつもりだし、基本的に人のせいより自分で何か変えられなかったかという考えの持ち主のつもりだけども、最近なんか疲れているのか、些細なことへ苛立ちを感じたり、長く疑問に思ってもどかしく思うことが多かったから、いい刺激をうけた始まりだった。
そして肝心な7つの習慣と要約は以下。
1. 主体的である
刺激に対してただ『反応』して行動するのは受動的である。
そうではなく、刺激を受けた時に一時停止ボタンを押し『判断』することで意思をもって主体的に行動できる。これによってたとえその判断が間違っていたとしても後悔せずに済む。
→怒りやその時だけの感情をやみくもに発散することを防げるので重要だと感じた。

2. 終わりを思い描くことから始める
あみだくじで自分の希望をいち早く引くには、希望のゴールから逆算すればいい。それと一緒で、自身の中の絶対的な『原則』(どうありたいか、どうなりたいかのゴール)を考え、そこに向かって行動することを意識するべし
→原則を判断すること自体が難しい気もするが、それはその都度変わってもいいわけだし、難しく考えなくていいと思う。僕の原則は、ひとまず『自分の今の価値観をあえて疑うことで、新しい価値観を受け入れその時の最適解を求め続ける』、とかそんなところかな。

3. 最優先事項を優先する
時間は有限なのだから、やりたいことややるべきことを緊急度と重要度の2軸で4つの領域に分け、優先順位をつけて行動すべし。そして最も重要なのは緊急で重要な第1領域(期限のある仕事や差し迫った問題への対応など)ではなく、緊急ではないが重要な第2領域(自分のステップアップのための勉強や重要な人との関係づくり、食事や睡眠による体調管理)である。
→もっとも響いた項目。第1ではなく第2なんだなぁと。まぁ第1にしてしまう人や時が多いと思うのだけど、自身のための時間を大切にするべきという教え。と同時に、人の力を借りるという選択肢があることを忘れるなとも書いてあった。頼るのも才能だもんな。

4. Win-Winを考える
人間関係には『自分の勝ちだけを考える』から『自分が負けて相手が勝つ』まで6つの関係があるけど、Win-Winの方向性が一番いい。そしてもっというと、『Win-Win or No Deal(Win-Winに至らなければそもそも取引しない)』がいいと。
→これ、僕『Lose-Win(相手に喜んでもらうことがいいとする)』でいきがちなんだけど、これ結局自分の考えを封じ込めているときのいいわけでもあるのよね。さらけ出して、最適解を求めなくては。

5. まず理解に徹し、そして理解される
話を聞くとき、アドバイスしたり評価したりする視点ではなく、『共感』して理解する必要がある。そのためには相手の言葉をそのまま繰り返す→自分の言葉に置き換える→相手の気持ちを言葉にする→自分の言葉に置き換えながら気持ちにふれるの4ステップが必要
→これね、できている気がする。少なくとも、相手に対してそうでないなぁと思う人が多いと感じているけども、自分は結構まず理解して相手の世界観に入り込むことをやっている気がするよ。やみくもに否定したりもしないし、そもそも自分の方が相手より物を知らないって理解してるからね。令和版、無知の知ですよ。

6. シナジーを創り出す
相手の意見と自分の意見の交差点は『シナジー』ではなく『妥協点』。そうではなく、どちらにもなかった新しいところに第3の案を見つけ出すべし
→未知の世界に一歩踏み出す勇気が必要。・・・ん、また『嫌われる勇気』感がある笑 でもシナジーを生むには、高いレベルのコミュニケーションをとる必要があるとも。そうだよなぁ。

7. 刃を研ぐ
からだ、こころ、知性、人間関係を磨き続けることが大切。
→ここも響いたよ。特に心を磨く方法に、『心の奥からホッとできる時間を作る』が入ってたからね。座禅でもやろうかな笑 よく考えると、アマゾンプライムで動画見ることとか、ダンスの音楽聞くことは平穏ではない気もするし、どちらかというと静かに何かに集中して、自分の心と向き合ったり表現することが大切な気もしてきた。というわけで読書を続けよう。

全体を通し、まず随所に出てくる例えが分かりやすく、頭に『入って』きたな。小説じゃなくてこういう啓発本?的なものを読むときって、何かを得たいときにするものだと思うんだけど、その意味ではこの本は簡単に、そして大切なことを気づかせてくれるものだった。今、自分になんかムカついて、余裕がなくてってタイミングで読んでよかった。客観的に語りかけてくれる本ってやっぱりいいよね。その語り掛けを理解する作業って、結局自分の心を静かにして平常心で見つめ合うのがコツだったりするしさ。


さぁ、いい人生を歩もう。

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