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詐欺師に騙されないマインドとは・国際ロマンス詐欺、大流行!②


さて、前回、詐欺師ジェラルドとの大まかなやりとりと、
被害に遭う前に、私の心が離れたエピソードについて書きました。
国際ロマンス詐欺、大流行!①


読者の皆さんの中には、前回の記事ですでに
「詐欺師に騙されないマインド」
について、
何らかのヒントを得た人もいるのではないでしょうか。


詐欺師は
「心の隙間に入り込む」とか
予防策として
「ちょっとした違和感や、心のアラートに耳を傾けて」とか
よく見かけるアドバイスはいくつかありますが
私は、依存症や依存する心の専門セラピストとして
、私がなぜ被害を免れたのか、
金銭を要求され被害を受けてから気づく場合との違いがあるのかを、考察してみたいと思います。


私は正直に結論から申しあげると、
「騙される人と、騙されない人のマインドには
違いがある」
と思います。

こう書いてしまうと、
「騙されるほうが馬鹿だ」という言説に加担していると批判されるかもしれません。

しかし、私は「騙されるほうがバカ」という突き放し、見下しをしたいのではありません。

そうではなく、
「騙されやすいマインドは、ある」と認めた上で
「騙されないマインドになるために」学ぶことが大切だと思うのです。


もしも、不運にも騙されてしまった人は、
過去をトラウマにするのではなく、
経験から学ぶことが大切だと思います。

「こんな酷い目にあったから、もう外国人なんて信じない」とか
「男なんて信じない」というのは
学びではなく、トラウマ化です。思考停止です。


私も、今回の経験から多くを学びました。

それでは
「騙されないマインド」
のポイントを整理してみましょう。


ポイント1.

私には「誰かに私の面倒をみてもらいたい」というマインドが無い


私は、人が幸せになる支援をすることを生業としています。
当然の人生観として
「どこかに私を幸せにしてくれる誰かがいるかも」
などと考えません。
私を幸せにできるのは私自身です。

私のクライアントの皆さまも、
自分自身を幸せにするための補助として、
私のカウンセリングやセミナーを利用しているのだと考えています。


ジェラルドの何が嫌だったかって、
まるで映画「プリティウーマン」みたいな世界観に
途中から入っていったんですよね。

「億万長者の俺様が、
魅力的だけども哀れなシングルマザーの君と君の息子を、丸ごと幸せにしてあげる」
という。

だから、その代わりにホテル予約しておいてね、
昼も夜も電話して、孤独な大金持ちの俺を
愛情で支えてね。
っていう論理だったみたいですけど

その人生観、最低ですから。

だって完全に、上下関係じゃないですか、それ。
私は、男女関係なら対等な関係でなければ、
居心地悪いです。



ポイント2.

私には共依存症の傾向がない


ジェラルドは、大金持ちであることをほのめかす一方で、
貧しく苦しかった子ども時代や、
「ちやほやされるけど、心から信頼できる相手がいなくて寂しい自分」
「最愛の妻を亡くして、今は孤独な男」
という自己演出をしていました。

これも、わりと女性のツボにハマりやすいキャラ設定なんですよね。


「こんなにお金持ちで才能ある男で、
しかし理解者がいなくて苦悩している男を、
理解して支えてあげられるオンナになりたい!」
ってなっちゃう女性、いますよね?

もしかしたら、そういう女性本人は愛情だと思っているのかもしれませんが、
これは「共依存症者的な心理」だと思います。

共依存症者とは、さまざまな定義がありますが、
相手を自分に依存させることで
自分のパワーを確認する必要がある人のことです。

気になる方はロビン・ノーウッドの著作
「愛しすぎる女たち」(1988)

をお読みください。初版は1988年ですが、
今も文庫本・単行本で売られている、共依存症についての名著です。

私は、かつて摂食障害だったり恋愛依存症だったりした人ですが、
共依存症の傾向はありませんでした。
そのため、ジェラルドを救いたい、という心理にはハマりませんでした。


ポイント3.

恋愛を人生の中心に置いていない


そもそも私は、出会い系サイトでジェラルドに出会っているので
恋愛対象を求めていたのは確かですが
結婚する必要を感じない私にとって、恋愛は
「あったら素敵だけど、無くても良い」
ものなわけです。

恋愛中心の生活をする男性はあまりいないのに、
どうして女性はそうなる傾向があるのでしょうか。

ネット上でも、
女性向けの恋愛指南・恋愛アドバイスを商売にしている男性アドバイザーが多くいます。

彼らは
「女性は男性の心理がわかっていないから、教えてあげる」
というスタンスを取っており、
「女性が女性に恋愛アドバイスをすると、必ず的外れである」と言います。

場合によっては
「女性は、嫉妬心からわざと失敗するように女性にアドバイスをする」
などど言ったりもするようです。

彼らは、私に言わせれば、単にマーケティングと商才に長けた男性たちであり、
彼らが自称している「女性の味方」などでは特になく、社会を変革する力も無い「ごく普通の男たち」である、と思います。

彼らのアドバイスが必ずしも間違っているとまでは言いませんが、
恋愛中心の女性たちを対象としたサービス産業の1つであるというだけのことです。

そもそも、なぜ女性が恋愛に依存しやすいのか。
女性が幸せを感じる上で、なぜ恋愛が重要になりやすいのか。

逆に、男性は、なぜ「仕事中心」であり、それを誇らしく語るのだろうか。



…話がズレてきたので戻しますと、
「ランチタイムにも電話してほしい」
って男から言われて、喜ぶ女性がいるんですか?

男女逆にして考えてみてください。
オンナから
「愛してるから、声が聞きたいから、仕事の間の昼休みにも電話して!」
と言われて、喜んで電話する男がいますか?

(カノジョが怖くて電話しちゃう、っていう人はいるかもしれないけど笑)

「仕事と私、どっちが大事なの?!」
なんてベタなことを言うオンナは今時いないでしょうけど、
「仕事と俺、どっちが大事なんだよ?!」って
女に言う男はいるんですかねえ?

男女どっちにしろ、
答えは「仕事が大事です(※)」笑笑。


(※念のため注:私は愛よりも仕事が大切だ、と言っているのではありません。仕事より愛が大切です。この話の場合、まだ「愛」なんて出てくる幕ではありません。会ったこともない異国の男との間に、たとえトキメキはあっても愛は無いです)


詐欺師ジェラルドは、恋愛中心の女性のマインドを
私に当てはめようとしてたのでしょうけど、
そうはいきませんでした。

国際ロマンス詐欺師たちがここまで大流行しているのは、
彼らの「読み通りのマインド」を持っている女性が
残念ながらいるということだと思います。

そういうわけで、私は
「騙されやすいマインドは、(残念ながら)ある」と
書きました。

上記の3つのポイントを逆から考えますと、
「騙されやすいマインド」になるかと思います。

ポイント1.心の片隅で
「誰かに私の面倒をみてもらいたい」と思っている
ポイント2.共依存症の傾向がある
ポイント3.恋愛中心である


番外ポイント4.

誰でも「騙されやすいマインド」になることはあり得る

ところで、詐欺はロマンス詐欺に限らず
「普段の自分は、決して騙されやすいマインドの持ち主ではないけれども、
たまたま騙されやすい心理状態の時に引っかかってしまった」
ということはあり得るとも思います。

例えば、
心理学の有名な実験で「吊り橋効果」
というものかあります。

揺れる吊り橋の上で、わざと女性インタビュアーが男性に話しかけると、
普通の地面の上で話しかけた場合よりも、
その後にその2人が恋愛関係に発展しやすい、というものです。

つまり、不安な状況下では
支えてくれる人が欲しくなり、相手の優しさを愛情として感じやすくなってしまうわけです。


例えば、大災害に遭った後であるとか、
肉親を失った後であるとか、
大病をした後であるとか、
何らかの心の不安定さ、弱さが出やすい心理状態の時に、不運にも詐欺師に出会ってしまうという、
事故的な被害もあるだろうと思います。


ですから、もしも被害に遭ってしまったら、
そのことを恥ずかしいと思わずに、どうか適切なところに助けを求めてください。


ちなみに、国際ロマンス詐欺の被害者は、
男性もけっこうの数でいるようです。
被害者が男性の場合の心理も、できれば考察する機会を持ちたいと思います。

私の書籍はこちらです↓





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