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ドランクン:ハードデイ

 目を覚ますと手には銃。そして目隠しされた人がざっと50人ほど。
「よう、目が覚めたか」
 声がした方には妙に親しげな覆面がいた。
「急に寝るから驚いたぜ」
 何も思い出せない。俺は何をした? 頭痛。そして記憶が蘇る。
 そうだ、確かパブに入り、この男と浴びるほど酒を飲んで──。
「まさか刑事がテロに加わるなんてな」
 なんだって? 正気か? 俺がテロ? だが酔った勢いならそれもあり得る。俺は酒癖が悪い。
 茫然としつつどう逃げ出そうか思案していると、
「おっとそろそろ演説の時間だ。並ぼうぜ」
「え?」
 なすがまま銃を携えた男たちと横一列に並ぶと、前方で禿げた男がカメラに向かって演説をしている。俺は覆面の脇腹を小突く。
「あれ生中継じゃないよな?」
「何言ってんだ。生中継だよありゃ」
 つまり俺の顔がNY中に生中継されているのか。今頃33分署は大騒ぎだろう。
 ああ神よ。テロリストを一人ずつ殺して無実を証明しろとでも?
 ハードな一日の幕開けだ。

【続く】

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