7/25に発売になる私の新著、『まだ、うまく眠れない』。かなり多くの方から、「内容がよくわからなくて購入を迷っている」とお声をいただいております。申し訳ありません。
私も担当編集さんに聞いてみたのですが、「私小説的エッセイ……? でもエッセイと呼ぶほど軽くないですし、ノンフィクションなので小説でもなく……」と言われ、二人で頭を抱える事態となりました。
そこで私から、章ごとに少しずつ、「どんなことを書いたか」を紹介していきたいと思います。内容の参考になればさいわいです。
【エピローグ】
自己紹介と私の現在地。
【モテ】
「承認」を巡る葛藤について。文春オンラインで全文無料公開予定です。
【美人】
「石田月美」で検索すると最初のサジェストが「美人」なのに、クリックすると批判しか出てきません笑 そんな私が美醜について感じる欺瞞とは。こちらも文春オンラインで公開予定です。
【団地】
私の地元、練馬の団地の話。言葉の違いという観点から、持たざる少年少女たちについて。「虞犯(ぐはん)」という言葉をご存知なかったら、ぜひこの機会に知ってもらいたいです。
【グルーミング】
小六のときに通っていた塾の先生とのこと。その先生は法も条例も犯したわけではありません。けれど私が抱えた違和感。きっとこのような違和感を抱えたまま、「でも何かされたわけではないし……」と飲み込んできた女性は多いはず。
【両親】
アルコール依存症で暴力を振るう父と、イネイブラーで過干渉な母の話。両親はその時代において実に凡庸なしかし必死の愛情を私に注ぎました。感謝しています。ただ、父に「二度と敷居を跨ぐんじゃない」と言われたときのほうが、母に「いつでも帰っておいで」と言われ続けるよりも私にはずっと楽でした。
【体】
家出少女として暮らしていたときに摂食障害になったことと姉との生活について。体から逃げたい。体へのまなざしから逃げたい。
【生活】
ひとり暮らしを始めた私はウツになり、セルフネグレクトに陥りました。部屋に閉じこもり、風呂も入らず鏡も見ず、過食をするだけの毎日。そのときズカズカと踏み込んできた迷惑で最高な友人の話。
【Aちゃん】
精神科で出会った仲間の話。初めて仲間の詳細な話を書きました。サバイバーのAちゃんと、仲間として付き合うこと。依存症に関心のある方はぜひお読みください。自助グループ、12ステップ、スポンサー制度、、、それらが弊害になるときもあるのでは。
【優生思想】
女性同士のパワーゲームに勝ち続けてきた友人の話。その序列の構造を下卑ていると一蹴していたつもりの私こそが、むしろ構造を無傷のまま再生産してきたのではないだろうか。妊娠、中絶、出産、不妊治療、、、
【性被害】
弟が逮捕されたとき、私が幼少期の性虐待の記憶と、家族の混乱とどう付き合ったか。そして精神医療はそのとき私に何をしてくれたのか。他人に病名や疾患名を貼り付け、標本のようにしてわかった気になってしまったとき奪うものとは。私は病気だけれど、病気は私じゃない。精神医療にご興味ある方はぜひお読みください。
以上、前半のみを少しだけご紹介させていただきました。後半は更なるボリュームで様々なトピックが詰まっております。
『まだ、うまく眠れない』(文藝春秋)。ご予約受付中です。
お近くの書店で、ぜひ。どうぞよろしくお願いいたします。
#まだねむ