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韓国映画「藁にもすがる獣たち」

主演:チョン・ドヨン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、チョン・マンシク、シン・ヒョンビン
2020年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=FEFF公式サイトより)

今よく考えてみると、昔一時期していた仕事では、世界のいろいろな国の映画を観ようと思えば観れる環境にあった。しかし当時は自分が担当していることだけで精一杯でそんな余裕がなかった。韓国の映画も観ようと思えば観れたのに、惜しいことをした。
この映画、”韓国映画”、”ヨーロッパの映画祭で出た”、”全部で6章ある”という予備知識だけで観始めててしまったが、後から日本の同名の小説を原作としていると知って、びっくりしてしまった。

全員借金地獄

この物語の主人公たちは、皆なんらかの理由で借金をして、その地獄から抜け出そうともがくものたちである。三組のメインのカップルがいるのだが、彼らの生活になんらかの存在が介入することにより、それぞれの運命がつながっていく。
(1)ヨンヒとテヨン
恋人のヨンヒが借金を返済しないまま失踪してしまう。港のイミグレーションで働くテヨンは借金取りから責め立てられ、なんとか言い逃れをしては逃げ回る。しかし、ソウルに住む警察官をやっている同級生と再会する。
(2)ミランとDV夫
借金を抱えているので風俗店で働いているミラン。家に帰れば口うるさいDV夫から暴力を振るわれるが、店で中国から逃げてきている若い男と知り合う。
(3)ジュンマンと妻、認知症の母
商売をやっていたが潰れて借金を抱えてしまい、サウナでアルバイトをするジュンマン。家には認知症の老婆、ソウルで勉強している大学生の娘がいるが、生活が苦しい。

金は天下の回りもの?

ジュンマンはサウナのロッカーで客が忘れていったバッグを見つける。やけに重いので中を見てみると。。。大量の札束が入っていた!それを倉庫に保管するが、どうしよう。生活が苦しいので、お金は喉から手が出るほど欲しい。。。
「借金Debt」、「カモSucker」、「食物連鎖Food Chain」、「詐欺師Shark」「ラッキーストライクLucky Strike」と「大金の入ったバッグMoney Bag」という6つの章になっているが(注:日本語訳は私の適当なもの)、ミランがDV夫を殺そうと企むあたりからストーリーが二転三転し、全く予想しない展開となっていく。大金の入ったバッグは誰のものだったのか、そして誰がそれを手にするのか?
最後の最後まで状況が変化するので、思わず画面から目を離さずにはいられなかった。
観終わってから諺を思い浮かべた。大金の入ったバッグは一箇所には留まっていなかったのである。私のところにも来て欲しかったなぁ(笑)。

面白かったので、早速原作をKindleで購入。読むのが楽しみである。私は英語字幕で観てしまったが、日本ではこれから公開されるようなので、興味を持たれた方は是非。また、原作を読んでから映画を観た方の感想も聞いてみたい。

こちらは予告編。


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