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日本ドラマ「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」

主演:杉咲花、杉野遥亮、奈緒、鈴木伸之
2021年 全10話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=日本テレビ公式サイトより)

今クールはいいドラマ多すぎ!
といっても、結局4本しかほぼリアタイでは視聴することができなかったが、いい作品が多かった。本作はもちろん杉野遥亮君がお目当て。でもキャストがみんないいので、楽しみだった作品である。

弱視の女の子が主人公

杉咲花演じる赤座ユキコは光と色がぼんやりわかる弱視で、盲学校に通っている。ひょんなことから道端で、杉野遥亮演じる喧嘩っ早いが純粋なヤンキー黒川森生もりおと出会う。
ユキコに一目惚れし、つきまとうようになる森生だが、頑なだったユキコも色々な体験を通して、次第に彼に惹かれていくようになる。。。
弱視とヤンキー、ある意味社会的マイノリティである彼らが、お互いに知り合ったことで一緒に新しい世界が見えてくることに気づいていく、そんなお仕事ドラマ&恋物語である。

弱視の世界を見せてくれた物語

実は「弱視」というのを少し前までよく知らなかったのだが、noteを始めてフォローしている奈良里紗さんの記事を読ませてもらうようになり、少しずつどんなものかを知るようになった。

しかし、本作が放映されるようになって、まさに彼女が色々な記事で書いていた大変さというのが可視化されたといえる。自分もド近眼&老眼でコンタクトや眼鏡がないとほとんど何も見えないので、ある程度は想像できると思っていたが、全くそんなものではなかった。
なので、第1話目でユキコや空ちゃん、青野君のそれぞれの見え方が説明された部分や、芸人濱田祐太郎(本作視聴するまで、彼のことは全然知らなかった)の一口メモ的に挿入されるエピソードは本当に良かった。

上記リンクの奈良里紗さんのnoteでは、本作の感想やその他の弱視の方のエピソードもいろいろと書いていらっしゃるのでぜひご一読を!

もちろん、恋なのです!

しかし、タイトルにもあるよう、メインはラブストーリー❣️弱視の女の子と不良少年という、一見すると、あ、見るんじゃなくて、考えると、あり得ない組み合わせだが、本作ではうまい具合にストーリーが成立できるようになっている。
もちろん、ヤンキーらしくないとか、こんなヤンキーいないといったコメントもあるようだが、まあ、そこはマンガorドラマということで、批判するほどのことでもないだろう。

というわけで、杉咲花ちゃんも可愛かったが、なんといっても杉野君が可愛過ぎ。今までのドラマ(個人的には「ミストレス」がお気に入り)や、洗剤持ってる姿も大好きだったけれど、本作の溢れ出さんばかりの“ピュアなヤンキー”感で、さらに彼の魅力が増したと言える。

でも本作の恋物語はこれだけではない。初恋、憧れ、推し、同性愛といったさまざまな形の恋も描かれているのも、見どころである。

“普通”にこだわっていこう

弱視、恋なども重要だが、やはりこのドラマの基本のテーマは「普通」とは何かという問いかけだろう。

ふ‐つう【普通】の解説
[名・形動]特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。また、そのさま。

goo辞書より

「普通」の概念は国、地域によっても違うし、時代と世代にもよる。日本の普通は中国の普通でないだろうし、ブラジルの普通とも違う。1960年の普通と2010年の普通も違う。

赤にもりんごの赤、郵便ポストの赤
好きにもいろいろな好き
見えない、弱視にもいろいろな種類
普通にもいろいろな普通

本作中のセリフより

最近ではまさにこの「普通」について考える機会を私たちに与えてくれるドラマも多くなってきたのではないだろうか。もしかしたら、私自身がそういう作品を好んで観ているだけなのかもしれないが、そういうドラマが普通になってきているのはいいことなんじゃないかな。
これからは、「私たちは私たちの普通を生きていく」(本作中のセリフより)のが普通なんだから。そんなことを考えさせてくれた作品で、とても良かった。
ちなみに、原作は未読なのでわからないが、きっとあの終わり方から、スペシャルドラマが出るんだろうなぁ。

こちらがJUJUの歌うエンディングテーマ「こたえあわせ」🎵



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