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日本ドラマ「A2Z」

主演:深田恭子、田中圭、片寄涼太、木南晴夏、大塚寧々
2023年 全10話(1話約35分)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=Amazonプライムビデオより)

少し前にKindleのFireタブレットを買い替え、現時点で出ている一番画面が大きくて、容量も一番大きい最新モデルにした。移動中や、ネットのないところ、ベッドの中でも手軽にドラマが観られるようにしたかったのだ。なんせスマホは小さくて見づらい。
そして5〜6本のドラマを、シーズン全話または数話ずつ入れておいてある。
そんな一本が本作。Amazonプライムオリジナル新作ということでいつか観ようと思い、ダウンロードしてあった。

先日Kindle本の整理をしていたら、この見出しのサムネイルが出てきた。あれ?なんで本のライブラリの中にプライムのドラマが入ってるんだろう??

そこで改めて気が付いた‼️
あちゃー、山田詠美の原作小説読んでたんだった(汗)。

結婚している男女の不倫の行方とは

澤野夏美(深田恭子演)は、老舗大手出版社に勤める文芸編集者。8 年前に同業他社の森下一浩(田中圭演)と結婚したが、旧姓の澤野を通名にしている。夏美と一浩の間には子供はおらず、お互い我が道を行く編集者で仕事ではライバル関係にあり仕事場で会う時はお互い「森下」「澤野」と呼び捨てにする、風変わりだけどお似合いの夫婦だ。仕事もプライベートもすべて順調に思えたが、ある夜、夫の一浩から 1 年以上付き合っている女性がいると告白される。夏美はあまりのことに怒りや嫉妬という感情より寂しさを感じてしまう。その心の穴を抱える夏美は若い郵便局員・成生(片寄涼太演)と出会い、そして、夏美は恋に落ちる。

Filmarksより

会話を楽しむ大人の恋物語

本作はぶっちゃけ、一言で言えば、「ダブル不倫」の物語である。しかし、全く違うテイストの「夫婦の世界」が描かれている。山田詠美ならではの言葉の使い方、そして男女間の恋愛の駆け引きがメインとなった物語なのである。

タイトルの「A2Z」、原作小説ではAからZのまでの章に分かれており、その文字から始まる英単語が二人の関係、あるいは登場人物の心境を表す言葉になっている。うまくアルファベット順に言葉が並んでいて、「a - accident 交通事故」、「b - breathe 息を吸う」というふうに、主に夏美の心の中で感じたことだが、他の登場人物が口にする言葉だったりもする。

キャストは正直、原作を読んだ時に私が登場人物に抱いたイメージとは全く違っていた。久しぶりに見る深田恭子は正直ちょっと演技がイマイチの部分もあったし(なんか滑舌が良くない、まあ、元々演技が上手ってわけでもないが)、田中圭は意外だった。片寄涼太はワイルドな雰囲気は多少あったものの、ちょっと顔が可愛すぎ。若い頃の窪塚洋介とか、清原翔くんあたりが良かったかなぁ。

そんなわけで最初の数話は違和感があったのだが、やはりここは原作の持つ言葉の魅力が勝った。時にはウィットに富み、意外な言葉の反応や組み合わせが出てくる。会話はほぼほぼ原作通りで(毎エピソード見終わるたびに、原作の該当箇所を読み直し)、それを聴いていると、不思議とキャストたちや滑舌の悪さも気にならなくなってしまった。

しかし一般評価は低いかも

私は山田詠美の小説が結構好きなので、おそらくその分もプラスアルファになってオススメ度は高めである。ただ、これは好き嫌いは分かれるだろうし、評価もあまり高くないようである。
まず根底で「不倫」ものなわけなので、こんなに不倫を軽く扱ってもいいのかと思う人もいるだろう。あるいは、夏美と一浩の夫婦の在り方も現実的ではないかもしれない。中国ドラマでジェリー(言承旭)やジン・ボーラン(井柏然)のキスシーンを見たばっかりなので、本作のキスシーンも不合格である(笑)。

しかし、これはあくまでも恋物語として見るべきもので、その辺が受け入れられれば楽しめるのではないかと思う。不倫=ドロドロの復讐劇、という方程式は全く覆されている。
「恋は消えるもの」「二人の関係は賞味期限のあるもの」とわかっていても、あぁ、やっぱり恋っていいな、恋をしたいな。。。そんな余韻が残るストーリーであった。

OSTの歌は全てクリスタル・ケイ。こちらは劇中歌の『Start Again』♬(音源のみ)


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