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日本ドラマ「和田家の男たち」

主演:相葉雅紀、佐々木蔵之介、段田安則
2021年 全8話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=TELASA公式サイトより)

今クールは日本のドラマも面白そうなのが多く、久しぶりに4本視聴。とにかく華流ドラマで忙しいので、絞りに絞って選んだが、どれも当たりだったと言える。
これはもちろん脚本家が大石静氏ということで、絶対に観ようと思っていた一本。

三世代のマスコミ一家の物語

相葉雅紀演じる和田優(37歳)は勤めていた会社が倒産し、仕方なくフードデリバリーの配達員をしていた。ある日、配達に行った家の主人が倒れてしまい、病院へ一緒に付き添う。そしてその家へ配達用の自転車を取りに行くと、なんとそこは佐々木蔵之介演じるテレビ局報道マンの父和田秀平(50歳)が段田安則演じる新聞記者の祖父和田寛(74歳)と一緒に暮らしている家だった。といっても、血が繋がっている家族ではなく、秀平は優の死んだ母の再婚相手で、小さい頃からほぼ成人するまで一緒に暮らしていた父だったが、現在は祖父と一緒に暮らしているのであった。また祖父が倒れては困る、ということで優もその家に一緒に住むようになる。

やがて後輩のつてで、優はネットニュースの記者として記事を執筆するようになる。そして、それぞれの時代を象徴するメディアに携わっている和田家の男たちが繰り広げるホームドラマの幕が開ける。

様々な顔を持つ物語

舞台は男たち3人が住む、一軒家の和田家を中心としているため、ホームドラマのように見えるが、実はさまざまな顔を見せてくれるドラマでもある。

まずはお仕事ドラマの顔。祖父はリタイヤしているものの、論説委員としてコラムを担当しており、毎日の新聞などのニュースのチェックも欠かさない。
父はテレビ局の報道番組「フロンティアニュース」の総合プロデューサーなので、毎日スクープを探し、番組を構成するのに忙しい。
そして優はネットで受けそうな、軽い話題の記事を書くため、時には家のこと、時には地方に取材に出かけて色々な体験をする。

そして恋愛ドラマとしての顔も持つ。一番元気なのは祖父で、何年か付き合っている草刈民代演じる眼科医冬木亜蓮とくっついたり離れたり。父秀平、優にもちょっと気になる女性たちが登場。

しかし、根底には優の母親りえ(小池栄子演)の死の謎を解明するというミステリーという顔も持ち合わせている。 
一粒で何度も美味しいドラマだったと言えるだろう。

最初はキャスティングに不安が

正直、最初の3話ぐらいまでは相葉ちゃんというキャスティングに納得がいかなかった。37歳という設定(まあ、実年齢でもあるが)の割にはウブすぎるというか、頼りないというか、イタイというか、いや、もうちょっとしっかりしてよ!なんて思ったりもしてしまった。父とも年齢が近すぎる。なんか彼女の脚本の割にはミスキャストかも。。。と思っていたが、ストーリーが進むにつれ、そんな不安はかき消された。いや、年齢設定はやっぱり33〜35歳ぐらいが良かったと思うが、相葉ちゃんで最終的にはまあよかった。

というのも、その不安な分は祖父役の段田安則で問題なくカバーされたからである。もちろん言わずもがなの実力あるベテラン俳優であるが、私的にはやはり同じく同氏脚本の2010年の「セカンドバージン」での彼のゲイ役がとても印象的で、今回も120%期待に応えてくれたと言える。74歳という設定なのに元気、元気(笑)。

そして彼の恋人、のちに妻となる草刈民代もめちゃ2イケてるッ!(注:めちゃ、って入力した時点で勝手にこの変換が出現、笑)。彼女も同氏脚本の「大恋愛」でこれまた松岡くん相手にイケてる役で、カッコよかったが、本作でも存在感は十分であった。

10年後ぐらいにもぜひ同じ趣旨のドラマを

相葉ちゃんの作る手作りの朝ごはんで始まる和田家の一日。嵐のメンバーはやっぱりどこでもご飯を器用に作ってくれるなぁ。その料理を3人で食べるシーンが毎回本当に良かった。そう、飯テロとしての顔もあるな、このドラマ。
それにマスク。まさにこの時期を象徴的に映し出してくれている。

果たして10年後、ニュースというのはどのような形態になっているだろうか。新聞、テレビ、ネット?もしかしたら全く新しいタイプのニュース配信形態というのも出ているかもしれない。10年、20年後のマスコミの形態が変わっているのなら、ぜひともまた同じ趣旨のドラマが出てくると面白いだろう。

こちらがPeach&Apricot(竹内まりや&杏里)の歌う主題歌「Watching Over You」(短いバージョン)♪


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