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74歳、オンライン営業システムに出会う

74歳の父が、めでたくオンラインデビューを果たした。

私は今年の1月からオンライン営業システムのベルフェイスに勤めていて、父は地方で中小企業を経営している。

県内には緊急事態宣言が出ていて、それでも製造業の現場仕事だから、オンライン営業システムなんて何の足しにもならないかもしれない。

それでも、ほんの少しでも対面でのリスクが減らせるかもしれないし、これからパートナー企業が父にオンライン営業システムでのアポを要望する可能性は大いにある。私が職権を乱用して休日にオリエンテーションをしておけば、そのハードルが下がるんじゃないかと思ったのだ。

<父のスペック>
・74歳
・耳が遠い
・方言がきつい
・ガラケー
・老眼
・ITリテラシー無(インターネット関係はすべて怪しいと思っている)

こうして書いてみると、割とフルスペック揃っている。難易度★★★★★という感じ。

転職先を聞かれた時、「東京にあるベンチャー企業で、在宅で働くんだよ」と答えたら「そんなうまい話があるはずない、おかしいと思ったらすぐに辞めなさい」と言われた。頑固なのだ。聞く耳を持たないタイプ。

さまざまな企業の営業担当にとって、こういう相手に「オンラインで打ち合わせしましょう」というのは勇気がいるかもしれない。

それでも、きっと日本全国津々浦々にこういう人は山ほどいるし、今の社会情勢では対面で会いにいくこともできず、困っているはず。だから私が代わりに試してみよう。

※前提として…
ベルフェイスは、契約しているユーザー側と、お繋ぎするお客様側で必要な準備や推奨される環境が異なります。今回は、私がユーザー側、父がお客様側で繋ぎました。

①電話する

ベルフェイスは、あえて音声に電話を使用する仕組み。電話ならばネット環境に関係なく通話が安定するし、「誰でも」使うことができる。父にとっても、何ら問題ない。

「なんだん?(何だ?)」始まって、ちょっと孫を出しながら機嫌を取る。アイスブレイクである。

②パソコンの前に立たせる

家のリビングにはPCがあり、たいてい母が電源をつけているので、誘導も簡単なはず。

と思っていたが、「おかあさーん」と助けを呼んでしまう事案が発生。「今日はお父さんに試してほしいから、お母さんは手伝わないで」と必死に釘を刺す。

③Yahoo!で「ベルフェイス」と検索してもらう

彼の辞書にGoogleという言葉はない。絶対にYahoo!だ。これはもう不動で、変えられないと思ったほうがいい。ブラウザもInternetExplorer。日本の約4割はまだInternetExplorerらしい。実家のPCにも、拡大表示されたeマークがデスクトップに燦然と輝いている。

それでも大丈夫。ベルフェイスは相手側のブラウザを選ばないから。InternetExplorerも、どんとこい。

だが、ここから少し難しかった。「ベルフェイス」が通じない。ベルはいけるが、フェイスが難しい。「顔のフェイス」も伝わらないのだ。「ヘイス?フェンス?」と要領を得ない。「ひらがなだよな?」と言われる。カタカナだよ!!!私が思っていた以上に、手強い。すごいな。

④TOPページを開いて「接続ナンバー発行」と書いてあるボタンを押し、4桁のナンバーを発行してもらう

これは簡単。ボタンが見えているからね。「あーはいはい」と言っていた。相手側には、アプリのインストールも何も要らないのだ。インターネット検索して、ボタンを押すだけ。

⑤接続完了!!!

あっという間にミッションクリア。これだ、ベルフェイスのすごいところ。74歳の父が、電話で話すだけでオンライン営業システムデビューをしてしまった。画面に映る孫を見て、この数分間のイライラも消えていき、ご機嫌だった。

父がユーザー側で使うことは正直難しいけれど、父みたいな人にもベルフェイスを使ってオンラインで商談や打ち合わせをすることは十分に可能だと思う。資料もすいすい見せられるし、議事録だって残せる。

電話よりもずっとわかりやすく、対面のように感染のリスクがない。出社しなくても、訪問しなくても、営業活動はできるのだ。

マスク、手洗い、ベルフェイス。
私の勤めている会社は、このサービスを作っているんだよ、お父さん。

#リモートオフィス #ベルフェイス #在宅 #テレワーク #リモートワーク #営業

※補足
この記事は、2020年4月に公開したものです



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