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病理学講義5)「高血圧について」〜レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(ながっ!)ってなんだ?〜

レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系、、、

長いですよ、、、なまえ、ややこしそうです、初めて聞くとそれこそ「血圧上がり」そうです

ちょ〜っと待った〜ページ変えないで下さい!

わかり易く説明しましょうとも!

高血圧を理解するのに、避けては通れない名前なんですよ〜

まず、高血圧とは、

●血圧が高い状態で、多くは遺伝と生活習慣が関連
(一部は、腎臓、副腎の疾患など)
●診断基準は 140/90mmHg 以上、家庭血圧では 135/85mmHg 以上
●脳卒中、心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全などの原因となることが問題です

次に、血圧を決定する因子の話しです
「心拍出量」✖️「末梢血管抵抗」が重要です

ざっくりと、「心拍出量」は、心臓が頑張る心拍数増加や、収縮力増強、あるいは血管の中身が増える、循環血液量増加が影響し、血圧は上昇し、

そして、「末梢血管抵抗」は、末梢血管が収縮して血液の流れに抵抗が増すと、血圧は上がる、と理解しておきましょう

レニンアンギオテンシンアルドステロン系は、様々な組織で、昇圧する方向に作用します

ですから、降圧薬には、血管抵抗を下げる血管拡張薬、循環血漿量を減少させる利尿薬などがあるわけです(次の記事で解説します!)

さて、血圧をコントロールするのには、様々な臓器から分泌される物質が関わっています

実際に、血圧が下がった場合どのような変化が起こるか図と合わせて見ていきましょう

下がった血圧を上げるには、、、

1) 血圧が低下すると、それを感知して腎臓(輸入細動脈の壁にある傍糸球体細胞)からレニンが分泌されます

(図の「スタート」から1)〜5)の番号と、「負のフィードバック」までを参照)

2) レニンは、肝臓で合成された血液中のアンジオテンシノゲンを、アンジオテンシンIに変化させます

3) アンジオテンシンIは、に存在するアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンIIに変換されます

4) アンジオテンシンⅡは、様々な組織で受容体を介して、

① 副腎皮質からアルドステロンを分泌、腎臓遠位尿細管に作用し、ナトリウムを貯留し、循環血漿量を増加させ、

② 血管平滑筋を収縮させ、血管抵抗を上昇

③ 下垂体後葉からADH(抗利尿ホルモン)の分泌を促し、腎臓の集合管で水の再吸収を促し、循環血漿量を増加させます

5) 結果として血圧が上昇すると、負のフィードバックが働き、レニンの分泌が抑制されます

このようにレニン-アンギオテンシン−アルドステロン系は、主に循環血漿量の保持と、血圧上昇作用により血液循環をコントロールしています

それぞれキーになる物質名が並んでいる名称なんですね

因みに、今回は触れていませんが、脂肪細胞からも、レニンは合成されており、これが肥満が高血圧になりやすい原因の1つかも知れない、
とか、
アンギオテンシンIIは、受容体を介して心臓のリモデリングに関与し、心不全を進行させるのでは、
といった報告もあり、研究が進んでいます!

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

これを踏まえて、以下の降圧薬の解説に連動します!

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