ドラムのこと。
ドラムを叩いてる時は、随分静かだ。
おれはあの静けさの中、周りを気にせず、自然に音を出して、その音の、一つ一つが、
俺を笑顔にさせたり、悲しませたり、
踊らせたりするさまが、誰かに伝わる時が、好きだ。
ドラムを叩いている時の静けさは、山にいた頃に朝日が昇るようで、月がゆっくり出てくる時や、新潟の雪の朝に似ていて、とても落ち着く。
呼吸も、日の移り変わりも、リズムだ。人間が生まれる前からあるようなものと太鼓でじゃれ合うのは、それは楽しい。
四季もそう。潮の満ち干きも、たきぎの炎がはじける様も、拍子のようにきこえる。
風はどうなのだろうか。
雷鳴は。
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