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「初心者」のための長編小説の書き方講座#4 書き方の例を一部ご紹介します

ここまで3回の講座を公開してきました。
テクニックとしては大体書いた通りなので後は忍耐強く書くだけ!

……ですが!

この、書き出しの文章が一番難しいんです。
私もここだけは苦労するし、たいてい何度も書き直しています。

そこで今回は、書き出しのポイントや、その他私がいつもこだわっている点についてご紹介していきます。

(#1はこちら #2はこちら #3はこちら から復習できます)


1 書きだしは遠くから近くへ

~いろうた作品例~

 今年の春は珍しく入学式まで桜が保った。
 昨日まで肌寒い日が続いていたが、今日は澄み切った青空が広がり、気持ちのいい陽気だ。
 真新しい制服に身を包んだ新一年生が、桜の下で写真に納まっている姿があちこちで見られる。初々しい、と感じてしまうあたり、僕もすっかりこの学校に慣れ切ったということか。
 二年前を思い出す。あの日の桜はとうに散ってしまっていたが、わずかに花の残った桜の木の下で記念撮影をした。
 中学の同級生は一人もおらず、僕は本当に一人の状態から高校生活をスタートしたのだ。
 不安はなかった。やりたいことがあった。それに打ち込んでいれば僕は僕でいられる。
 放課後、僕は部室に向かった。三階にある西側の小さな一室。九名の部員で構成される「チェス部」の副部長をしているのが僕だ
(「チェスの神様」いろうた作)

 少し長い引用ですが、出だしは外の様子(天気、風景描写)から始まっています。
 入学式と桜、青空、新一年生と視線が上から下に動いているのがイメージできますね(主人公は「僕」で「高校生」だと言うこともわかります)。
 そうやって読者を物語の世界にだんだん引き込んでいきます

 そしていよいよ、読者と主人公を出会わせます。
 場面は校内、部室に移り、最後に主人公に焦点が当たるのです。

 ほかにも様々なテクニックがあります。
 会話から始めるものもありますし、いきなり事件が起きる(すでに起きている)場合もあります。
 ただ、私はご紹介したテクニックが気に入っているので多用しています。


2 難しい語句はなるべく使用を控える

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