【連載小説】#9「あっとほーむ ~幸せに続く道~」神への誓い
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九
八歳で初めて出会った時の悠くんは、今にも消えてしまいそうなくらい弱々しい姿をしていた。幼心に「幽霊?」と思ってしまったほどだ。しかし話せば話すほど純粋な人だと分かり、すぐに友だちになった。
わたしが笑顔でぎゅっと抱きしめてあげると、そしてそれを繰り返していくと悠くんの笑顔は増えていった。一緒にいれば彼の精神は安定する。そのことに気づいたわたしは、彼の役に立ちたい一心で今日まで接してきたのである。
両親から悠くんとの結婚話をもらった