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令和にSNSが使えないJKはどうやって生きているの??

LINE、Twitter、Instagram。
今や社会にとって、なくてはならない3大SNSだ。特に若者には、これらが生活の中心になっているという人もいるだろう。
大人も子供もみんな言う。
「このご時世でそんなの絶対無理でしょ。」
いえいえ。意外と生きていけますよ。
SNSを知らない高校生活も。 



私は、先月高校を卒業するまでの3年間、すべてのSNSをやらないで過ごしてきた。
辞めていた理由は簡単、高校で禁止されていたからだ。
SNSをやっていない事を話すと、「どうせみんな秘密でやってるんでしょ!」と非常によく聞かれる。これは正直な所、分からない。
本当にみんなやっていないかもしれないし、隠れてみんなやっていて私だけハブられているのかもしれない。そんなに怖いことはないと信じたいけど。
まあ確かに言えることは、私は3年間やっていなかったよ、と言うことだけだ。

今の若者にとっては、
「もうSNSがない生活は生きていけないぜ。」と思うだろうが、残念ながらそれら無しで生きていく方法は一つだけある。
存在しなかった時代の知恵を参考にする事だ。電気のない時代にどう過ごしていたか、それに習えば電気がなくても生きていけるはずだ。
物理的には。
前置きが長くなったが、今日は令和と昭和を行き来しているような、私の不思議なJK生活のお話をしていきたいと思う。

私もこの4月に大学生になって、生まれて初めてSNSに触れたかと言われれば、そうではない。
中学生の頃は、LINEもやっていたしTwitterのアカウントも複数持っていた。
地方だということもあって、Instagramはまだ流行っていなかったが、当時星野源さんがとても好きだった私は、Twitterで星野源のためのアカウントを作っていた。(いわゆる趣味垢と言うやつ)フォロワーさんの誕生日には源さんの画像を加工してプレゼントしたり(Twitter上で)と、バリバリにファン活動を行っていた。
フォロワーも1000人以上いた。
地元の友達の中でも、結構SNSに入り込んでいた方だと思う。

そんな当時は、LINEやTwitterのない生活なんて考えられなかった。
友達との連絡が取れなくなることよりも、フォロワーさんたちと離れ離れになるのが嫌だった。一度も顔を見たことのない、年齢も違う友達だけど、絆は深いんだ!とその頃は思っていた。


【SNSのない高校生活とAndroidハラスメント】 

高校生になり、すべてのSNSをやめた。
私の入った吹奏楽部は結構な強豪校だったため、高校1年生の時は休みもほとんどなく辛い毎日に、正直SNSの事なんて考える余地もなかった。あんなに中学校時代仲良くしていたフォロワーさんたちの事も4月中には忘れていた。

朝の5時台に家を出て、帰るのは夜9時頃。
私はSNSを始め、どんな事への興味も失せてしまっていた。
食べることにも興味がなく、昼休みもお弁当を食べず練習、その弁当を部活が終わったあと晩ごはん代わりにつまんで帰宅したら寝る。
当時は心身ともにむちゃくちゃな生活で、5キロ以上は痩せてしまった。
部活自体に厳しくて追い詰められていると言うよりは、
練習→本番→自分は下手すぎる→周りより上手くなるには人よりたくさん練習しないと→練習→本番
と言う無限ループの中で、ひとりで自分を追い込んでいた感じだった。
 
生きること、練習することに必死だった一年間も終わり、2年生になると先生や仲間にも少しずつ認めてもらう機会も増えて来る。
精神的にも安定して楽しくなってきた時期だった。
ふと周りを見るとクラスではカップルも増え、修学旅行や文化祭など、普通のJKライフを楽しんでいた。
その波に乗って自分も生活を楽しみだすと、やっぱりSNSないと不便じゃね?と思いだしてくる。


アカウントを作成するもの、またチャット機能があるものは基本的にすべてNGだったので、当時流行っていた自撮りアプリ「Snow」なども使うことができなかった。
(その後、ログインしなくても使えるようになったので解禁された)
アプリがアップロードされてチャット機能が付く度に、「まじで要らんチャット機能付けるなぁぁ!!」と思っていた。

非SNSユーザーは、使えないアプリが多いので、必然的にスマホの性能に頼る必要が出てくる。
スマホには大きく分けてiPhoneとAndroidの2つがあるが、Androidを持っている人は、ほぼ負け確だと思っていい。
私達の連絡手段は基本的に、電話かSMSなのだが、iPhoneだとSMS=「メッセージ」というアプリを使うことになる。
Apple製品同士は無料で送り合うことができるが、どちらかのスマホがAndroidだと一通に3円くらいかかってしまう。 

残念なことに、SNSが出来ないうちの学校ではAndroidユーザーに対して「Androidハラスメント」が起きていたのだ。
私もAndroidを使っていたので、イジメられるとかではないが、相当に肩身が狭かったのである。


【Androidハラスメントの数々】

・メッセージではグループ(LINEグループのような)を作ることができるが、Androidは出来ないのでそこに入れてもらえない
・AndroidのSMSは写真を送ることができないため、メールで送るか送ってもらえない(メッセージアプリは写真も送れる)
・FaceTimeが出来ないのでそもそも電話もしてもらえない
・「おいお前Androidかよぉ」と言われる
(携帯も私もかわいそう) 



さらに、Androidユーザーは、遊びに行ったときに撮った自撮りやプリクラなどを送ってもらうのに相当苦労する。
なんとかメールを通じて画像をゲットするのだが、メールだと一度画像を圧縮するため画像が荒くなってしまうのだ。
最近始めたInstagramに載っている自撮りの写真やプリクラを見て、なんでこんなに画質が良いんだ、とびっくりした。高校時代の私のプリクラは、初期のiPhoneみたいな画質だった。


【令和になりきれない恋】

なかなか不便なことが見えてきた2年目だったが、中でも一番苦労したのが「恋」である。

世代によって、恋のツールは違う。
手紙、電話、ポケベル、ガラケーなど様々だが、今の世代はSNSが主流だ。
学校のクラスには大体「クラスLINE」なるグループがあり、ほとんど全員のメンバーはそこに入っている。
何らかのアクションや動機は必要となるが、みんながグループに入っている時点で好きな人の連絡先が「そこに落ちている」ようなものなのだ。追加ボタンを一回押すだけで手に入る。 

そんな中私達の恋は、「連絡先を聞く」事から始まる。

私が気になっていた男子はクラスでもあまり目立たないタイプだった。
普段は男子とつるんでいて、女子と話している所を見た事が無いというくらいだった。 
修学旅行の班が同じになり、激しく喜んだ私だったが、別にお互いリーダー格でも無く話しかけるきっかけもないため、仲良くなるタイミングを失っていた。

修学旅行中も特に彼と仲良くなれないまま時間は過ぎ、帰りの新幹線。
みんな班のグループで修学旅行で撮った写真を送り合っていた。(ほぼiPhoneユーザー)
入れないAndroidユーザーの私は、菩薩のような心でそれを眺めていた。
もうその頃には、画質の悪い写真なら貰わない方がマシなのではないか、とさえ思い始めていたので、特に何も思わなかった。
まあ唯一思ったのは、「ここまで来たらもう一生iPhoneにしてやんねぇ!」というくらいだ。

新幹線は東京に到着。
数日間の余韻の末、みんな現実に戻っていった。私の修学旅行は誰の連絡先を聞くこともできず、苦い思い出と共に幕を閉じた。と思っていた。

これは後日わかったことなのだが、実はグループで写真を送り合っていた中で、そこに入れなかったメンバーが私ともう一人いた。
私が気になっていた男子だ。

修学旅行から数日後の席替えで、なんと彼と隣の席になった。
くじを引いた時点でもう一生分の運使い果たしたわと思っていた。一晩中、明日何の話をしようかと考えて迎えた次の日。
私のスマホがAndroidで不便だと言う話をした所、彼とAndroidトークで盛り上がり、なんと親切に班別行動の写真を送ってくれると言い出したのだ。
その件を通じてあっさり連絡先をゲットし、その日の晩には彼の撮った写真がメールで送られてきた。
画質がガラケーのような大量の写真達を見て、Androidユーザーで良かったと心から思った。

そんな彼とは今も友達のままだが、同じ大学に行く事となり、今ではご飯に行くこともあるくらい仲良くなった。


【さいごに】

この3年間は、不便だけど面白いことだらけだった。
部活で練習メニューの変更や突然のミーティングがあってもすべて声で伝える(叫ぶか、教室を走って回しに行くか)しかなかったり、
良くも悪くもうわさの情報網が発達しすぎて、逆にSNSよりも速いんじゃないかというくらいだったり。

正直、普通の女子高生の生活だったら、SNSなしの3年間は相当キツイと思う。
私達は、全国的にみてもかなり学校に滞在している時間が長かったのでSNSが無くても、まあ明日直接言えばいっか、と思えたからこそ生きられた。

大学に入ってLINEもインスタも始めて何でもできるようになったけど、3月までのあの生活は何にも変えられないなと思う今日この頃である。
今の時代にあり得ないエピソード(いい意味で笑)もたくさんあって書ききれないので、徐々に書いていければと思う。

長くなったが、SNSが出来なくても生きてはいけるし楽しいことはあります。
でもSNSがあったらもっと楽しかったかも、しれません。笑



おわり

2020.04.06 鴨戸はる🦆

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