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140字小説【夜更けの紳士】

残業を乗り切り家路を急ぐ私。疲れた体に鞭を打って歩く。もう夜更けで人通りは少ない。そこかしこにできた水溜り。後方から車の走行音と足音が聞こえた。車が横を通りすぎた瞬間、足音が加速した。私の横に躍り出た男は、傘を広げ車の水しぶきから私を守ると、何事もなかったように追い抜いていった。

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