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ショートショート

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隙間時間にサクッと読めて、落ちを楽しめるのがショートショートの魅力です。
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#読書好きな人と繋がりたい

SS【ゼンマイ】1078文字

ぼくは昔から道を尋ねられたり、カメラのシャッターを押してほしいと頼まれることが多かった。…

6

SS【〇が出ない】339字

おう、「シ」さしぶりだな。元気してたか? 電話だけじゃなくたまには顔見せろよ。 こっちは…

8

SS【回収したい】320字

「お父さんって短編小説書いてるんでしょ。伏線回収ってどうやるの?」 「ちょっと待ってくれ…

9

SS【最後のサメ】551字

ぼくが小学六年生の時、友人たちの間でサメってゲームが流行ったんだ。 休み時間になると体育…

4

SS【気まずい夫婦関係】452文字

ぼくは聞いてしまった。 奥さんが電話で仲良しの友達に、子どもたちが家を出ていったら旦那と…

13

【生きろ】#ジャンププラス原作大賞#読切部門

あらすじ 何かに急かされるように街を行き交う人々。老人はその様子を眺めながら、捨て去った…

1

SS【代行屋との再会】524文字

高校生の時、クラスメイトの雑用を百円で引き受ける男がいた。 宿題や買い物の代行。 それに復讐代行。ターゲットの物を隠したり悪い噂を流したりして嫌がらせをする。 そんな彼と十年ぶりに街で再会した。当時のぼくはいじめっ子だった。 彼との仲は可もなく不可もなくといった感じで、愛想のいい彼に気を良くしたぼくは、懐かしさも手伝って二人で飲みに出かけた。 彼は下戸らしく、帰りは車で家まで送ってくれるという。 彼は車に乗りこむと、水をたくさん飲んでおけば二日酔いが軽くなると言っ

SS【五円玉】265文字

「ねえねえお父さん。さっき道端で五円玉拾ったよ」 「ほう。それは良いご縁に恵まれるかもし…

5

SS【最後の不倫】1016文字

ぼくは半年くらい前から不倫している。 妻にバレたら大変なのだが、今のところ大丈夫そうだ。…

9

SS【うるう年】454文字

「君のことはなんて呼べばいい? 君のニックネーム教えてよ」 「そんな気の利いたものはない…

3

SS【道を尋ねただけなのに】448文字

スーパーはどこかって? 奇遇だね。 目的地が同じだ。一緒にいくかい? どうだい景気は? …

6

SS【さあ、ゲームの始まりです】後編1753文字

「で、どうしてほしいんですか? 交番に届けておきましょうか? 面倒なことなら、する気はあ…

2

SS【山に導かれ】後編1485文字

人一人が収まるくらいのいい感じの空間がある。 ここに決めた。 ぼくはそう思った。 急斜面…

7

SS【山に導かれ】前編939文字

ぼくはついさっきまで、障子もカーテンも閉め切り、照明も消した薄暗い部屋の中に居た。 いつからなんて覚えていない。 食糧は部屋にためこんである。 シャワーする時かトイレに行く時くらいしか部屋を出ない。 そのせいか玄関の扉を開けた瞬間に降りそそぐ光で目がくらみ、手で顔をおおった。 外はこんなに眩しかったのか。 仕事を辞めたのはいいが、なぜか次の仕事をする気にはなれない。 職業安定所に行く気力さえわかなかった。 ぼくはあまり浪費する方ではなく、安アパートの一人暮らし