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ショートショート

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2022年10月の記事一覧

SS【帰らずの森】547文字

「一度踏みこんだら二度と抜け出せないって聞いてたけど、やはりただの迷信だよな」 「どうし…

4

SS【うるう年】454文字

「君のことはなんて呼べばいい? 君のニックネーム教えてよ」 「そんな気の利いたものはない…

3

SS【フライパン】289文字

「私ね、最近メタバースにハマりすぎて、現実との境界線が見えにくくなってるみたい」 「そん…

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SS【道を尋ねただけなのに】448文字

スーパーはどこかって? 奇遇だね。 目的地が同じだ。一緒にいくかい? どうだい景気は? …

6

SS【浄化の炎】1105文字

地上が見渡す限りの銀世界になる季節。 地の底にある奈落の住人たちは寒さに苦しんでいました…

3

SS【さあ、ゲームの始まりです】後編1753文字

「で、どうしてほしいんですか? 交番に届けておきましょうか? 面倒なことなら、する気はあ…

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SS【さあ、ゲームの始まりです】前編1051文字

ぼくは仕事で必要な資格を取るために、電車で遠くの街まで出かけていた。 今日は講習最終日で、翌日は休みだったこともあり、すぐに帰るのはもったいない。 そう思ったぼくは街を散策したあと、居酒屋に立ち寄りホッケの干物で一杯やっていた。 いい感じに酔っぱらい、二軒目は焼き鳥屋でモモと皮を食べながらビールを飲んだ。 そして講習のあったビルの会議室から見えた奇妙な廃ビルを思い出していた。 三階くらいまで吹き抜けになっていて、その中央に何か大きなブロックのような物が塔のように高く

SS【山に導かれ】後編1485文字

人一人が収まるくらいのいい感じの空間がある。 ここに決めた。 ぼくはそう思った。 急斜面…

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SS【山に導かれ】前編939文字

ぼくはついさっきまで、障子もカーテンも閉め切り、照明も消した薄暗い部屋の中に居た。 いつ…

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SS【黒幕はだれ?】485文字

「なあに? 話って」 「ちょっと言いづらいんだけど、私最近気づいたの」 「ん? 何に気づ…

3

SS【シェルターに住む愛人】515文字

ねえ、あなたが以前、庭に作った地下核シェルターのことだけど、入り口の扉を開けるための六桁…

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SS【透明人間】806文字

ぼくには少し変わった使命があるらしい。 過去に自分で決めたのか、誰かに頼まれたのか、ぼく…

7

SS【待ち合わせ】1616文字

沈みかけの太陽と別れを告げるように部屋の窓を閉めた私は、ある古い約束を思い出した。 十年…

4

SS【すきま風】255文字

君のとこは新しいから、まだ修繕にお金を使うことはないだろう? うちみたいにかなり古いとすきま風が気になってね。 窓やカーテンを閉めると、いや、つまり放置すると家中に木枯しが吹き込んでくる。 リフォーム? できたらいいな。 だけど小細工で十分だ。 ぼくなりに少しは努力してきたつもりだったけど、いつまで経っても凍てつくようなすきま風はやまなかったよ。 新しい家を買う? いやいや、そんなことを望んでいるわけではない。 君はさっきから何か勘違いしていないかい? ぼく