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ぼくはとにかく忘れっぽい。 何か一つのことに意識が向くと、先に考えていたことが一つ飛ぶ。…
街が雪に覆われ白一色となった師走のある日、私は実家に帰省するため二番ホームから新大阪行き…
ぼくは今、四人組の悪そうな男たちにつけられている。 友人から誕生日プレゼントとしてもらっ…
人は人生で何度も地下迷宮へと迷いこむ。 数日だったり、数年だったり、あるいはそれ以上。 …
昔々あるところに腰痛持ちの中年男がおりました。 背骨の間にあるクッションの役目をする椎間…
冷たい雨の降る師走の朝、ぼくは懇談会に出席するため、娘と高校へやってきた。 三年生という…
ぼくの奥さんはリセット癖がある。 ハマっていたゲームだったり、習い事だったり、長年続けてきたことをなんの前触れ間なくスパッと断ち切ってしまうのだ。 ぼくだったら未練がありすぎて、そんな簡単にはいかない。 でもそんな潔い所が奥さんの魅力でもある。 ある日、ぼくは奥さんにこう言った。 「生命保険を解約することにしたよ。病気になっても高額医療費制度があるから致命的な負担にはならないしね。それにもしもの時に備えて貯金もあるんだ。保険料を何十年と払ってたら凄い出費になるから解
男は数年前に離婚し、家族と住んでいたアパートを飛び出した。 その頃からいくら寝ても眠い日…
子供の頃に不思議なものをたくさん見た。 ぼく自身の想像力と目で創り出したものたちだ。 木…
彼女とは三ヶ月前に知り合った。 寒さの厳しい師走のある日。 ついに、彼女の家に招待され手…
師走は何かと落ち着かない。 夏休み終了間際の宿題に追われる子供のように後がないからだ。 …
物書きをしていると、より多くの人に読んでほしいとか、紙の本を出版したいとか、欲が出てくる…
年の初めに昨年達成できたことを神様に報告すると、それと波長の合った神様が一年間応援してく…
男が部屋の中でクシャクシャにしたメモ用紙を投げると、大きく弧を描き、一メートル先のゴミ箱を通り越した。 しかし、何かに当たり跳ね返ったかのような動きでゴミ箱の中へ落下した。 男は言った。 「君が誰かは詮索しないよ。ずっと居候していたことにも目をつむろう」 男は少し間を置いてから話を続けた。 「新しい居候先が見つかるまでこの部屋に居てもらっても構わない。ただ一つだけ条件がある。明日の夜、一人女が訪ねてくる。その女が帰る時にタイミングを見計らって車道に突き飛ばして殺して