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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2024年7月の記事一覧

140字小説【意外な事実】

私の両親は仮面夫婦。稀に必要な時だけ事務的な短い言葉を交わす。私は家族の未来を危惧してい…

こし・いたお
21時間前
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140字小説【終わり良ければすべて良し】

夏休み前日、些細なことで私の父と母が激しく口論した。母は実家に帰ってしまった。家族旅行の…

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140字小説【取引成立】

僕はプロゲーマーだ。というのは名ばかりで、困窮する母親に寄生し、仕事もせずにゲーム漬けの…

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140字小説【バツが消えた日】

妻と久しぶりに子供のことで会話した。ここ数年、会話がめっきりと減っていた。ラインだけで事…

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140字小説【最後に見えた不倫相手】

僕らは仮面夫婦。不倫疑惑のある妻が、珍しく僕をイベントに誘った。いくら広くて手が込んでい…

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140字小説【大盃】

私たち若夫婦はああ言えばこう言うお猪口だった。建設的な議論は期待できなかった。私たち中年…

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140字小説【ごめんなさい】

山岳ガイドの僕は親友を案内していた。標高が上がるにつれ顔色の悪くなる親友。「高山病かもしれない。少し休もう」数分後、親友は再び歩き始めたが、数歩進みふらりと倒れた。親友は息を引き取っていた。手にメモが握られていた。「ごめんなさい。余命が迫っていました。この山で終わりにしたかった」

140字小説【旅に出たい】

私は辛かった闘病生活を乗り越え、退院にこぎつけた。連休初日の早朝、私は釣り鐘型の帽子を被…

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140字小説【思い出の山】

登山が趣味の友人と話していたら、懐かしい思い出が甦ってきた。久しぶりにあの山に登ってみた…

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140字小説【知恵の輪じゃない】

毎年、妻の誕生日に知恵の輪を贈っている。最高難度の知恵の輪をすぐに解いてしまう妻。ある年…

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140字小説【悪魔】

買い取り専門店にやってきた私。ここは悪魔が寿命を高額で買い取ってくれる店。無論、訪れるの…

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140字小説【お金をかけるもの】

余命宣告され病床に伏す夫。安くていいものはないと安物買いを認めない。私は高品質じゃなくて…

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140字小説【自由とは】

気づくと金魚鉢の中にいた。そこは少し息苦しくて、私はいつも口をパクパクしていた。そこでは…

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140字小説【天職】

会社の同僚はFPSにハマっていた。命懸けの緊張感がたまらないという。ある日、同僚は会社を辞めた。僕がその理由を聞くと、妻に自分が傷つかないゲームの世界で命懸けなんて、ただの卑怯者と馬鹿にされたからだと言った。三年後、同僚は軍人になっていた。同僚はたった一人でテロ組織を壊滅させた。