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ハンドメイド業界が成長しない理由。

「ハンドメイド品」の質が疑われる理由。
怪しい「POPUP企画会社」に騙される人が後を絶たない理由。
実績の伴わない怪しい「コンサルタント」が続々と現れる理由。

これらにずっと不満を持っていたのですが、これらは全て別のベクトルの話でありながら、ひとつの共通点で繋がっている事に気付きました。

それは、
「縦横の繋がりを極力持たないようにしている」ことが元凶ではないかと。
この界隈に共通する「秘密体質」が起こす、自分を取り巻く業界の劣化に気付いてほしくて書きました。

①「ハンドメイド品」の質が疑われる理由。

使っている素材…レジン液や接着剤、金属の質、石の質など、一言で素材と言っても色々ありますね。作り方やその環境など。
これらを自分から明かす人はほとんどいません。
いろいろな方から話を聞いた結果、「真似されたくない」という理由が多くを占めているようです。

しかし、これが原因で「質の低いものが生まれている」と思っています。

モノつくりをしたいと思った方がいて、ワクワクして作り始めても誰も教えてくれない。聞いても非常識だと罵られる風潮。自分で手探りで始めなければなりません。
初心者に厳しい世界ともいえますね。

ベテランの方も、過去はそうして来たからこそ、自分より後から始めた方に対しても同じ道をたどって欲しいとも思ってしまうんですよね。

理解はできる心理です。…しかし。
「自分が1年の時は先輩から理不尽な扱いを受けたから後輩にもする」という昔懐かしい昭和な考えとなんら変わらないのでは?と思っています。

ただ違うのは、今回の話については単純に精神世界の話ではなくて
販売をしている方であれば「ビジネスの話」であり相手には「お客様がいる話」であるということ。

「真似されたくない」という意識は小さい頃から持ち合わせているので消すことはなかなか難しいのですが、これは大人の世界の話になると思うんです。

正直、もうこの世に「誰も生み出していないもの」なんてほぼ無いと思います。こんな世の中でそんな些細な「自分の使っているもの」を守る必要があるだろうか、と思います。
お客様は、その作り方や素材よりも世界観や作り手の想いの方に重きを置いている場合が多いように思います。

わたし自身は、聞かれたら極力全て答えます。他の誰かに教えてもらった事柄の場合は、その方のルールもあると思うので答えない事もありますが。

質の悪いものが多いと思われる時代が早く終わると良いのですが、もうずっと変わらないのがとても残念です。

②怪しい「POPUP企画会社」に騙される人が後を絶たない理由。

これについては、なかなか難しい問題です。
開催前に気付かず、開催中~開催後に「ここはダメだ」と気付いたとしても、その企画を乏しめたら継続して参加している仲間たちにも悪影響を及ぼしてしまう。
「ダメだ」と思っていても他の所では参加させてもらえないから仕方なく泣き寝入りし続けているという方もいます。

ハンドメイド作品を取り扱う企画会社(もとはハンドメイドと無関係の事業をしている事が多い)は、こういう事情も分かっていて劣悪な環境でハンドメイド作品を取り扱っています。
ハンドメイド作品に関心があるわけでも無く、作り手にリスペクトも無いので扱いも雑、戻ってきたら壊れている事なんて当たり前、たくさんの納品数を要求されたのに店頭に並んでいないことも多々あります。

普通のお店であれば、Googleマップや食べログなどでお店の評価がされますが、固定店舗を持たない事が多い為、お客様からの評価も明らかにならないんです。ベテランの参加者がどんどん離脱している企画でも、新人の方はどんどん増えているしどんどん参加していってしまう。
ほぼ評判が下がることは無く、上から目線で「嫌ならやめれば。代わりはたくさんいるし。」という態度で平然といられます。
10人抜けたって、向こうから15人新しく入ってくる業界です。

企画会社側では、仕入を行うことも在庫をもつこともなく、テーブルやレジさえあればどこへだって何度でも開催できますね。でも、そんな雑なお店が人気になることは無いので、ずっと「ある程度の売上」が続きます。
その為、企画会社も常に自転車操業であり、次を開催しないとプラスにならないというスパイラルなんです。
お客様をなめてもらっては困ります。プレゼントであれば質のいいお店で買いますし、店舗に行かずともSNS等で素敵なモノを見つけています。

企画会社側のやり方と、参加する側のやり方がこのままでは、きっと半永久的にこれが続くでしょう。
それなのにお客様は進化していることに気付いていない事が多いように思います。

③実績の伴わない怪しい「コンサルタント」が続々と現れる理由。

上記の①・②のせいで、心を込めて作ってもお客様に手に取ってもらえないことで自信を失った方々が、ここに流れていくようです。
心の弱い方が多いように思うので、ここはかなり切実です。
どうか実情に気付いていただき、変なコンサルに引っかからないでいただきたいのです。

特にコロナで販売が上手くいかなくなり、「モノを売るのではなく情報を売る」ビジネスに気付いた人たちが多くいました。

高額なコンサル料を取っているその自称コンサルタントの方、そこらへんに落ちているセールスやマーケティング、ブランディングの専門家の言葉を拾っているだけ…という事が多いです。

最初に気付いたのは、そのコンサルタントの方と実際にお会いして仕事を一緒にした時でした。
それまではコンサルをしている人を疑うことも頼る事も無かったので別世界だったんですよね。

一緒に仕事をしてみて…
「話し方が上品で説得力があるが、長い期間一緒にいると嘘ばかり言っている事に気付いた」
というのが、気付きだったんです。

その後、その方のプロフィールがグラデーションのように少しずつ少しずつ変わっている事にも気付きました。本を出版する予定だから忙しい、とその一緒にしていた仕事もおろそかにしていましたが数年経った今もその本は出版していません。
販売を一緒にしても、ネットで謳っている程の売上には到底届かなかったのも目にしました。
その後もコンサルで生徒?に向けて発信している事と真逆のことを繰り返し仰っていたのも衝撃的でした。
できれば一緒に仕事をしているわたし達のことも、しっかり騙せるように設定をきちんとすべきでしたよね。

そんな方がいたので、他のコンサルタントについても確認をしたくなりました。小さな情報から深堀りするのは得意な方なので、コンサルのサイトから販売ページ等へたどり着くことも難しくはありませんでしたが、実績の伴う方はこの2年、見つかりませんでした。

それでも、つらい時期に「芯に響く言葉」を並べられるとすがってしまう心理が起きてしまい、またお金を搾取される被害にあうという…本当に悲しい世界です。

解決策

これは、「情報共有」しかないと思っています。
でもただ単純に自分の裏事情をさらけ出せという話ではありません。

「きちんとビジネス(お客様がいる責任のある仕事)であることを理解している人」とでないと難しいと思います。
お友達だから、仲が良いから…はNGだと思っています。

残念ながら「ハンドメイド界」には少ないのでこのような方を探すことがなかなか大変だとは思います。でも、見つけられたらお互いに成長が出来るのだと思います。

わたしは大きな企業の歯車として働く事が多かったのですが
ざっくり言うと、保険・法律・会計・金融など…
これらの会社は、同業他社との交流がかなりありました。
そんな交流の事前資料準備や議事録まとめなどもしていたのですが
「こんな情報まで他社に話すんだ!」と最初は驚いたものです。
参加しているのはどこも聞いた事のある大手の企業でした。

お客さまとのやり取りでこんなことを困っています

うちの会社ではこうしています

という、やり取りが頻繁に行われていました。
だからこそ、より満足度の高いサービスを、と切磋琢磨できているんだと思います。もちろん、会社の開発に関する情報など、表に出せない情報はお互いにあり、そこは出さないように情報交換・共有ができているんです。

横の繋がりがある企業は伸びているし
無い業界は廃れていく一方なんだろうと考えています。

とあるPOPUP企画会社の代表の方が言いました
「敵は同業者じゃない」と。
同じ様に思っている方を、見つけた瞬間でした。

わたしは、これまでのnoteを見てもらえればわかるように
自分が苦労して勉強したこと・それをまとめた結果を一人で持っておくのは勿体ないと考えている方です。

自分自身だけではない事柄など、事情があって公表できない事もありますが、基本的には「小さな一歩から業界全体が底上げしてもらえたら」と思っています。

誰か一人が「win(勝利)」の状態ではなくて、みんなが「win」になっていけば、それが掛け合わさっていくものだと思っています。
そう信じています。

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