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〜 私をみて Vol.2 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 私をみて 〜

今日の休み時間も、いつもの場所で、いつもの友達と一緒に遊ぶ
幼稚園の頃から毎日、毎日飽きることなくずっと一緒
変わることなく一緒にいれる毎日が続くと思ってた
『ゴム飛びしようよ』
『2人じゃ出来ないよ?』
『んー。あ!ここにひっかけてやろう!』
小学校になりクラスは違っても、同じマンションに住む私達は、帰りも一緒
まるで姉妹のように毎日仲良く、たまにケンカをして
しかし、それも長くは続かなかった
小学校2年になったある日、突然のお別れを告げられたのだ
『あのね、私、お引越しするの』
『えぇ!!』
『もう遊べなくなるね』
『やだやだ!!』
誰もが経験したのではないだろうか?
子どもの私達には、どうすることも出来ない突然の別れ
昨日まで一緒に遊んでたのに、突然いなくなる寂しさ
私は暗闇に落とされるような感覚を覚え、胸にぽっかりと大きな穴を開けた
いつもの場所で、いつもの友達と遊んでいたはずなのに、私一人
しばらくの間、私は、いつもの場所で一人で遊んでいるのだった

·

ポストを見ては、しょんぼり
明日は届いてるかもしれない
幼い私にとって〈文通〉は、かけがえのない連絡手段であった
携帯やオンラインゲームなどがある時代であるなら、また連絡手段は変わっていたであろう
リアルタイムで話が出来るというのは、良くもあり悪くもある
まだ、そんなものがなかった時代の手段と言えば、電話と手紙
毎日ポストを覗いては一喜一憂する
手紙の良いところと言えば、ずっと手元に残ること
私の想いや相手の想いを、ずっと大切に残せること
乗せる想いは永遠なのだ
『はい、お手紙来てたよ』
『わぁ!!』
家に帰ると母に渡される手紙
ピンク色の封筒には、可愛いお花の絵が書いてあるわくわくしながら読む手紙には、たまにお土産も入ってあった
会えなくても、ずっと一緒だし、電話も出来る事が私にとって何よりの楽しみだし、喜び
またいつか会う日までの宝物

·
次第に、成長するにつれ電話も手紙も回数は減るものの、大好きな友達はずっと変わらないし、手紙も尽きない
いつしか携帯を手にするようになると、連絡手段が簡単になる
そして、大きくなるにつれて自分で会いに行ける事を知る
私の彼氏に会い、友達の彼氏の話を聞く
友達の彼氏に会い、私の別れ話を聞く
そしてお互いの子どもの話をする
まだ幼い私達が見たら、きっと目を丸くして笑うだろう
そして、ずっと友達であることを嬉しがるだろう
遠く忘れかけていた頃の記憶をも思い出しながら、『わたしをみて♪』を付けた私は、娘の入学式に来ている
いつしか私のように、娘にも大切な友達が出来るだろうし、今もいる友達と自分達の子どもの話をするかもしれない
ずっと大好きな友達が出来る喜びを、いつか分かち合えたらいいなと、母になった私は〈友達〉という存在を噛み締めた
明るい音楽と共に、緊張しながら体育館へと入る娘を、私はどこか自分と重ねて入学式を迎えるのであった
·

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