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〜 私のひととき Vol.2 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 私のひととき 〜

ぽかぽか陽もあたり、私の体もほっかほか
気持ちよく寝そべる隣には、大好きな彼
枕を持ってきてゴロンと横になっている彼も、また気持ちよさそう
春の陽射しは、眠気を促す何かが混じっているのだろうか
ふわ〜っと欠伸を一つ付く
『眠いのか?こっちくる?腕枕してやるよ』
『んん』
優しい彼は、私の頭を撫でながら私を引き寄せる
ゴロゴロと甘えるような声を出しながら、私は彼の腕の中へと吸い込まれていく
まだ冬仕様のふわふわカーペットが、可愛く甘えたい気持ちに輪をかける
『もっと抱き締めてほしいな』
目で訴える私は、彼を少し上目遣いで見つめる
『なんだ?そんなに抱き締めて欲しいの?本当にお前は甘えたさんだな。ほら、こっちおいで』
ギュッと締め付け、俺の大切なモノと言わんばかりに、おでこにキスをしてくれる
私は、安心しきって身を委ねてしまう
『大好き』
『可愛いなお前は。大好きだよ』
ゆっくりを頭を撫でる彼は、優しく私を見つめては〈可愛い〉と言う
·
春の妖精は、やはり眠りの粉を少し混ぜているようだ
気が付けば私は、すやすやと眠りに落ちていた
ハッと目を覚まし辺りをキョロキョロと見渡す
まだ夕方にはなっていないようだ
少し安心した私は、もう一度寝ようと彼の腕枕に顔を埋める
『ん?起きたのか?俺も寝てたわ』
『まだ眠い』
『まだ眠いのか?俺はちょっと準備するから、ここにいろよ?』
そう言って彼は、起き上がり何やら支度を始めだす
最近買ったらしいベージュのジャケットを取り出し、準備する
さっきまでダラダラしていたのに、忙しなく支度を始める彼は気に入らない
『ねぇ?どこ行くの?』
私は、彼の後を付いて回る
『どした?寂しいのか?ちょっと今から出掛けてくるな。すぐ帰ってくるから』
『寂しいなぁ』
『もう。しょうがないな。いいこだから少し待ってろよ?』
頭を撫でて抱き締めたらいいと思っているのか、私は少し不機嫌になる
そして彼に背を向け、ふわふわカーペットの上に座り込む
彼は、少しつまらなさそうにしながらも出掛ける準備を進めていく
髪の毛を整え、歯磨きをし、ひげを剃る
カーペットで横になりながら私は、その様子をジッと見つめる
たまに、こっちを気にして声をかけてくれるが、知らん顔
ふん。拗ねてやる。
·
仕度をし始めると時間が経つのは早い
遅刻すると言いながら慌てる彼
ピンポン
慌てる彼は、身だしなみをもう一度確認してから玄関を開ける
あぁ。もう来たのか。
仕方ないので、私もお迎えすることにする
『いらっしゃい。待ってたよ』
『お邪魔します』
白いロングスカートに白いリボンの付いたシャツ、淡い桜色のカーディガンを羽織る彼女は、何とも春らしい可愛い恰好でやってきた
『あ!みく!今日はよろしくね。にゃんこのお菓子持ってきたよ?おいでぇ!』
『にゃん』
私の彼なのに、取られたくないのにな。
お出迎えを終えた私は、くるりと回り自慢の大きな尻尾を、優雅に振って歩く
サイベリアンの私は、そのゆったりとした優雅な身を、カーペットへと委ねる
『あれ?ご機嫌斜めかな?』
『みく?どした?俺が出掛けるって言ってから機嫌悪いから拗ねてんのかな?』
『そうなの?ヤキモチかな?』
『そうかもな。みくが一番大好きなのに』
『私は?』
『はは。君も大好きだよ?』
『何かズルいな、それ!』
『にゃおん』
『あ!みくもそう言ってるよ』
『はは。どっちも大好き。俺の一番』
そう言って、彼は彼女を抱き締めた
全く本当に、彼はズルい男だと私も心から思う
·

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