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〜 和柄リボン 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 和柄リボン 〜

一歩足を踏み入れるとスーッと気持ちが清らかになる気がした
喧騒な街並みも程よく近いのに、神社というものはとても厳かで敷地に入った瞬間に何か感じるものがある
と、言いたいのはやまやまだが、私にはそこまで詳しく分かるわけではなく雰囲気と少し空気が変わるくらいなら分かると言う方が良いだろう
何か自分にとって大切な事があると、私は神社へは来てお参りをする
お願い事の時もあれば、見守っていて下さいと言う時もある
そのくらい神社は私にとって身近なものであった
·
今日は、友達とランチをしに京都までやって来た
よくお参りするお稲荷様にも挨拶をする
いつもは一人で来ることが多いので少し新鮮な気持ちにもなっていた
鳥居の前でお辞儀をする
お邪魔しますと言いながら鳥居をくぐるのも何だか面白いなと友達とケラケラ笑いながら足を運んだ
『鳥居はまだ先かな?』
『そうだね、もう少し行くとあるよ』
ゆっくり境内を散策しながら鳥居へと向かう
一本、また一本と鳥居をくぐる度に今日は何だか体が軽くなる気がする
『おぉ!ここかぁ♪すごいね』
そこ声の先を見ると、真っ赤な鳥居がズラリとキレイに整列し山の奥まで連なっている
何度訪れてもこの光景は圧巻だ
何枚か写真を撮り、奥へと目指す
·
この異世界に通じるような鳥居は、いつも通る度に不思議な気持ちにさせてくれる
ただ通るだけの道なのだが、何か私をさらっていってくれるようなそんな気分にさせてくれるのだった
今日は人も多く、立ち止まる人も何人かはいるが、それ程混み合うこともなく鳥居を抜ける事が出来た
鳥居を抜けてからも隣に大きな鳥居が続いていて、今度は山をぐるっと周れるようになっている
一度ここにあるお社でお参りをして、今日は山を登ることにした
いつもはこのお社で帰ることが多いのだが、友達も登ろうと行ってくれているので、一緒に行くことにした
しばらく歩くと人もまばらになり、急に空気が冷たくなる
何より山の薫りをこれでもかというくらいに、感じている自分がとても清々しく思えていた
·
山を登り降ってくるのに2時間弱くらいかかったのではないだろうか、時間を見ればもうお昼時を時計の針は指していた
途中少し坂と階段に苦戦したものの、ちょうどよい感覚で茶屋や祠があるので、お参りをしながら、道中を楽しむことが出来ていた
山も降り、もう次の場所へと行こうかと駐車場へと足を向ける頃、どうしてか私は奥のお社が気になった
『どうしたの?』
『ん?何でもないけど、気になる気がしただけ』
私はどうしてかもう一度振り返り〈お邪魔しました〉と深く頭を下げた
ふと誰かに頭を撫でられて気がしてハッと顔を上げ周りを見るが、もちろん誰もいない
『そろそろ行こ?』
『うん』
ほんの少し立ち止まり目の前を横切る『和柄リボン』でキレイに髪を結った、赤やオレンジの華やかな着物を来た女の人たちが歩いていく姿を私は見送っていた
いつもと違う不思議な感覚のまま次の目的地へと足を運ぼうとした瞬間、ザーっと突然正面の鳥居の方から風が通り抜け山の方へと駆け上がっていく
『すごい風だね・・・どうしたの?』
立ち止まったままの私に友達が声をかける
『・・・ううん。行こっか』
一歩足を出し歩き始める
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ザーっと駆け抜ける風に私は感じていた
風とは違う何かが一緒に駆け抜けていった事を・・・
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