運は人を選ばず
運がいいだけの人や、運が悪いだけの人はいない。
友達のNちゃんは人間関係に恵まれている。
Nちゃんは一見するとごく普通。けれど他の人とは少し違うのだ。
高校の自己紹介で「将来の夢はスーパーマン」と自己紹介で言うなど、思いもよらない発想をする。
Nちゃんはユーモアと度胸まで兼ね備えていた。
自分の気持ちを面白く発信できるNちゃんだから、たくさんの人が集まって来る。
それが結果として、Nちゃんの運を上げているのかもしれない。
けれど、Nちゃんはアイドル運には恵まれない。彼女が好きになったアイドルは、ことごとく炎上し、芸能界からいなくなる。
「私って本当に運がない……」と嘆くNちゃん。
最近Nちゃんの好きなアイドルが炎上したけど、彼女は次のアイドルを見つけたのだろうか?
大学の先輩のHさんは、神様を見たことがある人だ。
青森のパスタ屋さんで、一人でピザを食べている男と目があって、その瞬間頭上に雷が。
「あなたが神様ですか?」と尋ねたところ、彼は黙って会釈をしてきた。
もし、彼が神様だとしたら、Hさんは相当運がいい。けれど、ただピザを食べていた男であれば、Hさんは彼に弄ばれただけだ。たぶん運が悪い。
私はというと、務めていた会社が急に倒産して焦っていたところ、いいタイミングで現在の会社に入社することができた。不運と幸運が一緒に舞い込んだケースだ。
運は、どこからともなく訪れる。運の正体は掴めない。
けれど、「良い運」と「悪い運」は誰にでも偏ることなくやって来るような気がする。