テツガクの小部屋22 プラトン⑥
・デミウルゴス
イデアは永遠であり、生成することも消滅することもない。それゆえ宇宙生成においても、イデアそのものは創造されない。世界は工匠(デミウルゴス)が永遠の範型であるイデアを見ながら、それに似せて造ったものであるという。したがって我々の住むこの世界は範型であるイデアの似像である。プラトンの宇宙形成の神はこのように工匠であるにすぎず、一切を無から創造する創造神ではないのである。(『ティマイオス』参照。)
・後期思想
『パルメニデス』においてプラトンはイデア論を再検討し、