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随想(エッセイ)

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その時、浮かんだことを書いたもの
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#絵

プラトンの『国家』を読む:『正いこと』、『幸せ』、『お金』の関係

プラトンの『国家』を、ゆっくり再読しています。今、BOOK2です。 『国家』、前は、全然理解できないというか、入ってこなかったのですが、今回、プラトンは、『正しい行い(正義)』とか何か。『正しい行い』をすることで、人間は『幸せ』になれるのか、問うているんだなと、考えるようになりました。 さらに『お金・富』と『幸せ』との関係。 純粋な(他意のない)それゆえの、『正しい行い』、そこから出る『幸せ』、それと『お金』あるいは、『名声』を稼ぐための行動の区別が、前半部分の大事なテ

LaborDay スケッチ&水彩画&詩

アメリカは、今週の月曜日、Labor Dayでした。Labor Dayは、日本で言えば、勤労感謝の日という感じでしょうか。毎年、9月の第一月曜日になります。夏の終わりで、学校も、新学年が本格的に始まります。 わたしは、17年前のLabor Day直前に、アメリカに来たので、これで18年目に突入することに。最初は、半年くらいの感じできたのですが、結局、長く滞在することになりました。 いやー、17年のアメリカ暮らし、大変でした。けど、考えてみれば、ずっとアメリカに住んでみたい

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気がつけば初夏:花のスケッチ

新しい年をむかえて

自分のことに、集中していきたい。もう、大人なんだけど、自分を育てていくのに興味があって、その方向で、創作も含めて、集中する。 更地に建てて行く年になりそう。特に経済的に。 アメリカは、選挙もあり、多分、外の世界は、色々騒がしくなるだろうけれど、私は、静かでいられるように。参加しなくても良いこと、したくないことには、参加しないで。 ここ数年、いろいろ落ち込んだ時もあったけど、そのおかげで、思ってもみなかった新しい考え方ができるようになったり、価値観、展望の変化などもりたく

絵を長年描いてる人の隣に座ったら、さっきより、絵が上手く描けた話

メトロノームを、たくさん置いて、時間差でスタートさせると、しばらく経ったら、みんな揃ってくるというビデオを見たことがある。世の物象は、人間を含み、どんなに細かく、ささやかでも、リズムをきざんでいると言える。それらは、比較的、短時間の間に、同調、同期する運命にあるのかもしれない。ただ、同じ振動で、振れている場合だけだろう、けれど。 なぜ、同期するのかについて、下記のサイトで、説明をしているのを見つけた。数式も、ちゃんとあって、驚きである https://note.com/m

十人十色の深み(その2)

先日の投稿で、『人はそれぞれ、同じ色を、違った風に見ているかもしれない』と、書いたところ、関西在住イラストレーターのmikaさんより、アフリカの人たちは、派手なピンクなどの服を着ていいるけれど、『果たしてアフリカの人に、その色はピンクに見えてるのか?』という、コメントをいただいた。 文章を書いたり、作品を人に見せたりして楽しいことは、思いもよらないコメントをいただいて、そこから、思考の地平線が移動したり、広がっていくことだ。この記事を書いたのは、個人的な違いのことを考えてい

『世界は、どれほど確固たるものか』について、SF作家からならうこと

相変わらず、幾つもの本を並行して読んでる。その一つが、『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』。著者のリズマン バークは、人気ゲームのクリエイターで、『この世界は、コンピューターで作られたシミュレーションみたいなものである』という仮説についての本である。まだ、最初の方を読んでいるところ。 シミュレーション仮説に興味を持っている理由は、前にも、紹介した私のイチオシサイト、『魂のインターネット』で、作者の野口氏独自のシミュレーショ

『奴隷根性の唄』という詩

時に、思い返す、金子光晴の、『答辞に代えて、奴隷根性の唄』。 読んだことない方には、全文を、検索して読んで欲しいのだけれど、これは、最後の部分。 ここだけ、読めば、金子光晴は、どこか異国ににいる、鎖に繋がれた奴隷について、書いていると思う人がいるかもしれない。 私は、第2次世界大戦直後に発表されたこの詩は、わたしたち、にっぽん人の『奴隷根性』について、問おていると思っている。 鎖は、すでに切られているのに、自由に生きることを、ためらい、自らしない、できない。とくに、周

くずれゆく経済の気配と、私の髪の毛

銀行が潰れたりして、不穏な雰囲気漂うアメリカ。日本でも報道されてるとは思うけど、インフレがすごい。ニューヨーク市も、かなりきてる。 ただ、インフレと言っても、どういうわけか、アメリカの物価について、日本での情報は、大袈裟すぎるものがある。例えば、ツィッターで、卵がアメリカで二千円と見たけど、ニューヨークで、そこまでは、見たことない。高くても、12個10ドル(有機)というところ。私が買ってるのは、有機で、6、7ドルまで。 日本の情報は、当てにならないのも、あるけれど、ニュー

アーティストになる

5年ほど前、中国系アメリカ人で、『ミスターウォン』と、私たちが呼んでいたアーティストの、水彩画のクラスをとった。当時、ミスターウォンは、90歳近くで、パンデミックの前の年に、なくなった。 私は、水曜日の夜の、モデルを水彩で描くクラスにいたのだが、ミスターウォンは、月1回20分のデモ(みんなの前で、モデルを描くのを見せる)をする以外、だいたい、座って、自分のスケッチブックにモデルを、筆ペンで描いているか、お気に入りの生徒と話してるだけ。私は、「先生、サボってる〜」と、一人で怒

日本で買った包丁で、指を4回連続で切って、気づいたこと

10年ぶりに日本に帰国、50日ほど滞在、アメリカに戻って、2週間ほどがたった。久しぶりの大陸間移動は、体にすごい衝撃で、日本では、3週間くらいは体調がすっきりしなかったし、こちらでも10日ほど、時差ぼけでが続いた。朝5時台に目が覚めるし、夕方眠くなって3時間ほど寝てしまう。やっと、ここのところ、平常運転に戻ったところだ。 さて、日本で、買い物をいくつかしたのだけれど、その一つが包丁。もちろん、アメリカでも包丁は売っているが、よく切れる包丁が安価で手に入るのは、日本だと思う。

10年ぶりの日本

9月の初旬から、日本に一時帰国している。実は、10年ぶり。5年位しか経ってないつもりでいたけれど、帰国の少し前にパスポートを見たら最後に日本に来たのは、震災の次の年2012年であった。 10年ぶりの日本はどうかと言うと、思ったより変わっていなかった。これは、私が京都に滞在しているせいかもしれない。他の場所のことは、わからないけれど、京都市内では、まさかと思うほど、古いお店が昔のままに残っている。これは、老舗と言われるところだけでなく、子供の頃、通学途中に毎日見ていた美容院な

孤立無援

こちらのナカムラクリニックの記事にある、コロナワクチンを打たなかった人を讃えた文章なのだけど、読んで泣いてしまった。これは、匿名の文章で、オンライン上にたくさんある実態のない文章である可能性もある。でも、そうであっても、このような文章は支えになる。2021年を通じて、私のワクチンめぐる決断や、物の見方について、家族は「頭がおかしくなった」言っていた。遠くに住む家族を、説得しようとメールや電話をすると、相手にされなかった。やってたパートの仕事は、自らやめたし、通っていたアートス

日本人の創作

noteに、「なぜ、書くのか」という内容のエッセイを投稿したところ、予想以上に、たくさんのスキをいただいている。「書きたいから、書くんで良いんじゃないの。売れたり、支持されなくても良いんじゃないの。」という内容だったのだが、そういう創作に対する、シンプルな思いに共感する人が、かなりいるということだと思う。 私も、時間があれば、スキを押してくれた方のページを見に行って作品を確認している。中には、一挙にスキを押してる人もいて、「読まずに押してる?」と思う場合もあったりするのだが