「きけ わだつみのこえ」は向学心を奮い立たせてくれる本。

「きけ わだつみのこえ」は、第二次世界大戦に戦没した学生(主に東大生)の手記をまとめた本だ。

この本を読むと、学生兵たちの、戦況下でも貪欲に学ぼうとする姿勢に心打たれる。


 …………ああ、もっと本を読んでおけばよかった。まだまだ興味ある本は沢山ある。無限だ。日暮れて道通し、との心境か。落ち着いて冷静に読書に余命を送ろう。
学生兵にとって辛かったことの一つは、軍隊内で自由に読書ができないことであり、陸軍ではいっさい許されぬ場合が多く、海軍でもある種の本(武士道をといた『葉隠』)のみ携行がゆるされるという状況であった。
林尹夫(『わがいのち月明に燃ゆ』)のように国禁の書・レーニン『国家と革命』(ドイツ語版)を敗戦二カ月前の軍隊内で「一枚ずつ千切って便所のなかで読み、細かく切り刻んで捨てるかばあいによっては食べてしま」うまでして、自らの思想形成の努力を死の寸前まで続けた学生兵も存在した。

戦争を礼賛するような教育を受けてきた学生兵たち。その中でも、間違った倫理観に洗脳されないように必死で勉強する。

彼らを見ていると、平和な世の中で無学なままの自分に嫌気が刺してくる。恵まれた環境にいるんだから、もっと本を読まなきゃと思えてくる。

「きけ わだつみのこえ」は、戦時中のリアルを知りたい人はもちろん、これから勉強を頑張りたい人にもオススメの本だ。勉強に対するやる気がみなぎる。

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