はじめて文学フリマに潜入してきた。前編(文学フリマ京都8)
先日、念願の文学フリマに行ってきた。
時間が経って、気持ちが風化してしまう前に取り急ぎ見てきたもの・感じたことをババッと書き出しました。あくまで、私が見て感じたものなので、参考程度にしてください。
いざ、会場へ
雲一つない大快晴の日。おひさまがぽかぽかしているけれど、ここ数日の中では特に気温が低い。これが放射冷却か。いかにも冬といった雰囲気の風が頬を撫でる。うう、寒い。
待ちに待った文学フリマの日。何日も前から、出店情報、当日の楽しみ方、出店者の体験談…文学フリマに関するものをとにかく調べは読み漁り準備万端。河原町からは乗り慣れないバスにゆられ、どきどきしながら会場に着いた。
一つ悔やまれるのは、普段写真が大好きで、とにかくお出かけの度に写真を欠かさず撮るようにしているのに、今回ほぼ撮っていないこと。
通路を歩くたびに出店者たちの目線が突き刺さり、緊張して、写真を撮る余裕なんてなかった。
いざ、会場に着いて見本コーナーへ。今日は「本屋さんで買えない本を買う」がマイルール。自分が欲しいもの・作りたいものの参考にしたいなと、へそくりの500円玉貯金から今回の作品購入予算を引っ張り出してきた。
<お客さん目線で思ったこと>
*入場時のシール配布
入り口では、入場シールをもらえた。服に貼れる素材になっていて、運営さんのこだわりを感じる。
*お客さんの服装・持ち物
フリーペーパーもたくさんもらうから、買ったものを入れる用のトートバックを持って行って大正解。クリアファイルも持っていけばよかった。
*会場へのアクセス。会場の環境。
みやこめっせは、阪急河原町駅からバスか、京阪三条駅から徒歩15分。アクセスはちょっと悪め。会場近くの喫茶店を事前にチェックしておいて、本を買ってすぐ読むとかを次回はしたいな。
会場は人の熱気と暖房で、長時間い続けるのがしんどいくらい暑かった。それに、本を試し読みしたり、ブースを巡ったり、割と長時間たちっぱなし。楽で着脱しやすい服装にしてもよかったなと反省。
*接客・会話
いざブースの近くに行くと、話しかけてくれる方、じっと行動を観察する方、さまざま。見たい本とは違う本をグイグイ押し付けられることもあって、ちょっとうーんとしてしまった(私はあなたの別の本が見たいのに…)
じっと見つめられすぎるのも、緊張して頭に入ってこないし、話しかけられすぎると試し読みに集中できない。距離感難しい…。
*そもそもあなたは誰?
出店ブースの人の自己紹介がないことが多い。というか1人もされなかった!目の前にいる人が作者ご本人なのか、売り子さんなのか。聞いたら失礼かなあと思って聞けずじまい。なんだか勿体無い。
*出店者のスタンスの違い
自分の作品を売りたい人、発表の場がほしい人、文学フリマをお祭りのように楽しみたい人。いろんなスタンスで自分の作ったものをブースに並べている。まるで売り物のように製本され書店本と遜色ないような完成度の本もあれば、コピー用紙をホッチキス留めして10円や50円で売られる手づくり冊子もある。
なるほど、人それぞれこのフリマでやりたいこと・目指すことが違うのか、とハッとした。と同時に、見本コーナーでは見栄えする本が手にして見てもらいやすいのかも。
*ジャンルによる雰囲気の違い
小説、詩歌、評論・研究、ノンフィクションなど、ジャンルごとに出店ブースが固まっている。それに、ひとことに小説といっても、ライトノベルから純文学までジャンル内でも幅が広い。コミケを彷彿とするようなアニメや漫画のイラストがずらっと並んでいて、自分が場違いじゃない?とさえ思った横では、正統派純文学が幅を利かせていたりする。
同じ会場内で、たくさんの本が並んでいると、ジャンルごとに本の装丁、ブースのPOP、出店者の雰囲気がまるで違うのがよくわかる。
あと、個人的な体感としては、自分の好きなジャンルの出店者さんやお客さんは、自分と似た雰囲気の人が多い。心なしか話が弾み、素敵!と思う作品・人に出会う確率も高い。(やっぱり好きなジャンルとそれを好きな人っていうのは、似る傾向があるのかな。)
たくさん見ようとすると、ブースの数がとんでもなく多く疲れてしまうから、自分の好きなジャンルから回る方がいいかも。
*「ほしい」と「買いたい」の間の大きなハードル
文学フリマでは、新刊・既刊問わずたくさんの本が並んでいる。この場でしか買えないものもたくさんあって、内心(あれもこれもほしい…!)と欲張ってしまう。
けど一方で、いざ買うとなると二の足を踏んでしまう自分もいる。会場には一日では、とても見切れないほどの数の本があって、そのなかで本当に自分にフィットするものを見つけ出す難易度は並大抵ではない。この場で初めて出会った口コミも知らない本たち。ジャケ買いするのはちょっとドキドキしちゃう。
*その人から買う理由。
前情報が少ない本を「買う」には、きっとその場の雰囲気や高揚感。それに、即売会の最大のメリットの、製作者本人と直接話せる・買える、があること。
私は今回の文学フリマで、見本コーナーでは目を付けていなかった本を一冊買った。たまたま立ち止まったブースで話しかけてくれたその人が、どんなものを作ったのか興味が出たからだ。
本が面白いから買う、それはもちろんあると思う。けれど、それと同じかそれ以上に、誰がどんな思いで、その本を作ったか。背景を知るほどに、本の魅力が増すと思っている。
あなたから買いたい、あなたが作るものを見てみたい。私はそうやって本を選ぶし、きっと同じような気持ちの人がいるはず。文学フリマでは、本との一期一会、人との一期一会だなあ。
自分の購買行動を振り返って
自分の行動を振り返って、自分でも驚くくらいお財布の紐が固いことに気づく。想定していた購入予算の半分以下しか使わなかった。
「ほしい」と「買いたい」の間には大きな隔たりがあるらしい。もちろん本は、見た目じゃないとはわかっていても、いざお金を出してその本を自宅の本棚に置く、と考えるとある程度基準があるのかも。
自分がこれから、どんなスタンスでやりたいのか。出店するなら…こうしたい、ああしたい。ここ真似したい!と思うところも、自分ならこんなふうにしたい!と思うところも、たくさん探せた良い機会だった。
実際にお客さんとして体験したからこそ見えてきたこと。うわあ、行ってよかったなあ、と数日経っても思っている。
目の前にやりたいことが広がって、そこまでの具体的な道が日々少しずつ、自分の中で開拓されていくよう。
よーし、私もがんばるぞ!!
少し長くなってしまったので<私が出店するとき気を付けたいこと>はまた別の機会に。
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