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本好きの"大人"へ、おすすめしたい絵本。


ほぼ毎日読書するというくらい
本好きのみなさんでも、
「絵本」を読むということは
滅多にないかもしれませんし、
今は大人向けの絵本も沢山ありますから、
日常的に読まれる方も
いらっしゃるかもしれません。

小さなお子さんがいらしたりして
一緒に読まれるという方も
おられるかもしれませんね。

今日は、読書が好きな「大人」に
おすすめしたい絵本を紹介したくて書いています。
Amazonなどでもベストセラーに選ばれている
有名な絵本でもあるので、
ご存知の方も多いかもしれませんが。


わたしがこの本を購入したのは
おそらく2016年だったかと思います。
もう8年ほど前ですね。
その後何度も引っ越しをしましたが
ずっと一緒に過ごしている本のひとつです。


日本語って複雑な言語だと言われます。
同じ発音イントネーションで全く違う意味になる
言葉がたくさんあったりだとか、
英語やその他の言語ではうまく表現できないような
複雑な意味やニュアンスを含んだ言葉だとか。

ところがそんな複雑な意味やニュアンスを含んだ
翻訳できない言葉たちは、
どうやら世界中に存在しているようなのです。

「そんな翻訳できないことば」たちが
たっくさん紹介されている絵本、


こちらです。

公式からお借りしました(リンク)



著者のエラ・フランシス・サンダースさんは
これを書かれた当時20代とのことですが、
それまでさまざまな国に住んでいたそうです。
世界中の色んな言葉にじかに触れてきて、
書かれた本なのですね。
イラストレーターでもあるそうで、
この本の中の美しい絵も彼女の作品だそうです。


日本語からが1番多く選ばれており、
「わびさび」や「こもれび」「つんどく(積読)」
それから「ぼけっと」なんていう言葉が
選ばれています。

わびさびには、こんな解説がついていました。

『生と死の自然のサイクルを受け入れ、
不完全さの中にある美を見出すこと』

仏教の教えがルーツにある日本のこの考え方は
不完全で未完成であるものに美を見出す
感性です。うつろいと非対称性をくらしのなかに
受け入れるとき、わたしたちはつつましく、
満たされた存在になりえます。

翻訳できない世界のことばより



なんて美しい解説と翻訳なんでしょうか。


わたしの好きな「ぼけっと」にはこんな解説が。

『なにも特別なことを考えず、
ぼんやりと遠くを見ている時の気持ち』

日本人が、なにも考えないでいることに
名前をつけるほど、それを大切にしているのは
すてきだと思います。いつもドタバタ忙しい
くらしのなかで、あてもなく心をさまよわせる
ひとときは、最高の気分転換です。

翻訳できない世界のことば より

わたしは「ぼけっと」を
こんなふうに素敵に解説できるだろうか、
といつも思います。

こういった言葉たちが、
世界中にあるとしたら
どんな言葉なのだろうと思いませんか。


全部で52種類描かれていて、
イラストを含めて本当に素敵なので
中身をお見せしたいのは山々ですが、
それは流石にできませんので、
ほんの少し、言葉だけを引用したいと思います。

COMMUOVERE(コンムオーベレ)イタリア語
『涙ぐむような物語にふれたとき、感動して胸が
熱くなる』こと。

KILIG(キリグ)タガログ語
『おなかの中に蝶が舞っている気分。たいてい、
ロマンチックなことや、すてきなことが
起きたときに感じる』こと。

KUMMERSPECK(クンマーシュペック)ドイツ語
『直訳すると「悲しいベーコン」。食べすぎが
つづいて太ること』

TIÁM(ティヤム)ペルシア語
『はじめてその人に出会ったときの、
自分の目の輝き』

翻訳できない 世界のことば より


本の中にはこれらの解説がさらにつきます。
胸がきゅっとなるものから笑えるもの、
なんだかハッとさせられるもの、
どういう意味なんだろう?と解説が気になるもの、
本当に沢山の言葉に溢れていて、
そしてその解説ひとつひとつがまた素敵なんです。

言葉の持つ不思議な魅力でいっぱいで、
大人のみなさんにこそ、
読んでみていただきたいと思う1冊です。

同じ著者で、
「誰も知らない世界のことわざ」という
絵本もあり、そちらも持っているので
併せて紹介しようかな?と思ったのですが
長くなってしまったので、
それはまた、次の機会に。


見出し画に選んだ1枚。



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それでは今日はこの辺で。


最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。



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