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『哀れなるものたち』~めくるめく映画体験

昨年からビジュアルとストーリーが気になっていた『哀れなるものたち』。早速観てきました。

おすすめはしないけど、凄い映画!!
寓話的でありながら、R18指定なので凄い事になってます💦
映像や奇想天外でありながら刺さるストーリーがまさにめくるめく映画体験!!

衣装や美術が圧巻で映画らしい映画でした。
エマ・ストーンの衣装がアートで素敵
そして、彼女の女優魂も素晴らしいです。
2度目のアカデミー賞を受賞したのも良かったな~と思っています。
あの授賞式ではかなり物議を呼ぶ結果となったのは残念だったけれど(人種問題って凄く難しいし、アジア人としてはちょっと気になる授賞式だった)。

かなりの難役ですが、本当に存在しているかのように錯覚してしまう。やっぱり気が強く、芯のある女性役がピタリとはまる。
そして、決して『ラ・ラ・ランド』のノリで観てはいけない。

フェミニズム的な側面、自由に生きる事の意味や愛することの意味すらも考えてしまう深い映画ですが、ブラックユーモアもあり、クセ強な映画ですかなりブッ飛んでますが、2時間半グイグイ引き込まれて主人公ベラの成長の旅に誘われました。

ベラを創り出す博士のウィレム・デフォーが素晴らしくて、父のような愛情に感動がありました。
物心ついた時から活躍されてますが、未だに第一線で名優とはこの方みたいな人を言うのだろう。
今回もとても印象に残る役で、彼だからこそ演じられた役だったのではと思います。
もっともっと評価されても良い俳優さんだと思ってます。

それにしても良い人役のイメージのマーク・ラファロの情けない役に笑いましたが、素晴らしい演技でベラが引き立ちまくりでした( ´艸`)
マーク・ラファロ好きとしては意外とこんなダメダメ役もハマるんだなと新たな発見。演技が上手いからとは思いますが、苦笑しかない役を演じていて素晴らしかった!!

キャスト名にハンナ・シグラの名前を発見して感動!!
ベラに本や知識を与えるマダムな女性として登場。
貫禄あって素敵でした。
ドイツの名女優である彼女の『マリア・ブラウンの結婚』という映画が強烈に印象に残っています。
力強くも空虚で切ない映画だった。
『マリア・ブラウンの結婚』もこの映画に影響を与えているらしいと聞いて納得。
戦後のドイツをたくましく生き抜くマリアとベラは重なる部分もあります。

気になって原作まで読みましたが、この映画は原作の視点を変えて一部を映画化したということが分かる。
映画的に改変したストーリーも痛快だけど、原作の奥深さも捨てがたい。

結局、フェミニズムって何なんだろうという難しい問題にいきついちゃうので突き詰めるとモヤっとしちゃいますが、映画としての面白さは抜群だった

ランケンシュタインな要素やビジュアルの美しさでファンタジー感を出しつつ、内容はかなりエグい。
年明けからパンチの効いた映画で大満足です。

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