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中銀カプセルタワービル カプセル見学ツアーへ行ってきた。 #日記 #中銀カプセルタワービル #珍スポット

会社の内線で

私「……アナタ(※夫 我が家は社内婚)当たっちゃった……中銀なかぎんカプセルタワー……」

夫「マジか……!」

と東日本大震災以来、私用で会社の内線を使ったのは去年の年末。(※会社の内線を私用で使ってはいけません)

中銀なかぎんカプセルタワービルとは、東京銀座にある珍スポットで、元々廃墟が好きだったので読んでいた、ワンダーJAPANという雑誌で知りました。

現在は残念ながら廃刊になっていますが、
ワンダーJAPONという名前で復活しています。

廃墟・珍スポットを特集した雑誌で、いつか行ってみたいね、だったり近くにあるものは実際に見に行ったりもしました。

あー、あー、アレでしょ?
彼氏が好きだったから私も好きになりました、なパターンでしょ?と思ったアナタ。

逆です。

アナタこのジャンル絶対好きでしょ!
と夫に軍艦島のサイトを見せて、このジャンルに引きずりこんだのは私です。

深夜番組が今よりも大胆な時代で。
結構マニアックなものに出会ったりもする時代で。

廃墟というジャンルを知ったのも深夜番組でした。

で、今回行った、この雑誌で知った、(多分)珍スポットに属する、中銀なかぎん カプセルタワービル。 

建築家の黒川紀章さんが、手掛けた、“名作”。
えーっと、1972年に竣工。
当時のメタボリズムの設計思想を元に、カプセル(部屋)を交換することで半永久的に使い続けられる、容易に家ごと引越しができるビル……ということだが、カプセルの交換も大規模修繕さえも行われたことはないらしい。(調べた。詳しくはWikipedia見てください……)

ちなみに、メタボリズムとは生物学用語で新陳代謝、という意味らしい(太ってる、とか贅沢、って意味じゃないのね……)。

銀座、というアクセスしやすい場所にあり

外側から見たことはあったのですが。

去年の夏くらいに、カプセル見学ツアーがあるということを知り大興奮!

見てみたい!
廃墟は珍スポットは取り壊されてしまうケースも多いから、見れるうちに見てみたい!

と、早速申し込み。

見事に当選のメールをいただきまして。
行ってまいりました!
中銀なかぎん カプセルタワービル!!

少し早く着いたので、近所を散策。
周りはほぼキレイで大きなオフィスビル。
あ、隣は郵便局だ。

で、こんなモノを発見。

銀座に残された唯一の鉄道踏切信号機。

ん……? 初の、でもなさそうだし、踏切、のようだけど……そっか、銀座ってもう踏切ないのかな?

と、数分潰してから、いよいよビルの正面玄関へ。

写真では分かりづらいけど、
落ちた破片が飛ばないように、
ビル全体にネットがかけられている。
「プ」の半濁点と「ビ」の濁点が取れてる。
正面玄関。本日は管理人さん不在なので
こちらからは入れず。

保存・再生プロジェクトの方(以下、保存・再生PJ)がいらっしゃって、ツアー開始。

開口1番、衝撃の発表が。 

保存・再生PJ「実は今回が最後のツアーになりそうです」

ええええええ?!

何でも、このビルの土地は借地なんだそうですが。

建築的にも価値のある建物なので。

管理組合で保存派の方々が、保存・再生(修繕、カプセルの交換等)する方向へ舵取りが出来ないか模索してきたそうですが。

昨今のコロナ禍の影響もあり、オーナーの方の事情も色々あって、現在は2022年1月内に退去、建物は撤去、土地もいずれは売却されるのでは、という方向で話が進んでいるそうです。

保存・再生PJ「そうそう、この中に建築関係の方いらっしゃいますか? ツアーを始めた当初は建築関係の方が多かったのですが、現在はアートやデザイン関係の方が増えてきました」

あっ あれ? ツアーのグループに女性多いな、と思ったけど、皆さんそんな感じ?

有名な珍スポットの中が見学出来ると聞いて来たんですけど……

入口間違えた……? とそっと目をそらす我々夫婦……

取り壊しが近いとあって、BBC等の海外メディアや国内の様々なメディアで取材が殺到しているらしく、今月は特に取材ラッシュなんだとか。

あれ? ワンダーJAPANは……? (だから入口を間違えてる)

とりあえず、本日は管理人さんがお休みとのことで裏口から入ることに。

こちらが裏口。

入ると、共用部分になるロビーへと入るのですが、まだ入居者の方もいらっしゃって個人情報等の問題もあって撮影はNG。

でも、エレベーターあたりは撮影させてもらえました。

右側に映る壁は竣工当初のもの。50年近く経ってるのにとても綺麗でした。

エレベーターの扉に「B」と書かれていますが、何とこの中銀カプセルタワービル、ツインタワー式のビルで、A棟とB棟に分かれているそう。

写真はB棟のエレベーターですが、登ったのはA棟です。

エレベーターで、A棟とB棟の連絡通路がある9階へ。

連絡通路では、カプセルが間近で見れる。
カプセルとカプセルの隙間は約30センチらしい。
こちらはカプセルの天井部分。
9階だから結構高い……。
交換も修繕も出来てないので、壊れている部分も多い。
「中銀」と書かれたタワーの先の部分。
よく見ると、隙間から貯水槽?みたいなものが見える。

やっぱり、間近でカプセルを見ると、破損しているところがよく見える。

しかし、部屋の入口側でカプセルを支えていて、部屋のほとんどは宙に浮いている。

そこに住むとはどんな気分なんだろ……

そして、カプセル内部を見る為に、階段を降りて移動。

グレイの壁は後から塗ったもので、A棟は、元はピンクとオレンジ(?)のカラーリングだったそう。
古いカラーリングの名残り。
私の指が写り込んでるのはご愛嬌。
ガスメーター。結構派手なオレンジだったのかな?
カプセルの入口上部。
全ての部屋にこんな飾りが付いてる。お洒落。
別のタイミングで撮影したB棟。
こちらはブルーとミントグリーンだったらしい。
少し、ブルーの名残りが見える。

共用部分は元々はもっと派手な色だったらしい。
個人的には、元々の色の方がお洒落で面白かったと思うけど……
賃貸でもバブル期くらいに建てられたデザイナーズマンションとかはそんな配色じゃなかったかなぁ。

毎日見るとなると落ち着かないものなのかしら……でも、勿体ない。

そしてお待ちかね!
カプセル内部へ。

中はかなりこぢんまりしてる。
左手前が棚、奥がオーディオ関係。
広さの割に収納がある。
ヨットの収納を作る方が作ったそう。
棚の中にはレゴで出来た中銀カプセルタワービルが!!
こちらは収納式の机。
また、私の指が写り込んでる。
窓は開くことが出来ない。
二重窓になっていて円形のカーテン(ブラインド?)を開閉する為に部屋側の窓が開く。
床には絨毯の下に板を敷いているそう。
鉄板のカプセルだから、無いとすごく寒いらしい。
当時の最高スペックだったオーディオ。
オープンリール?初めて見た……
回す式のテレビは知識としてはあるけど
(多分、子供の頃に家にはあったんだろうけど)、
物心ついた頃にはリモコンだったなぁ……
窓側から撮ったところ。エアコンは現在のもの。
お風呂+トイレは何だか船みたい!
かなり小さいユニットバス。

元々、住居というよりは、オフィスとか、ホテルとかそんなコンセプトだったらしく、キッチンと洗濯機置き場が無いそう。

代わりに、コンシェルジュ的な人が常駐する、という感じだったそうです。

買い取り式のホテル、とかそんな感じだったのかなぁ。

カプセル内部も堪能して、ツアーは終了。

エレベーターで1階へ……と思ったら。

3階がない。

3階が無い。
えっ、何々?!ホラー?!

私「3階がないのは何でですか?」

保存・再生PJ「3階にはカプセルが2つしかないので、2階か4階で降りて行くようになってます」

なるほどー

名残惜しいですが、見学ツアーは1時間弱で終了。
もう、取壊しを避けるのは容易ではなさそうですが、少しでも綺麗な形でカプセルが残ると良いな、と思います。

実際に引き取りたい、という美術館とかは多いそうですが、ほとんどは海外の美術館だそう。

日本の建築家である黒川紀章さんの作品なのに、将来は海外の美術館でしか見られない……なんてことにならないと良いなぁ。

しかし、メタボリズムという考え方は現在のサステナブル、って考え方にかなり近いはずなんだけど。

黒川紀章先生、時代を先取りしすぎましたかね……

そのまま銀座のメイン通りの方へ向かって。

お昼を食べて帰ることに。

銀座でランチと言ったら、私はいつもあづまへ行きます。

美味しい洋食がお手頃価格で食べられるから。 
 
銀座って怖いんだよぉ。フラッと入ろうとするととんでもない値段だったりするの。

トマトポタージュは絶対に食べる。
中に卵が落としてあるの。

これを幸せと言わずして何と言う。 

チーズハンバーグ食べた。

中銀なかぎんカプセルタワービルのカプセル見学ツアーに関しては、今後行われるかはわかりませんが。

まだ全ての可能性が無くなったわけではないので。

ワンチャンがまだあると信じて。
今回のツアーを企画されている保存・再生プロジェクトさんのサイトです。

それ以外の情報も出てくると思いますので、気になった方は見てみてください。

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