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ずっと引きこもって同人誌だけ書いていたい!|漫画『神作家・紫式部のありえない日々』

『源氏物語』は、平安時代中期に成立した世界最古の長編小説。 

主人公・光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた作品。

その作者、紫式部は――

「宮中なんて 行きたくない 働きたくない
ずっと引きこもって同人誌だけ書いてたいッ!!!」

34歳、陰キャ、シングルマザー。
実家にいるのは、出戻りじゃなくて、当時は通い婚だったから(多分)。

夫を喪った寂しさを紛らわす為に書いた同人誌(※源氏物語)が、時の権力者・藤原道長の妻、倫子の目にとまり、中宮・彰子の家庭教師のオファーが来た。

私 ただの主婦だよ!?
帝のお妃さまに仕えるなんて 無理無理の無理!!

しかし、家族の出世と紙(※当時は高価)使い放題の為に泣く泣く(渋々?)宮中に上がることに。

どうなる? 紫式部の宮中ライフ?!


D・キッサンの平安コメディ

作者はD・キッサン。
平安時代ものは『千歳ヲチコチ』以来。
こちらの作品も面白かった印象があります。

出版社は一迅社。
レーベルはZERO-SUMコミックス。

現在、既刊1巻。連載中。


“かもしれない”紫式部が面白い!

とにかく、のっけから面白い。

陰キャの紫式部に対して、娘・賢子のサバサバ感。

「ママ ちょっと 落ちついて考えてみようよ
これ見るとそんなに悪くないと思うよ?
家庭教師の仕事もあるけど 物語は書き続けよって書いてあるし」

貴重な紙をたくさんくれて、書いていいなんて、めっちゃ良い条件じゃん、とドライに判断する。

この、紫式部の娘・賢子も後に大弐三位として中宮・彰子に仕えている(※紫式部とは時期は被らないらしいが)。
彼女も母の血を受け継いたのか、歌人として今も名前が残っており、実は『源氏物語』の後半の一部は彼女が書いたのではないか、という説もあるほど。

しかし、性格は恋多き女性・和泉式部とウィットに富んだ切り返しで人気者だった清少納言を足して2で割ったような性格……と、言う方もおり。

ゼロ(笑)。紫式部の要素、ゼロ(笑)。

紫式部の性格は、“声をかけたけど何の返事もしなかった”みたいなことを書き残していた人がいた気がする……。
どちらにしても、社交的な性格ではなかった模様。

だからこそ、内容は天下一品の『源氏物語』だけど、本作の紫式部はまるで“調子に乗って書いた、なろう小説が大当たりした主婦”みたいに仕上がっていて面白い。

帝に物語のタイトルを聞かれ、「源氏物語です」と答えた時も

いっや〜~
っぶね~~~~~!!
いきなり帝の前で同人誌のタイトル言わされるとかある!?
「ステータスチートで生まれてきたので とりあえず色んな人と寝たけど本命は義母です」とかにしなくてよかったよマジで!!

いや、確かに!そんな話だったね(笑)!

現代風ならそんなタイトルだよね!!

まだまだ隣の局の小少将の君(※腐女子)や、恋人だったのでは?と言われている藤原公任も活躍してくれそうなので、今後も期待したい作品です。


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