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アイリス
2021年9月25日 18:55
とある秋の日、わたしはある人を訪ねる為に無機質なコンクリートで覆われた道路を歩いていた。先程まではいかにも都会だと言わんばかりのビルが乱立していたが、この道路にはいつの間にか木々の木漏れ日が差している。陽が遮られた木陰にいた私は、冬を思わせる冷たい風を感じていた。いや、冷たいと言っては語弊がある。どこか暖かく、柔らかい風でありながら肌を冷やす風といった方が正しいだろうか。道路の舗装も段々と崩れてき