選ぶ。

昨日のドラフト会議を見ていたときに、ふと「はないちもんめ」を思い出した。

"勝って嬉しいはないちもんめ。

負けて悔しいはないちもんめ。

隣のおばさんちょっとおいで。

鬼がいるからよう行かん。

あの子がほしい。

あの子じゃわからん。

この子がほしい。

この子じゃわからん。

相談しましょ。

そうしましょ。"

正確に覚えているかは怪しいし、地域ごとに差はあるけれど、大体こんな歌詞だったと思う。

幼少期に誰しもが一度は口ずさみ、遊んだことがあるメジャーな遊び。

でも、わたしは「はないちもんめ」が好きではなかった。

誰からも選んでもらえないことが、すごく怖かったから。

一人は好きだが独りは嫌い。

当時は、まさしくそんな感じの子供だった。

みんなに欲される "あの子" にも "この子" にもなれなかったときの、なんとも言えない気持ち。

泣き出すほど悲しみに忠実になれず、怒って遊びをやめさせる勇気もない。

悲しみや孤独感をそっと心にしまって、平気なふりをして笑う。

思えばあの頃から、物分かりの良さを演じてきたものだとつくづく思う。

そんな「はないちもんめ」で遊んでいる当時の自分と、ドラフト会議に出席している高校生球児たちの姿を、なんとなく重ね合わせた。

選ばれる者と、選ばれざる者。

必ずや両者が存在する厳しい世界。

プロに限りなく近く、あと少しで手が届きそうな位置にいる彼らでさえ、選ばれる恐怖と戦っているのだ。

選ばれない経験は辛い傷跡を残す。

幼少期の遊びでさえ、今なお私の心に闇を落としているくらいだ。

それでも思う。

どんな時でも選ばれる努力を続けられる自分で在りたい、と。

選ばれることは、他者の評価によってなされるものだ。

自分の意思ではどうにもできないことも、ある。

それでも、選ばれる努力を続けることは、自分で選べる選択肢だ。

諦めることだってできるけれど、あえてその道を選ばない。

選ばれることを、選び続けられる。

そういう自分でいられたらいい。

そう思っている。

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