シェア
入透
2020年4月7日 23:03
初夏すべらかな白い二の腕をはしる幼い溜息が屋根の上にのぼってミント・グリーンを街に降らせた静寂ほど騒がしいものは他になくサンダルに溜まった透明を濁らせるゆれる白昼夢そう思っていたものこそが世界かつて誰かに背中を刺された人が、愛に名前をつけたそのときからずっと私の幻肢痛は消えない唇に拒まれたままの声は死にかけの昆虫のように脊髄の周りを回っている足裏を青が脈打つ生命は皆、何か
2020年4月7日 22:58
遠雷霙グレイ・スカイ海鳴り 束の間の陽光窓を叩く燕熊蜂 ハマダイコン砂、砂、砂貝殻白い地球 水上の線路滴揺れる瞳孔遠くへ 遠く、へ 故郷よ間延びした語尾よ海の冷たさよ空の高さよ 憎んだこともあったお互いにけれどもう、征くのだ 最後まで大声で泣き続ける あなたを残して