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助成金・補助金の獲得に向けての考え方・組み方

ぼくたち市民活動なんてのは、特に金銭的な資源があるわけではなく、「お金がほしい〜」って常日頃から思いながら活動をしています。

先日開催したフォーラムでも、活動者の皆さんのニーズのトップは資金に関するものでした。

資金獲得のひとつの手段として、『助成金』『補助金』の獲得があります。

せっせと申請書を書き、場合によってはプレゼンなんかをするわけです。
もらえたり、もらえなかったりするわけですが、申請段階でのコツも多少はあるのかなと思います。

ぼくが学んできた限りをアウトプットしてみます。


3月11日に開催する『北九州 NPO・ボランティアフォーラム・春』でも、資金の獲得に関するお話が出るかと思います。

また、このフォーラムへの打合せにおいて、次年度以降の展開も検討しました。
今日のテーマそのものですが、助成金や補助金の獲得へのノウハウについて学びたいねっていう話題も出ました。乞うご期待!です!!


昨日、来年度事業に関する結構大きな助成金の最終ヒアリングがあり、ほぼほぼ決定しただろうということでした。めっちゃ嬉しくて。ダメ元で出していたんですが、狭き門に通過させていただいたようです。

また、別件で、これまた大きな助成金について、〆切最終日だったのですが、直接お持ちして提出してきました。これも上手くいくと良いな・・・。


そのほぼ内諾している最終ヒアリングの場面で、審査の方と色んな話をしました。
お金を出す方にも色んな事情があるんだろうけど、どういうところを見ているかっていう話も聞かせていただきました。
今日は、その一部をアウトプットしますね。(全部は書ききれないし、文字にして発信できないようなことも・・・(笑))

で、ふと思い返しました。

今まで、色んな助成金に申請してきました。
ぼくとしては、結構負けてる(失敗・落選)と思い込んでいたんですが、
最初の1回を除き、あとは当選していると思います。

ちなみに、最初の1回は、全国的に有名な、子どもに関する活動の某助成金で、ぼくたちの想いの丈を書いて提出しました。NPO法人化して初めての活動ということもありました。率直に書きすぎましたかね。
結果は落選で、どうやら、『市民センターと連携した活動なんでしょ?公的施設ですよね?市からお金出してもらえば良いじゃん』みたいな審査内容だったそうです。「は?」と思いましたけどね。まあまあ。
後から、周りの活動者の皆さまから聞いたら、この助成金はやめといた方が良いっていうブラックでした。おぉ、セーフ(笑)

たぶん、これ以外は全部当選していると思います。
(たぶんかーい(笑))
逆に、安易に考えず、良い経験となったと感謝しなければなりませんね。


ぼくみたいな、ペーペーNPOが偉そうに解説するテーマではないんすが、
一応、ぼくなりに学んできたこともありますし、申請段階での各種の工夫を通じての、経験も踏まえてアウトプットします。


①当選は一度きり?

まず、助成金や補助金の仕組みを確認する必要があります。

実施したい活動に対して、目的や目標が合致する募集を見つけたら、どんな仕組みになっているかを確認しましょう。
そもそもで、対象団体に含まれるかどうかもあります。(最近は、法人格が無くてもOKっていうのがほとんどになってきましたね)

たいてい、助成金や補助金は、お金のあるところから、社会課題に貢献するものです。
お金の使い道を見せるために、『幅広く』多くの団体に助成・補助することが多いです。

そのため、助成・補助できるのは『一度きり』とか『2回まで』とか、決まりがあります。

そりゃそうですよね。毎年、同じ団体に持っていかれたんじゃ、他がたまったもんじゃないですね。

この一度きりや、2回まで、とかをどう捉えるか?が重要になります。
良い助成金だったら、「今じゃなくて、数年後、もうちょっと体制が整ってから!」という判断もアリだと思います。


②助成金・補助金ありきでは通らない

①の話題が根底にあって、この話題に続きます。

例えば、毎年、自主的に行っているイベントで、資金を獲得したいから、助成金・補助金に申請したいとします。

1年分は獲得できたとして、その後はどうしますか?
審査する人はそういうところを見ています。

設計の悪いイベントによっては、毎年、順番に、どこかしらの助成金を食いつぶしながら続けていっているイベントもあるそうです。こわっ。

審査段階で、よくある質問です。
Q:この助成金が無かったら、このイベントはしないのですか?

焦った回答で、いいえ!もちろんやりますよ!熱意はあります!
と答えてしまいます。
じゃあ、助成金無しでやってください。となります。

では、
いえ、この助成金が無ければ、このイベントはできません。。。
と答えたとします。

じゃあ、来年はどうやってやるんですか?この助成金は、今回限りですよ?と言われます。

つまり、全面的に、助成金や補助金ありきで、イベントを実施したりは、かなりしんどいし、設計上、危ないです。
せめて、見せ方を変えなければなりません。


③イニシャルコスト・ランニングコスト

必要な資金について、ちょっと注目してみます。

予算の使い道について、
イニシャルコストとランニングコストに分けてみましょう。
この棲み分けをすることで、申請書の書き方が随分変わります。

イニシャルコストとは、
初動段階での投資的なコストのこと。
つまり、最初だけかかるお金です。

ランニングコストとは、
継続的な経費のことです。
つまり、ずっと必要なお金のことです。


図的に書くならこんな感じです。
イニシャルコストは縦。
ランニングコストは横。
というようなイメージです。


④認定しやすいのはイニシャルコスト

そこで、これまでの話題に続き、助成金・補助金などで、認定しやすいのは、イニシャルコストか?ランニングコストか?となると、
断然、イニシャルコストです。

最初の最初だけお金がかかるんです!
ここを支援してください!!
あぁそうですか!頑張ってください!!
って認定がおりやすくなります。

助成金・補助金のあるあるで『スタートアップ』系のやつが多いですね。
最初に頑張るときに応援しますよっていうやつですね。



⑤ホントにほしいのはランニングコスト

ということで、イニシャルコストは応援されがちなんですが、ランニングコストは、獲得が難しいんです。
では、最初だけやんけ・・・という気持ちになります。

本当に応援してほしいのは、ランニングコストです。

そこで、ぼくたちのような市民活動においては、安定的なランニングコストの獲得に向け、寄付をもらいましょうっていうロジックになります。

寄付をいただくのは、また、更にさらに難しいんですけどね・・・。

また、ランニングコストを応援していただく、超貴重な助成金・補助金も中にはあるそうなので、もうびっしり詰まっているでしょうが、探し当ててみてください。


⑥成長するランニングコスト

そこで、こういう組み方をします。

ずっとやってきた活動で、これからもやっていくんだけど、
『この度、こうした、ちょっとした成長をしたいんです』っていう提案です。

イメージ図で書くとこんな感じです。
ちょっと成長するところにコストが要るという感じでしょうか。

つまり、ランニングコスト的ではあるんですが、初期投資的なイニシャルコストっぽい使用方法ですね。

『その助成金などをいただくことにより、今後も含めた、こんな発展に繋がります!!』というアピールができます。

こうして、上手く助成金・補助金を獲得して、新たなチャレンジでどんどん進めていけたら良いですね。

逆に言えば、
何らかシフトチェンジや新たなことに取組む際には、上手に助成金・補助金を獲得できると良いですね。



⑦【奏功事例】イニシャルコストとランニングコストが半分ずつ!


以前に、ぼく達がいただいた助成金で、こうした良い例があります。

これまでの記述を合わせ技一本にしたような感じです。

イニシャルコストとランニングコストをどう見せていくか、ということなんですが、
堂々と書きました。

『この要望にはランニングコストも入っています』と。
しかしながら、『今回のイニシャルコストをいただけるのであれば、以降のランニングコストは軽減できます』
というロジックです。

ちょっと図が分かりにくいかもしれませんが、こんなイメージです。

こうしたロジックにしてみると、審査する側からすると好感がもてるのではないでしょうか?
結果的には、金額含めて、すごく評価高く応援してくださいました。



⑧インパルス的なコストも良い!?

流行りのクラウドファンディング等には多いかもしれませんが、
一回きりで、資金が必要なこともあろうかと思います。

何と表現して良いのか分かりませんが、
工学出身のぼくには「インパルス応答」のイメージです。(マニアックでスイマセン)

つまり、ドカン!と打上げ花火で一回きりよ!っていうものです。
こういうのも、助成金・補助金のテーマによっては、取りやすいのかなと思います。

いま、挑戦しているものは、このロジックで挑んでみました。

逆に堂々と、「最初で最後です」と記載しました。

結果はいかに!?



助成金・補助金は、あればあるほどありがたいのですが、
それに追われて、本来したいことがないがしろになってしまったり、
そんなにしたくもないのだけれど義務的なものが増えてしまったり。。。

ぼくたちの業界では「助成金貧乏」って言ってます。
いただくものも、謙虚に、いただかなければなりませんね。
足るを知る。
そんな気持ちも大切かと思います。

あとは、信用問題かと思いますので
日頃からの発信だったり、資料や対応の丁寧さも大切ですかね。


市民活動においては、皆さん共通の課題テーマだと思いましたので
分かりにくい?図解含めて書いてみました。
競争よりも共創。
みんなで頑張っていきましょう!!


何の気なしに書き始めましたが、こだわっちゃって、
朝だけでは書ききれず、昼になってしまったこと、ご了承ください(笑)


今日もご覧いただきありがとうございます。






<1年前の”今日”の記事★>

わぁ!もう1年も経った!?
これはとても大切な記事です。
『協働』って何の魅力があるんだろう?
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