見出し画像

これからの町内会、まちづくりについて考える

2024.10.5(土)夜、
北九州市八幡西区のコムシティにて、『北九州市における小規模多機能自治を考える』勉強会に、お誘いいただき参加してきました。

参加メンバーは、市議会議員さんや、行政の方、自治会や地域活動に取組まれている方など、そうそうたるメンバーでした。(そんななか、ぼくにもお声かけいただきありがとうございます)

IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)という組織の代表者でらっしゃいます川北秀人さんのご講演ということで、これだけの皆さんのご参加となりました。

2時間、どわ~っ!と講演いただきました。
まるで、息を吸うこともないというぐらい、絶え間なく、すごいスピードでお話をしていただきました。

講演の内容としては、
『自治』が弱ってきているのを全国各地で見てきている。
もちろん、人が減ってきてる。担い手不足。というところでも起きていますが、人が増えているところでも同様のことが起きている。

年代別の世帯・人口構成や暮らしのありようということと。
自治体の組織や機能そのものに課題があるということ。
大きくこの2点のお話だったかと思います。


少子高齢化は大きな課題です。
そしてピークを過ぎ、減少社会に入ってきている。
しかしながら、増え続けているものがあります。
それは何か!?

『ひとり暮らし世帯』。
そして、『世帯人数』が減っているということです。

ひとり暮らしの若者や高齢者がどんどん増えています。
核家族化も進んでいます。
サザエさんの世帯が一般的だった時代から、変化しています。

自治会・町内会の活動も世帯ごとに担当しますから、三世代で担当していたものが、いまや、高齢者ひとりで担当する。それが大変だから輪番が回ってきたら脱会するというあり様です。

また、定年延長により、地域活動をリードしてきていた世代の皆さんが、まだまだ働いています。
地域活動に出てきた頃には、随分と年齢が高くなっていて、支えてもらわないといけない世代になっており、支える世代はどこにいるの?というのが実情です。


また、自治会組織のありようとして、どこもかしこも『後継者の育成』というのが課題になっております。
次の軸となる人が育たない。
若い人材が集まらない。
口々にこんな課題をおっしゃります。

特に、会長さんの決め方には2通りあるそうです。
・完全輪番制(短い任期で順番に会長が変わっていく)
・自薦他薦選出(皆さんで選んでいただく)

前者であれば、短い任期を終えて、次の人に引き継ぐものですから、基本的に前例踏襲。ふ〜、やっと宿題クリアというような感じで、前には進みません。
後者であれば、長く会長さんを務められることがほとんどで、いわゆる長期政権。まわりからも口出しできなくなるし、会長が変わるまでは何も変わらないというのがよくあるパターンです。

つまり、時代や社会や、地域のありよう、住民の状況はどんどん変化しているのに、自治会運営だけは、何も変わらないまま、ず~っと同じで来てしまっているというのが先生のおっしゃるところの警鐘です。

「重ねたり」「間引いたり」する運営が必要ということ。

また、3つの「・・・てみる」が重要とのことで、
「決めてみる」
「やってみる」
「ダメならやりなしてみる」
だそうです。


こうした、全般的であり、現場目線の講演のみならず、
「北九州市」の今後の人口構成の見通しや、地域別の課題について統計を駆使した資料を提示していただきました。

いやぁ、すんごいデータを提示していただきました。
例えば、都市部で子育て世代が多いまちと、高齢化が進んでいるまちと、必要なこと、やらなければならないことが全く違うということ。

行政や民間に頼っていては、住民の暮らしは守れない。
『自治』のフィールドや、チカラはとても大きなものがある。というのが持論でらっしゃいました。

全く同感で、『地域』にチカラをつけていくことがとても重要だと思います。

色んな地域の好事例もお聞きしていきました。

時には、ルール違反のようなやり方でも、「住民のため」に必要であれば、ルールさえ変えていったという事例や、民間がやっているようなことを、ローカルなまちに住んでいる人たちがいて、その人たちが請負っていくという仕掛けづくりもご紹介いただきました。

そのように、自治会については、『経営する』という感性をもって、未来へとバトンを繋いでいかなければならないとのこと。


ぼくも、いつか、小地域で実現できないかなぁと思っていることはたくさんあります。

NPO法人を「経営」しはじめて、なおさら、そのように思います。
ぼく自身は、公務員で行政の一員でもあります。
実家は会社をしており、幼いころから「民間」の感覚を持っているつもりです。もちろん、公務員以外の友達もたくさんいて、日頃からいろんな話を聞きます。

「官民」と言われますが、官(行政)でも、民(会社)でも、できないこと、達成できないこと、課題解決できないことがたくさんあります。
そこを埋める『共』のフィールドをつくりたいと、NPO法人を立ち上げました。

やってみると、ニーズはたくさんあります。
仕事としてやろうと思えば取り組めるぐらいにはなってきました。
とは言え、民業ではありません。利益もなければ、関わる皆さんへの給料もバイト代もありません。
皆さんの「想い」を資源に活動しています。


このNPO法人で培った感覚で言えば、地域活動も完全ボランタリーから、「半経営」のレベルまで持ってこれるように思います。
収益をあげながら、活動を続けていくということです。
んー、上手にできないかなぁ。


「NPO法人〇〇町内会」のような経営感覚です。
色んな業務を請け負って活動します。
地方自治法も改正されましたが、「指定地域共同活動団体」の制度も、このアイデアそのものです。

島根県に、水道料金の検針を地域側が請負って実施しているという事例もあります。水道局側がスタッフを派遣しなくて良いから、win-winの関係性になれるというものです。
さすが、地域が請負うものですから、検針に合わせて、高齢者の見守り活動も並行します。民生委員の方々の定期的(義務的)な訪問活動も重ねられるというものです。

北九州市でも、避難所開設・運営を地域住民の皆さんに担っていただくという事業を開始しました。公務でぼくが発案し、実施を始めたものです。だんだんと魂が変化してしまい、問題が起きていることもあるようですが、行政職員の「協働意識」の問題かと思います。ぼくは、時代を変える好事例だと思っています。


他にも、単なるアイデアですが、このようなことができないだろうかと思いついています。

①新聞、フリーペーパー、チラシ、もちろん官報など、地域のなかでの配布物を一挙に請負う体制。近所の人で配り合うので負担はそれほど大きくないし、次から次へと来る配布物は、まとめれば、効率的です。

②水道料金の例もありましたが、電気料金も同様に実施できるかと思います。また、宅配や郵送も可能になるのではないでしょうか。何度も訪問することが社会問題化しています。駅などでの置き配なども始まっていますが、地域拠点があれば同様にできますよね。

③町内の中での民泊。インバウンドもそうですが、イマドキの観光は、名所に行くというよりも、その土地のローカルなものに触れることも流行っています。北九州市に遊びに来てもらって、ホテルではなく、地域の一員のように、家に泊まってもらう。そこで空き家を活用できると良いですね。

④草刈りも受注できます。公園管理については、愛護会へ安く任されているのが実情で、道路や河川の草刈りも含めて、一帯で受注できれば、行政コストも随分と下げられると思います。

⑤PTAや子ども講座の運営。子育て世代は段々と卒業していきます。短い子育て期間の間に、PTAなどの役を任されても、ノウハウが足りず、子ども講座など実施できないというのが実情です。地域の中で好きな人、得意な人が集まり、支援していくというカタチは可能だと思います。PTA会費から外注しても良いかもしれませんね。

⑥買い物支援、通院支援、通所支援など、交通政策も地域ならではで出来る可能性があります。Maas構想もありますが、高齢者ひとり暮らしの生活を支え、外出する機会を支援することは大切だと思います。自動運転の技術も進んできましたし、同乗予約のサービスも充実してきています。

⑦文化・季節行事などのNFT構想。地域通貨も流行っては廃れを繰り返していますが、最終的に「お金」に換算するから底を尽きたり、原資が必要になってきます。あらゆる活動において、皆さんのご尽力や「感謝」を別の単位で表現できれば良いかと思います。例えば芸術であり、文化であり、季節のうつろいであり、時間であり。言うなれば無限のコストに切り替えてみると良いかと思います。それらの運営を担います。

⑧これらの仕掛けや仕組みづくりを発信!伝播させていく活動。ぼくたちのNPOもそうなんですが、主流の活動とは別に、「その活動ノウハウを教えて」っていう依頼も多くあります。こうした「知的財産」を普及していくのは収益になっていきます。前述したものが達成できれば、十分、全国各地からお呼びがかかる規模になると思います。


パッとひらめいたアイデアです。問題も多数あると思います。実現するかどうかは別です。

ぼくもあらゆる場面で、地域活動に触れてきていますが、
地域には、そこに暮らしがあり、そこに住民がいます。

いくら情報化社会が進んだとしても、リアルな人の暮らしがあります。
だからこそ、地域のチカラを上手く活かしていく融合が実現できると良いなと思っています。


刺激的な学びを受け、ぼくなりにアウトプットしてみました。

今日もご覧いただきありがとうございます。
貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。


冒頭のイラストは、qoqo|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。



関連しそうな記事をいくつか貼っておきますね。






いただいたサポートは、NPO法人好きっちゃ北九州の活動費に、大切に活用させていただきます!!