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映画批評

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2021年6月の記事一覧

月末映画紹介『クルエラ』『くれなずめ』批評

月末映画紹介『クルエラ』『くれなずめ』批評

エヴァについて3つも記事を書いたので、他の映画見てないと思われたかもしれませんが、僕は映画廃人ですので、他にもいろいろ見ておりました。

今回は『101匹わんちゃん』の悪役クルエラをエマ・ストーンが演じた『クルエラ』と松居大悟監督の青春映画『くれなずめ』について書いていこうと思います。

今回もネタバレ全開ですので、鑑賞済みの方とネタバレ上等の方のみお願いします。

爽快な"勧善懲悪"映画『クルエ

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エヴァンゲリオン批評③ 〜日本は「私」を獲得したのか〜

エヴァンゲリオン批評③ 〜日本は「私」を獲得したのか〜

庵野が「私」を獲得するための儀式の映画『式日』『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は、シンジ、アスカ、綾波、カヲル、ゲンドウ、人類、使徒、90年代の若者たちすらも解放、救済し完結しました。
TV版、旧劇場版でエヴァが完結しなかったのは、当時の若者たちが「現実に帰る」ことを拒否したことが理由でした。だからエヴァは完結することが許されず四半世紀にわたって円環の物語を続けてきました。

つまり日本が「私

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エヴァンゲリオン批評② 〜胎内回帰とエディプスコンプレックス〜

エヴァンゲリオン批評② 〜胎内回帰とエディプスコンプレックス〜

胎内回帰のエヴァンゲリオンそもそもエヴァンゲリオンとは何だったのかという問題を考えたときに、やはり聖書を切り離すことはできません。

聖書において、使徒はイエス・キリストの12人の弟子のことで、神に遣わされた者を意味するします。エヴァンゲリオンに登場する使徒も聖書との関連があります。第1使徒のアダムは旧約聖書の最初の人類の一人で、第2使徒のリリスはアダムの最初の妻です。リリスは悪魔の祖とも言われま

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エヴァンゲリオン批評① 〜居場所のない自我、「作者の死」〜

エヴァンゲリオン批評① 〜居場所のない自我、「作者の死」〜

エヴァに関しては『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を鑑賞した後に総括しようと思っていたのですが、2回鑑賞後にまとめたかったので遅くなってしまいました。1995年のTVアニメの放送から、旧劇場版3作、新劇場版4作というスターウォーズ並みのボリュームで26年にも亘りファンを惹きつけ続けた作品について考えます。

エヴァンゲリオンシリーズ全体の総括をしていくので、ネタバレ全開です。ネタバレが嫌な方はお

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