国際結婚のメリット5つ・デメリット5つ
こんにちは。アイルランド在住のつぐみです。
私はアイルランド人と国際結婚して、日本ではなく相手の国アイルランドに住んでいます。国際結婚にも、日本に住む、相手国に住む、いろんなパターンがあると思いますが、私目線からの国際結婚のメリット、デメリットの紹介。
私は結婚も遅く、人に偉そうに結婚を語ることなどできないのですが、1つの経験として、国際結婚を考えている人や憧れている人の参考になれば幸いです。
[メリット]
① 価値観の違いが前提にある
ずいぶん昔に、どこかの本で読んで心に残っているのが、異なる文化を持つ外国人同士の国際結婚は、「価値観が違うのが前提にあるから、価値観の違いというのが離婚につながりにくいらしい」ということ。価値観の違いとは、よく離婚原因になるけど、国際結婚では意外にも原因になりづらいらしい。
これは少しわかる気がしていて、私たちカップルも、私が変なことをしても、相手が変なことをしても、割と寛容に受け入れる。日本人ってそうなんだ~と一般化されている可能性も有り。
そもそも、コミュニケーションの問題は、相手に期待しすぎる事が根底にある。私は日本人ではない彼に、阿吽の呼吸で自分の心を読んでもらおうとは思わない。言葉で説明するし、相手も話し合いで解決してくれようとする。
「日本人(と言うか私)の感覚は、言語化せずに通じることはない」というある種の諦めが、よりよい夫婦間コミュニケーションにつながっていると感じる。
② 比較的ロマンティック
まーこれはね。国際結婚あるある。
アイルランド人はヨーロッパの中ではシャイで真面目な方に分類され、歯の浮くような甘い言葉や、情熱的な行動は少ないと言われるが、それでも日本人感覚ではロマンティックだなぁと思う。
バレンタインには街中は薔薇の花束を持つ男性で溢れ、彼女のオフィスに花束を送りつける人もいる。彼女を驚かすためのサプライズパーティーや旅行など、割とせっせっと愛情表現に勤しんでる感じ。
私の旦那さんは決してロマンティックな方ではないが、それでも普通に「僕は君に仕えるために生まれてきた」とか言うので笑ってしまう。
(日本語にすると、さらに笑ってしまう…)
日本文化はいわゆる空気を読むハイコンテクスト文化なので、言語化を大切にするローコンテクスト文化に比べると、言葉での愛情表現では敵わないのでは。
言葉だけが愛情表現ではないが、どちらかだけではなく、言葉と行動が伴った愛情表現はわかりやすいので、他人の感情を読むのが不得意な私はローコンテクストコミュニケーションの方が楽だ。
③ 配偶者ビザはやはり強い
私は移住後、数年間は就労ビザで海外勤務していましたが、やはり不便が多くありました。転職への制限が一番の大きなデメリット。
特に日本は二重国籍を認めていないので、一定年数働いたとしても、現地国に帰化することがなかなか難しいです。
就労ビザの獲得はスポンサー企業が必要だし、一度就労ビザを獲得したから安泰というわけにはいきません。
海外でもいつでも仕事を選べる立場にある強者はともかく、ビザはなかなか頭が痛い問題なので、結婚によりその悩みが解消するのはありがたいところ。
金銭的に豊かである日本から、他国のビザ目的のために結婚する人はほぼいないでしょうが、副次的なメリットとしてはやはり大きいです。
駐在ではない働き方を選択する日本人カップルも増えてきましたが、国を選ぶ際には常にビザ問題に直面することになります。
④ 子供は英語ネイティブ
昨今の日本が、国際社会において厳しい立場に置かれているのは事実。
日本語ネイティブが、いざ日本を出たいと思っても言葉の壁が大きく立ちはだかる。私も未だに英語ネイティブにはほど遠いし、ネイティブと対等に日本非関連の仕事を見つけるとなると収入が下がる。
そんな中、子供が英語ネイティブであることは子供の将来の選択肢を大きく広げる。
語学ができてもスキルがないと、って話ではありますが、母国語が英語なのは国際社会において完全に有利なのは否めないですね。
非英語ネイティブにとって英語は、必須言語なだけなので。
⑤ ハーフはやっぱり可愛い
ハーフの子供はやっぱり可愛いです。
誤解がないように言っておきますが、親としては、子供の外見がどうであれ可愛いでしょう。
ただ現実世界において、外見が良いに越したことはないじゃないですか。社交においても就職活動においてもそして婚活においても、外見がいい方がメリットが多いのは科学的に証明されている。残念ながら。
だから子供もできれば外見がいい方が、世間を渡る上で、より楽になるよなと思ってしまうのが親心。
ハーフだからと言って全員が全員モデルや芸能人並みに美しくなるわけではないですが。
一部の研究結果では、遺伝的多様性が健康や魅力に寄与する可能性があるとされている。異なる遺伝背景を持つ親から生まれた子供は、遺伝的多様性が高まるため、病気に対する抵抗力が強くなるなどの健康上の利点があり、健康な外見は美しさにつながる。
また、異なる文化や民族の特徴が混ざることで、ユニークで魅力的な外見になると感じる人々がいることも事実。
国際結婚する上で、この理由を重視して結婚する人はいないと思いますが、まあ一つのメリットとして。
[デメリット]
➊ 笑いのツボが違う
外国のジョークが、心の底から分かるようになるだろうか?と言うのが私の長年の懸念だったが、最近は「多分イエス」と思ってる。
なぜなら最近日本のジョークが面白く無くなってきてるから。高度な笑いには、広範囲な背景知識が必要だ。そして私の日本の背景知識が年々減って、日本の笑いが通じなくなってきている。
誰が聞いても面白い話とは、人間全体に共通する話を元にしているからであって、地域的な情報を元にした笑いは、万国共通ではウケない。
特にアイルランドは、割とシニカルな政治や文化ブラックジョークが多く、その背景知識がわからないとポカンとしてしまう。
政治、経済、芸能、文化、現地人が常識として知っていることを知らない外国人が、言葉の壁を乗り越えたとしても、現地ジョークを理解するのは難しい。
特に相手を少し笑いの種にするようなジョークで、本人が気を害すると
"big ego and less intelligent"などと言って、また笑いが続くことも。
どれだけのジョークを笑えるかが、その人のインテリ度を決めるってのは真実だと思うので、今日も地道にアイリッシュジョーク理解のために精進する。
➋ 食べ物のツボが違う
日本の家庭でも、家族みんながバラバラのもの食べる家庭は増えているのでしょうか?
私が小さい頃は、出されたものを残さず食べて、バラエティ豊かな食事をするのが健康的で正しいと信じられていたし、私は今もそう信じている。
でもアイルランド人は子供の意思を尊重し、食べたくない野菜は無理強いせず、食べたい物やお菓子を食べさせる。
肥満もアレルギーも偏食も日本より多いのは、栄養学の知識がない子供の言い分を聞き過ぎているからだと思う。(もちろん全員とは言わないが。)
家族個々の好みを尊重させる文化のアイルランド人は、同じ食卓を囲んでも、違う料理を食べることが少なくない。
私の義姉は料理がとても上手だが、旦那さんは魚、赤肉NGの娘は鶏か野菜、筋肉増強中の息子は高タンパク質など、家族それぞれに違うディナーを作っていて、私は驚愕した。
そして絶対に私はそんなことせず、何でも食卓に上ったものを文句言わずに食べる家庭にしようと思っていたのに、結局最近は週2-3回は、別々のものを食べることが多くなってきた。。。
だって毎日食べたいものが合わない。
歳のせいか肉が重い私は和食、旦那さんは洋食系と、段々分かれてきた。毎日和食でもいい私と、たまに和食が食べたい旦那さんの間をとる。
煮物とかさー、料理の上手下手に関わらず、誰でも美味しいものではないの!?国際結婚で旦那さんの舌を日本風に仕上げている奥様、素晴らしいです。うちは和食も好きは好きだけど、さすがに毎日和食は気に入らないらしい。
以前、知人が、国際結婚の離婚原因は食の不一致だよと言っていたが、私ももし離婚することになったら、理由は食の不一致になるだろう笑。結婚前も、偏食すぎて付き合えない外国人は結構な割合でいたし。
外食やイベントや旅行時の料理などの趣味は合うから致命的ではないものの、家庭料理や病気になった時食べたいものが違うのは、感情的に寂しいし、事務的にも面倒。
➌ 懐メロのツボが違う
後悔していること一つは、若い頃に洋楽をもっと聞いておけばよかったということ。今でこそアニメは世界的地位を確立してるので、宮崎駿の映画に用いられた音楽など知ってる人も多いが、j-pop なんて誰も知らない。
懐メロを流すパブで、アイルランド人同士が盛り上がっているのを横目で寂しく見る羽目になる。こういう時、人間は共鳴体験を欲しているのだなと思う。音楽などの感覚体験とはすごくて、そのメロディーをきっかけにその当時の記憶がよみがえることがたくさんある。
そして互いの当時の記憶を話すのって本当に楽しくないですか?
旦那さんがその記憶の蘇りを体験しているときに、私にはその音楽にまつわる記憶がないことが寂しい。共通知があることは会話の重要なエッセンスだと感じる。国際結婚だと、共通知が少ないことが、新鮮で刺激的でもあるが、過去の人生における共通知識が少ないことはデメリットだと思う。二面性ですけどね。共通項が少ないということは、より自分の知らない新しい知識を持っているって事であり、私はそっちの方がいいと判断したんですよね。
映画や本にも同様のことが言える。私は本が好きなので、洋書原文で読むこともあるし、少なくとも英語原題は必ずおさえている。ただ映画の原題はあまりおさえてないので、見たことある映画でも邦題が直訳でないものはピンとこないことがある。笑いのツボにも通じるが、過去の共通背景知識がない分、これからの共通体験に期待するしかない。
➍ バイリンガル育児は大変
バイリンガル育児を始めて芽生えた感情。
「バイリンガル子供の、日本人親、尊敬します!」
ハーフなら、簡単にバイリンガルになれると思っているそこのあなた(育児する前までの私も含む)、全然そんなことないですよ!
特に日本語は、漢字カタカナ、敬語、男言葉女言葉、とても複雑なので、日常会話の日本語が流暢に話せるバイリンガルの子供でも、漢字は書けなかったり、敬語が話せなかったりする。
日本人が英語ができないのは、日本語と英語がかけ離れてるとか、学校教育が悪いなどいろいろ理由はありますが、本質的な問題は、日本人は英語ができなくてもお金が稼げることにある。英語ができない高所得者が多くいる先進国は日本以外にないはず。
逆説的に、英語圏で日本語ができることに金銭的なメリットはほぼないので、ハーフの子供が日本語を勉強するモチベーションとは、日本に対する純粋な興味が軸となる。親の出身国に興味を持つ子供ばかりではないのよね、残念ながら。
ただやはり何も具体的な目標がないと語学学習も続けづらいので、アイルランドの多くの日本語ハーフの子供は、大学入試のためのセンター試験に類似するリービングサートでの第二言語科目である日本語の高得点取得を目指す。そこまで行けるのかなー、親子ともどもモチベーション持ち続けられるのかなー。
アイルランドの学校の宿題や塾事情などは日本に比べ物にならないほどゆるいが、平日自分の仕事終わって、通常学校と日本語学校の宿題するよう教育するの、正直自信なし。
英語訛りのある日本語を話す娘は可愛いけど、ある程度話せるようにはなってほしいと思ってはいる。しかし、そこに投資する親子の時間を考えると全然バイリンガル育児って簡単じゃない。まあ、大人が学習するよりは圧倒的に効率はいいのですが、ある程度のレベル以降は、モチベーション次第な部分が否めない。
➎ 国際離婚は大変そう
日本人同士でもメンタル的に離婚は大変でしょうが、国際離婚の事務手続きは日本に比べ大変そう。そもそも、アイルランドでは協議離婚は認められず、裁判離婚しかない。絶対裁判を通ることになる面倒なシステム。一夫一妻制を貫き、離婚させまいとするカトリック教会の意図がプンプン感じられる。
夫婦仲が良い、イコール離婚率が低いと結びつかない気もしますが、アイルランドは、一般的に離婚率は低いといわれる日本よりもさらに離婚率が低く、1000人当たり0.7件のようです。(日本は1000人当たり1.7人件)
それは離婚手続きの面倒さにあるとも言えます。
そもそもアイルランドはカトリック国であることから、1996年まで離婚は「違法」でした。わずか30年前ですよ。この年に国民投票により離婚が合法化されたが、離婚の条件は過去5年のうち4年以上別居している場合に離婚申請ができる等厳しいもので、離婚できるのは4年以上別居できる忍耐力とお金を持った者だけと揶揄されていた。
ところが2019年の国民投票で、離婚条件が緩和。現在では、過去3年のうち2年以上別居していれば、離婚申請に進むことができます。まあ2年くらいなら実行可能。
さらに子供がいる国際離婚で揉めるのが、子供がどこの国に住むか。アイルランドとEU隣国ならまだしも、アイルランドと日本となると、どちらの親の元でどこに住むか親権問題が複雑になります。国際離婚による子供の居住地確保を定めるハーグ条約では、基本的に子供は、元の居住国で育てるべきという考え方があるので、外国で子育てをしている日本人母にとっては不利に働くケースがあります。母親に親権があるからと言って、簡単に日本に連れ帰ることができないケースがあるので注意が必要です。
私は今のところ、離婚する気はないですが、こういう手続きを経なければ離婚できないなら、かなり強い意志がないと離婚できないなーと思い、割と離婚が遠のく。それが良いことか悪いことかはわかりませんが笑
あれこれ国際結婚について書いてみましたが、気がつけばデメリットの方が文字数やたら多いわ笑笑。
人間、不満の方が言いやすいのでしょうか。自分の結婚を顧みながら、まあ投稿はするんですが。
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